日本から飛行機に乗り込むときに耳に入ってきたアメリカ人3人の会話。3人ともそれぞれ知り合いではなかったらしく、そしてそれぞれが日本以外からの国から(アジアのどこか)の中継ぎとしてアメリカに帰るために成田に立ち寄ったらしい。その会話の中で、一人の女性が言った。
日本の空港のSecurity Checkで担当者がこう言ったらしい。「I need to check your body.」 そして女性はこう答えた。「No. You can’t!」 するとオフィサーは同じ事をもう一度言った。そして女性も同じ答えをした。しばらくやりとりをした後、そのオフィサーは鞄(bag) を調べたかっただけ、ということが分かった、とのこと。「body と bag を間違えたのよ。ありえない。」他の二人も同調する。「だってここは日本だから。」と笑っている。
聞いていて、私はその話の信憑性を疑った。話を面白くさせるためだけに作ったのではないか? もっと複雑な言葉なら間違えるかもしれないけれど、ボディとバッグって、大体もう日本語になっているし。
しかし聞いていて腹が立ったのは、大体今まで私に英語以外で接してくれたオフィサーなんて、アメリカでは一度もお目にかかったことがないのに、人の国のオフィサーが努力して自分の国以外の言葉で話しかけてあげているのに、一体その思い上がった態度は何?ということ。アメリカでも多分スペイン語や中国語を話す人は、空港職員の中にいるだろうとは思うものの、アメリカの場合、はじめからそういうサービスはしてくれない。(外国語サービスがあるかどうかも実際はよく知らないが。)日本人がとりあえず英語を話そうとしているのだから、アメリカ人空港関係者もそれくらい見習って、もっと空港のサービスをあげたらどうなのよ、と言いたい。
しかもその国の人たちに囲まれた中で、普通堂々とそういうことを笑いものにするだろうか。日本人は英語が分からないだろうと思って、そういうことを大声で笑い話にしているのかもしれないが、それはかなり失礼な態度だろう。逆の場合を考えてみる。日本人がアメリカに旅行に行ったとする。日本語で話しかけてきたアメリカ人オフィサーが日本語の間違いをしたら、それを大声で日本語で「言葉が変だった」とアメリカ人の前で笑いものにするだろうか。普通はしないだろうと思う。頑張って日本語を話してくれているんだな、と思うのが自然だろう。
全く!人の言葉を馬鹿にしたり、それを問題だととりあげる人に限って、モノリンガルが多いんだよな、といらいらしながら飛行機に乗り込んだ。(いや、その人たちが実際はモノリンガルかどうかは分からないけれどね。)しかし言葉を自然に覚えた人以外は、他の言葉を習得することが大変なことを知っているはず。努力したことのある人は、普通は努力している人の姿を見て笑わないだろう。
しかしもし、「鞄をチェックします」というつもりで、「体をチェックします」と本当に言っていたとしたら、ちょっと日本の空港関係者もまずいけれどね。真相は分からず。