今日もメール講座へ届いた質問に答えてみようと思います。
それは 『must』 と 『have to』 の違いについてでした。
それはこういう質問でした。
「『豆腐、買わなきゃ!』って時は
義務ですよね?義務なら
have to と must どっちでもいいんですか?」
「must」 と 「have to」は、どちらも
【obligation】(義務) を表す言葉です。
これは状況により、交換が可能な時もあれば、
ニュアンスが変わって来るときもあります。
今日はこのことについて話してみます。
まず交換が可能な場合はこんな例です。
こんな例。「弁護士になりたいのなら、
ロースクールへ行かないとならない。」
☆ You must attend law school if you want to be a lawyer.
☆ You have to attend law school if you want to be a lawyer.
この場合は、どちらも意味的にはそれほど変わりません。
ニュアンスが若干異なったとしても、
弁護士になりたい場合、ロースクールへ
行かないといけないという事実は不変です。
発言者の表現の違いで、それほど意味は大きく変わりません。
でも、ほとんどの場合、強制力や意味合いがかなり違ってきます。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その違いを感じ取るために、また我が家の
ネイティブキッドに登場してもらいますね。
大人の説明よりも、時には子供の説明の方が
シンプルでわかりやすいので。
◆ 彼に「「You must clean your room.」
と言われたときと
「You have to clean your room.」
と言われたときの、その違いは何?」と、質問してみました。
すると答えはこうでした。「「must」 の方はね、
今すぐに、さっさとやらないといけない感じ。
でも「have to」 の方は、やらないといけないけれど、
後でもいいみたいな感じ。」
この答えから、彼が感じた
「強制力やプレッシャーの違い」が、
わかりますでしょうか?
つまり「have to」 の方は、今、例えば
PCゲームで遊んでいたとしても、
「うん。これが終わったら、やるね。」と答える余裕があります。
でも一方、「must」 の方は、
遊んでいるのを止めて、今、片付け始めないと
「やばい、怒られる。」というようなプレッシャーを感じるのでした。
アメリカ人元英語大学講師にも、
同じ質問をしてみました。彼は
「2つの文の意味合いは近いけれども、
「You must … 」の文の方は、
権威をふりかざしているようにも聞こえる。
命令に近い」と言っていました。
この2人のアメリカ人が感じている
「must」の強さ、わかっていただけましたでしょうか。
「~しなければいけない」ということで、
強い義務感を感じます。ですから、
「You must … .」は、こういう風に
強いプレッシャーを人に与えてしまうので、
使い方に注意してください。
(人を誘ったりする場合など、OKな場面もありますが、
それはこちらの記事を見てください。)
◆ ではここで、主語を「私」にして、
質問に答えたいと思います。
「豆腐」は一般的でないので、「リンゴ」に変えてみます。
■ I must buy some apples.
■ I have to buy some apples.
文法的には、どちらもO.K.ですが、
ネイティブスピーカーにとっては、
最初の 「must」 を使った文は、不思議に聞こえます。
何やら「リンゴを買わざるを得ない」状況を
想像してしまうからです。
なぜかと言うと、「must」 は、
何かの状況により、自分の意思でそれしかない、
という印象を与えます。「何でリンゴ?」
「それ以外の選択肢はないの?」と
突っ込みどころが満載な文です。^^
これもまた、ネイティブキッドにとって、
どういう風に聞こえるかを聞いてみました。
「何でそこまでして、リンゴを買わないといけないの?」と
やっぱり変な感じがして、おかしいそうです。
一方、「have to」 の方は、周り状況からして、
それをしないとならない、という感じです。
必要だから、やらないといけないな、という言う場合ですね。
これなら、「アップルパイ作るから、
リンゴ買って来て、と頼まれていたんだった。」
という状況などが想像できます。
ただ、こういうちょっとした義務なら、「need to」のが自然です。
■ I need to buy some apples.
なので、質問の答えとしては、
「豆腐、買わなきゃ!」みたいなニュアンスを表すのに、
「I must buy ….」 は使いません。
豆腐を買うということのために、
なぜそこまで大げさな表現にするのか、
なぜ強い義務があるのか、普通は理解できませんから。
でも、健康上の問題があって、
お酒を止めないとならないという場合などは、
「どうしてもそれをしないとならない状況がある、
だからそれをすると強い意志」を表すことができるので、
そういう場合は、must を使って構いません。
グーグルで「I must stop drinking.」と
完全一致検索をしてみると、
3,950,000件もありますから、禁酒に関しては、
こういう言い方が一般的であることがわかります。
自分への強い義務、それで強い意志を表すことができます。
明日は、must を使ったお勧め表現
「must buy」 について書いてみようと思います。
(1) 「しなきゃ」は、[must] or [have to]? (この記事です。)
(2) Must-buy って何?
(3) 「must」 と 「have to」 の違い。
(4) 言っても大丈夫な 「You must」表現。
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