今日授業の後、African American literaturaの教授と日本の文化の話になった。返されたペーパーのあちこちに「もっとクリアに説明すること」と書かれていたので、私が「多分これは私の文化的背景が私の文章に影響していると思う。」と言ったのがきっかけで話は始まった。なぜなら私としてはそのペーパーを書いたときに、これで説明は十分と思ったに違いないだろうから、そう言ったのだ。
日本は共通の考え、認識、常識がたくさんあるので、ことごとく説明する必要はないし、そのため周りの人もこれくらいで分かってもらえるだろうという無意識の了解があるということを説明した。「そのため私は、アメリカ人に分かってもらうためには、どこまで説明すればいいかということは、こういう訂正された文章から学んでいる。」と言った。
そしていろいろと文化の違いについて話をした後、ふと教授は一人の日本人学生との経験を話し出した。最初教授が説明したときには、何のことを言っているのかわからなかったので、「もう一度その日本人学生が何をしたか言ってくれますか?」と聞いたところ、やっと分かった。その学生は教授になんと土下座をしたのだった。それは教授だって上手く説明できないだろう。とても驚いた経験だったようだ。
何でもその日本人の彼女はどうしても大学に入るためにグレードをあげる必要があったらしい。それで教授に頼み込んだらしいのだ。教授は土下座されたときにびっくりして、思わずドアを開けに行った、と言っていた。それはそうだろう。何をしているのか全く分からなかったのだろうから。そのときに初めて違う文化に触れた気がしたと言っていた。しかし意味は分からなかったらしい。私に「あれは何だったの?」と聞いてきた。
「謝るときや人に何かお願い事をするときにする行為で、心の底から謝っていることを示したりするのですけれど、通常の生活ではまずしないと思います。」と説明した。それにしても私は、今どき土下座をする人がいるという事実に驚いた。「その彼女はいくつでした?」と聞いたところ、「普通のカレッジの学生の年齢だよ。」と言うので、ますますびっくり。土下座なんて私だってしたことがない。なのにそんな若い子が土下座をするなんて。しかもアメリカ人を相手に!
どう考えても、その行為の意味が分かってもらえるわけはないだろう。そして土下座して物事が上手く好転するとも思えないが、恐らく必死だったのだろうな、ということだけは分かる。しかしその土下座行為は教授を驚かせ、教授の目には奇異に映っただけだったらしい。そうだろう、同じ日本人の私だってそんなことをされたら、面食らってしまうに違いない。
今日はあまり上手く説明ができなかったので、次回会うときにはもう少しきちんと説明をしようと思い、土下座を英語では何と言えばいいか和英辞典で調べてみた。和英辞典に載っていること自体にも不思議だが、出ていたものは以下のとおり。
prostrate oneself ひれ伏す、屈服する
これではその行為がどのようなものなのかは分かるが、肝心の行動の意味がわからん。
implore somebody on one’s (bended) knees
こちらの辞書の方が多少意味が分かるのではないだろうか。そして例文と合わせると、少し感覚的に意味が分かってくるような気がする。一緒に出ていた例文は次のとおり。
I implored his forgiveness.
She implored him for another chance.
そしてどうして土下座という行為があるかは後でGoogleして探してみよう。来週の授業のときに調べたものを翻訳して渡そうと思っている。教授は、彼女のした行為(土下座)の意味が本当に全く分かってなかったようなので、同じ日本人としてきちんと説明してあげようと思っている。
それにしてもアメリカでアメリカ人に向かって土下座をした日本人がいたことに、私は本当に驚いた。