火曜日と木曜日は隣町のキャンパスで授業を受けている。車で30分ほどの距離だ。(15マイル弱)隣町は元々African Americanの町だったそうで、キャンパスに行っても、街中で見かける人たちも黒人の人が多い。どちらかと言えば、そちらの町の方が貧しいそうだ。(元々はそうらしい。)
私が住んでいる町では、バスに乗る人というのは、車を持っていない貧乏人、または留学生だけである。車を持っていない人は明らかに、その人のステータスを表すような格好しかしていない。つまり汚い格好なわけだ。
ところが隣町は、バスに乗る人がたくさんいる。そして、私がいる町のバスに乗る人と比較すると、決して貧しそうではない。バス停で待っている人や自転車に乗っている人もよく見かける。一人で歩いている女の子だっている。学校帰りに子供が皆で歩いて帰宅している。何だか隣町の方が生きている町のように感じるのだ。
私が住んでいる町は、歩いている人なんてほとんどいない。街中の一角だけだ。私はこの環境は、何かが間違っているような気がするのだが、これがこの町では普通らしい。どんな至近距離でも車に乗る。これが標準らしい。時々健康のために歩いている人もいるが、本当に数人見かけるだけだ。つまりこの町では、学校の敷地内、ショッピングモールなどを除くと、歩いている人をほとんど見かけないのだ。そして心の中で「だからあんたたちデブになるんだよ」といつもつぶやいている私がいる。
私はこの歩けない環境が大嫌い。歩けばいいじゃん、と言われそうなのだが、歩いていて全然気持ちのいい環境ではないのだ。歩き回って体力を維持していた私には、この状況はしんどい。しかも日中は歩き回れないほど日差しが強い。この日差しの中をドライブするから、シミも増える。運動不足で、ストレスも溜まる。運転ばかりなので、ガソリン代も馬鹿にならない。
今日帰り道に横断歩道を渡っている少年二人を見かけた。おつかいの帰りらしい。何だかほほえましかった。私のいるところでは子供が町中を歩いているところなんて、見たことがない。車があるのが当たり前、ない人は貧乏人。歩いている人はお金のない人。どうもこの町ではそう思われているらしい。
けれどねぇ、今日おつかいの帰りの男の子たち、学校からふざけながら歩いている子供たちを見ていたら、そっちの方がよっぽど自然な気がしてきた。車社会って、人と触れ合う機会を減らしているよね。
隣町はAfrican Americanの町、そう言って嫌がる人もここにはいるけれど、あちらの町の方が何だかよっぽど人間らしい生活をしているような気がしてしまうのは私だけだろうか。