ここ1週間以上、毎日寝る前には、化学の参考書を読んでから寝ている。あぁもう眠い、という状態になってからベッドへ行き、そこから読み始めるので、毎日2ページほどしか読めない。しかしそれでも毎日どうにか少しずつ進んでいる。
次の学期の授業で化学と生物の基礎知識が必要とされるので、今から備えているのだ。何せ高校のときに科学を勉強したのかどうかも覚えていない私。そんな私の化学の知識は中学生どまりだ。しかし中学生までは、理科は大好きだったし、その中でも化学は一番のお気に入りだった。(しかし中学までは苦手な科目は何もなく、単純に全教科好きだったというだけの話でもある。)ま、そんなわけで日本滞在中に買って来た科学の参考書、実は毎日読むのが楽しい。
ちなみに読んでいるのは、こちら。
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A9%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E5%8C%96%E5%AD%A6I%E2%80%95%E4%BA%8C%E8%A6%8B%E5%A4%AA%E9%83%8E%E3%81%AE%E8%B6%85%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%90%86%E7%A7%91%E5%A1%BE-%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E8%B6%85%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E4%BA%8C%E8%A6%8B-%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4053020115
この参考書は、私のように中学生レベルの化学知識しかない人にでも分かるように書かれていると思う。(まだ45ページしか読んでいないので、今後は難しくなっていくかもしれない。)それでも実際にまわりに存在する物質などが、こういう仕組みで存在しているかと思うと、それを知ることが楽しくってたまらない。日常生活で考えてみると、毎日する料理だって化学変化の結果により出来上がったものである。そう考えると、身のまわりのものはほとんど化学反応の結果であり、それを少しずつ初歩から理解しているかと思うと、ちょっとわくわくする。中学生のときは化学反応式を見るのが好きだったな、そう言えば。
この夜のちょっとずつの勉強が、実は今取っているGeographyの授業の理解を少し助けてくれている。このGeographyのクラスは、このまま続けるかどうかまだ考え中。前にここで書いたように、この授業は、Financial Aidの手続きを進めるためだけに、とりあえず登録しただけである。しかし今のところ、このままとり続けてもいいかもしれないと思っている。(一応マイナーの条件を満たす。)
この授業は、ひたすら「Soil」について勉強するだけである。しかし教科書がまだ手元に届いていないので、実は教授の言っていることを半分ほどしか理解していない。なぜかと言うと、物質(特に化学物質)の名前が分からないので(あるいは日本語との発音の違いにより)、聞いているうちにどれがどれだったかこんがらがってきてしまうのだ。知らない言葉も多い。何せ今はマントルや粘土を構成している物質とその化学変化についてばかり教わっているもので、授業は半分は化学のようでもある。
聞いたこともない元素とそのイオンについては分からないが、大昔に覚えた元素とそのイオンの性質と結合については、今でもよく覚えている。そしてここ最近の毎晩の読書も、授業を理解するのに少し役立ってくれているのだ。
昨年春学期にGeographyを取っていたときに気がついたのだが、こういう理科系の授業は、実は私のメジャーの科目たちよりもすっきりして分かりやすい。私のメジャーは国際開発。このメジャーでの専門科目は4科目しかなかったが、実はそれは経済学と政治学と国際関係学を混ぜたようなものだった。経済と政治学は、全く答えがない勉強だと、私は思っている。テストにしたって、授業で教わったことをどれだけ消化できたか、リーディングから得た知識をどれだけ理解できたか、ということが問われる。つまり試験では突然課題が与えられ、授業で教わったことを理解しているということを示した上で、自分なりの答えを導き出すことが要求される。はっきり言って、ポリサイ系は実際に試験を受けてみるまで、もっとも点数の予想がつかない科目である。
それに比べてGeography(アメリカでは文系科目だが、GeologyやBiodiversityなども含むので、日本では理科に含まれている分野も多い。)やPublic Healthなどはひたすら勉強すればいいだけである。そしてひたすら勉強すれば、どれくらいの点数が取れるのか、大体検討がつく。それに比べると、文系科目は答えがないことばかりなので、やたらと頭を使う。物事を理解することや、自分の考えをまとめることが遅い私にとって、そういう作業は本当に時間がかかるばかりだ。しかも試験では英語ライティング力というハンディキャップもつく。ま、それでもポリサイ系の授業は実は一番好きなのだが、点を取れるということに関しては、理系科目の方がラクだと思う。
高校のときにあんなに苦手だった数学だって、この歳でも勉強し直せば理解するだけで解けるということに気がついた。今でも得意ではないが、理解はできる。そして理科系の授業は、Undergraduateレベルでは、実は理解するだけで(または覚えるだけで)いいのかもしれないという気がしてきた。まだ複雑な理科系の科目を勉強したわけではないので、簡単に比較はできないのは承知だが、それでも理解しようとすれば理解できることを学ぶ方がラクな気がする。勉強しても勉強しても答えがないことを学び続けて結果を出すのは結構しんどい作業なのではないだろうか。更に私は、そういう科目を学べば学ぶほど、自分の頭の悪さを嘆いてしまう。物事を知らなさすぎ、自分で考える力を持たなさすぎ、論理的に物事を考える力がなさすぎで、時々本当に何て自分は頭が悪いのだろう、とイヤになってくることもある。
なので今、違った分野の科目、しかも答えがあることを学ぶのが、とても新鮮で楽しい。ま、いつまでこういう気持ちを持ち続けられるかは分からないが、とりあえず日課となった毎晩の化学の参考書読書。しばらくは続けてみようと思っている。