この記事は、
[1] 勉強を始める前に絶対にすべきこと。
[2] ビジョンの罠。からのつづきです。
頭がいい。
これは随分と意味の広い言葉ですが、
ここでは成績がよい、ということに限定して考えてみてください。
小さいころから、クラスに一人や二人は
とても成績がいい人っていましたよね。
なぜそういう人たちは、あなたよりも頭がよかったのでしょう?
成績なので、学生時代を思い出してみてください。
学校でよい成績を取っていた人と、取れなかった人たちの差は、
一体何だったのでしょうね。
何であの人たちはあなたよりも成績がよかったのか。
生まれつきの頭のよさ?
それとも要領のよさ?
多分、どちらも成績のよさに多少は関係してくると思いますが、
私は、それだけが決して成功要因というわけでもないと思います。
そして大変残念なことに、私はどちらも持ち合わせていませんし…。(-_-;)
でも、そんな私ですが、
University of California, Los Angeles (UCLA) を優等生で卒業できました。
(UCLAの大学ランキングはこちらとこちら。)
私は子供の頃からずっと、
頭の良さは生まれつき自然に決まっていると思っていたので、
そのことについて深く考えてみたことはありませんでした。
ですが、高校を卒業後、フリーター、社会人を経て、大学へ戻り、
アメリカの大学で勉強しているうちに、なぜあの人たちは私よりも
頭がよかったのか(成績がよかったのか)が分かるようになりました。
観察結果を大きくまとめてみますと、
成績がよかった人は、以下の2つのことに長けていました。
(1)マクロな視点を持っていた。
(2)スタディスキルを持っていた。
どちらも備えていた人たちが、成績が良い人たちでした。
◆マクロな視点を持っているということ。
「頭がよい人は、大きく物事を見ることができる人たち」
私は日本とアメリカで、いろいろな国の人を観察して、こう思いました。
小さな単位で(ミクロな視点で)物は見ずに、
マクロな視点で、物事を大きく全体的に眺める人たち、
こういう人たちは、勉強しようとしていることの全体像をつかむのが上手。
だから成績も良いということに、気が付きました。
大きく物事を見る人は、
・自分の最終ゴールは何なのか、
・自分が今はどこへ向かっているのか、
・そこへたどり着く道筋はどのようなものかを考え、
その中で自分は今どこに位置しているのか、ということを、
いつも意識しています。
大きな視点を持っている人たちは、
向かっている先(ゴール)を知っているからこそ、
何が大事で、何がそれほど大事ではないかということを、いつも理解し、
必要に応じて、きちんと取捨選択を行うことができていました。
◆小さな視点で行動する人。
一方ミクロな視点を持つ人は、
そこだけにしか集中しない、
集中していることに何かが起こると、
パニックになり、冷静な判断力を失う。
そして、結果としてやる気を失ってしまう。
最初は張り切っているものの、最後には諦めてしまう、
そういう人が多いことに気づきました。
◆大きくとらえて勉強をする人。
具体的な例を挙げてみます。
たとえば学生の人なら、よい成績 (grades) を
取ることを目標としましょう。
(社会人の人なら、以下の例えを、
「よい成績」 → 仕事のプロジェクト達成、
「5科目」→ 同時進行のプロジェクト、
または 仕事時間とプライベートライフ等、
に置き換えて読んでください。)
学生は、最低でも1学期の間、5科目は取りますよね。
最終的に一年を通じてよい成績を取ろうとしたら、
全科目で成績を上げないと意味がありません。
その場合、何の科目に時間をどれくらい使うのがよいのか
一学期ごとに時間配分を考えないとなりません。
で、1年が終わるときの成績をゴールに設定して、
一学期ごとに計画を立てます。
一科目だけに集中するのではなく、
全体的な時間や労力の割り振りを決めます。
計画は大きなところから、小さなところへ向かって立てるので、
大きな視点を持つ人たちは、計画を立てるのが得意で、
それを要領よく実践していきます。
また頭のよい人たちは常にゴールを思い出し、
自分が今どこにいるのかを分かって(確認して)いるので、
計画通りに事が進まなくても、
目の前の一つの課題にムダに時間をかけすぎたり、
一つの科目だけで一日が終わってしまったりもしません。
バランスよく自分の時間を決め、
頑張りどころと引き際を見極めます。
なぜなら最終目標は、全体の成績を上げることだからです。
1科目だけA(5段階の5)を取り、
残りはC(5段階の3)では意味がありません。
何を今学期に学ぶのか、何を理解しないといけないのか、
どの科目もまず最初に全体像をつかむことが大事です。
なので頭の良い人たちは、
テキストの目次 (table of contents) や シラバス (syllabus) を見て、
へぇー、今学期はこんなことを勉強するのね、と
内容も先にチェック済みです。テキストもパラパラとめくってみます。
これだけでも自分がやらないとならないことが、
どの程度の範囲なのかが分かります。
◆小さな視点で目の前のことばかり考えがちな人。
一方ミクロな視点の人がやってしまいがちなことは、
ゴールを考えず、とりあえず目の前の問題に対処してしまうことです。
特に、こういう人は要注意です。
「よし!今日から教科書をはじめから全部読んで理解するぞ」
と決意しちゃったりする人。
教科書を理解することは大事ですが、
そしてそれはよい成績につながるかもしれませんが、
他の科目との兼ね合いも考えると、時間が足りなくなりそうです。
私もそうでしたが、下手にマジメにやろうとすると、
3日くらいで挫折します。
これは勉強の目的を特に持たずにスタートし、
教科書を全部読むという自己満足が、目標に入れ替わってしまい、
その結果、道を見失うという典型的なダメダメパターンです。
やっぱり学ぶ事の全体像を掴んで、ある程度の目的と手段を
はじめに考えておかないと、効率が悪いんですよね。
目的や期日がないと、やたらと一つのことに時間をかけてみたり
あるいは手段が分からないので、あちこちへ手を出し、
よさそうな問題集やら、参考書やらをひたすらと買い込んで、
また更に迷うということになります。
最初に「この範囲を3ヵ月後までにマスターする」と決めていたら、
そうそう無駄な動きは生まれません。
例えそれが小さな目的だとしても、
あなたはそれに向かって行動をするはずです。
◆自分がしていることを大きく上から見る。
要は勉強を始める前に、まず全体像を見つめ、
どうやったらそれを達成できるのかを考え、
いつも臨機応変に対応することが大事なのです。
敵を知らなければ(全体を見ないと)闘えないですし、
闘っている最中、最初の作戦(計画)に執着する必要もありません。
これは何も勉強に限ったことではありません。仕事でも同じです。
柔軟に対応する、
これは全体像が見えていないと、なかなか簡単にできません。
私が「この人は頭がいいなー」と思った人たちは、皆、
物事を一日単位でこなすことに集中するよりも、
物事をもっと大きく眺めていました。
彼らは、目指しているところと、
そのときの進み具合をいつも確認していましたね。
そして少しずつ計画や行動を修正していたのです。
なので、何かをしようとするときには、
まず自分が何をしようとしているのかを、
大きく俯瞰で物事を眺めるようにしてみてください。
自分がしようとしていることを、客観的に上から眺める感じです。
自分が今何のために勉強をしているのか、
詰まったときには必ず確認してみてください。
長くなってしまったので、あの人があなたよりも頭がいい理由、
スタディスキルについては、次回にします。
スタディスキルはアメリカの大学で体系的に学びました。
「どうして日本の学校では教えてくれなかったのよ!」と
当時おもわず文部科学省に文句を言いたくなったことを思い出します。^ ^
[4] 勉強方法で、頭は良くなるか?へつづきます。
[1] 勉強を始める前に絶対にすべきこと。
[2] ビジョンの罠。
[3] なぜ、あの人はあなたよりも頭がいいのか?(この記事です。)
[4] 勉強方法で、頭は良くなるか?
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