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そんなに簡単に辞められる?

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安倍首相辞任のニュースを先程知った。日本にいないので詳細は分からないが、何やら無責任な印象を受ける。

NIKKEI NETでは、「自民党総裁選の投開票が23日となったことで、安倍晋三首相の後継首相がニューヨークで24日に開く気候変動ハイレベル会合と25日からの国連総会に出席できない見通しとなった。」と書かれていた。なぜならこの後いろいろと国内の手続きが続くからだそうだ。国際会議に日本の首相が出席できないような状態を作り出してしまうのなら、安倍さん、どうせならもっと早く辞めればよかったのでは。

私は仕事のために自分の身を犠牲にして働くことはないと思っているが、一国の首相となれば話は別だと思う。あまりにも影響力が大きすぎるから。それほどストレスに弱い体質なのであれば、はじめから首相にならなければよかったのに。それとも自分の力を過信していたのか。とにかく海外から見ていると、何だか訳の分からない辞任の仕方だ。日本人の気の弱さを、世界にさらけ出してしまったような。

日本のニュースをチラッと読んだだけなので、今度は海外でこの辞任がどのように受け止められているか調べてみることにした。

Washington Postの社説は安倍首相の辞任を全く不思議ではないと述べているが、その反面彼が推し進めていた引き続きのアメリカ軍への支援が今後は不安と述べている。
(A Japanese Retreat? Thursday, September 13, 2007; Page A18 より)
The prime minister’s resignation raises questions about Tokyo’s commitment to its allies in Afghanistan.

 

どうもアメリカにとっては日本の首相は誰でも構わないが、それよりも小澤氏の動きが気になるらしい。

Mr. Ozawa swore to use the DPJ’s clout in parliament to prevent renewal of the special law that permits Japanese ships to support the fight against the Taliban and al-Qaeda.

しかし、この書き方はないだろう。これだとまるで日本がタリバンやアルカイダを封じ込めをサポートしないと言っているようだ。もちろんその後に”the U.S. started this war unilaterally without waiting for a consensus to be built in the international community.”だからと小澤氏の理由を書いてはいるが。

 

しかし、Until this week, Mr. Abe had sworn just as firmly that he would rather quit than lose on this issue.と書いている辺りには、苦笑い。本当に辞めてしまったのだから。

 

LA Times。やはりここでも関心ごとは、アフガニスタンでのアメリカ主導の軍事行動を、日本が今後もサポートすることができるかどうかということらしい。
(LA Times, by Bruce Wallace, Los Angeles Times Staff Writer, September 12, 2007)

He opened a new session of parliament Monday in an apparently combative mood, declaring that he would put his job on the line to win parliamentary approval to renew a special anti-terrorism law that allows Japan’s military to assist American-led operations in Afghanistan.(He=安倍氏)

Today’s resignation means he has quit before that fight even began. ははは、その通りで情けない。

 

Economist(Sep 12th 2007)のタイトルにはまたまた苦笑い。Exit an unimpressive prime minister。随分はっきりと書くところは、イギリス人特有の辛辣さ?

 

しかしもっとキツイ記事が同じくイギリスのThe Times。

(After Abe, a Lincoln-Japan is running out of chances to make its voice heard , September 13, 2007)
Japan seems condemned always to be one crucial step away from taking a place at the top table of international diplomacy, handicapped by timidity in raising its voice abroad, and by a crippling parochialsim at home. The sudden resignation of its Prime Minister, Shinzo Abe, gives the world a fresh excuse not to revise its assessment of Japan as an economic giant with the political ambition of a minnow; as a country that craves credibility as a superpower, yet which slinks in the background when world leaders meet, fearful of raising its voice above a mousy squeak lest it attract uninvited attention or, worse, criticism.

もうここまで言われてしまうと、何も言い返せません…。

 

It is typical of this retreat by the LDP to its familiar terrain that Taro Aso, promoted to secretary-general and kingmaker in last month’s reshuffle, is himself emerging as the man most likely to be crowned the next king. That is how the LDP likes to work, unwilling to trade a cosy parochialism that guarantees jobs for the sons, and grandsons, of ministers, for a global voice that reflects its status as the second-biggest economy.
こ、これもまた手厳しいご意見で…。日本の強さや日本政府の海外での自発性は、確かに海外ではあまり取り上げられないが(また私は別にわざと国際社会から引っ込もうとしているのではないと信じたいのだが)、海外でこういう風に日本政府に対して呆れている意見が出てしまうことは、日本人として悲しい。

 

そして更にInstead Japan has a profile as thin as rice paper. と続く。おーい。And now Japan may be about to blow its chance of glory for ever, as China races to eclipse it economically, enabling it to seize the seat at the top table that Japan has been too slow to embrace. まぁ、これは最近よく言われる言葉だけれどね。

やはり一個人の健康上の問題であったとしても、The Timesのように書かれてしまうこともあるのだ。イギリス人(英語を読むことができる人)が、この記事を読み、もし日本はこの程度の国と考えてしまう人が増えてしまうとしたら(もちろんそんな簡単に人に影響される人ばかりではないだろうが)、今回の突然の辞任は国としての信用を失墜させたと言ってもいいのでは?首相ともなれば、もう一個人ではなく、国の顔。ストレスによる健康状態がどうのこうの言っている場合ではないだろう。そんなにちっぽけな心臓なら最初から首相にならないでほしかった。

海外の記事を読むと、またこれで日本に対する海外での評判が落ちたように見える。

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