明日の朝までに読んでいかなければならない本。あと少しで読み終わるのだが、泣き過ぎた。今の私の状態は、ぼろぼろに見えるだろう。元々異常に涙もろいのは自覚しているが、本を読んでいてここまで泣いたのは初めてではないだろうか。
明日の授業のためだけと思うのなら、もっとさっさと読めたが、この本はじっくりと読まないといけない気にさせられたのだ。そして読んでいるうちにも涙で文字が読めなくなってしまい、おまけに鼻まで詰まって呼吸が苦しくなった。こんなに心身ともに苦しくなりながら、本を読んだことは未だかつてない。しかも断続的に4時間以上である。
内容はPinochet政権下でのチリの女性達の活動について、である。女性は強いな、としみじみと感じさせられた。Pinochetの軍事政権に変わってから(1973年)、多くの若者が理由もなく誘拐された。そして未だにどうなったのかが分からないままである。正確な数はわかっていないらしいが、政権交代後数週間で3,000人が行方不明になったらしい。毎月400人が逮捕されていたそうだ。そして子供を、旦那さんを、お兄さんを、弟を、父親を奪われた女性達は死ぬほどの経験をして探し回っているのだった。
そして実は今も探し続けているのだ。なぜかというと民主的な政権へ移行したときに、誘拐、拷問、殺人に関わった人たちに、この政権から恩赦が与えられてしまったからだ。そのため女性達は未だに正義と生存、殺されたのならその遺体を求め続けているのだ。そして彼女達は死ぬまで追究を止めないと言っている。当然だろう。
今こうして書いていて少し落ち着いた。また読書へ戻ろう。