数日前、「国際刑事裁判所(International Criminal Court、ICC)は4日、ダルフール(Darfur)地方の紛争をめぐり、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領に対し人道に対する罪と戦争犯罪で逮捕状を発行した。」こういう記事を読んだ。
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2578817/3883554
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=30081&Cr=darfur&Cr1=icc http://www.cnn.com/2009/WORLD/africa/03/04/sudan.president.darfur.charges/index.html
現在大統領のポストにいる人に逮捕状を出すというのには驚いたが、非道な行いをしていればそれは当然というもの。国の主権や自治権は基本的には守られないとならないが、もし独裁政治でそれが非人道的な行いをしているとしたら、今回のような介入は当然のことだと思う。一人の人(またはその周りの少数の人)により、何十万人も人が虐殺されているとしたら、それを放っておいていいわけがない。
しかしこの大統領、そういう決定にはもちろん徹底抗戦するようである。NGOをICCと協力したと責め追い出すことに決めたようだ。逮捕状が逆効果になりそうで心配だ。
それにしても中国。「国連安全保障理事会は6日、スーダンの対応を非難する声明案について協議したが、中国の反対で合意できなかった。(08日 21:01)」こういうときVetoは困る。(拒否権は、元々は二度と世界大戦を起こさないように、大国を常任理事国に加えてお互いに戦争を起こさせないようにするためのものだった。そういう点では今のところ、役目を果たしているようではあるのだが、今回のようにまとまって非難声明を出したいときに足並みが揃わなくなることに貢献してしまう場合もある。)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090308AT2M0800508032009.html
そう言えば、こういうこともあったし。
http://www.canada.com/topics/news/world/story.html?id=4bb2ff74-12a6-4a92-a3c4-2bf5c2ec1481&k=98550
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/africa/article1678083.ece
もう少し日本にも頑張ってもらいたいのだが、しかし日本もスーダンから石油を輸入しているので、どこまで強く出れるのかは疑問。
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/area/sudan/kankei.html
私が気になるのは、こうやってNGOの人たちが外へ追い出されてしまうことにより、一番弱い人たちに必要な物資が届かなくなってしまうこと。逮捕状が出ても、それが実行できずに却って大統領の態度を硬直させてしまうとしたら、逮捕状を出した効果はどこまであるのか。逮捕状によって一般の人のスーダンでの虐殺についての認知度は上がるだろうが、それ以上は何がどう好転するのか、または反転するのか、全く今のところは分からない。最終的には好転すると思っているのだが、そこにたどり着くまでに相当な数の犠牲者が更に出てしまいそうだ。
http://www.hrw.org/en/news/2009/03/05/sudan-expelling-aid-agencies-harms-victims