絶対話せる!英会話

Forgiveness。

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ふぅーぅ、今やっと帰宅。12時になってしまった。仕事の後、友人から「バッテリーがおかしくなって車が動かなくなってしまったので、迎えに来て。」と電話があり、車で10分ほどのスーパーの駐車場に迎えに行った。二人でどうにかバッテリーをつないではみたものの、結局バッテリーの部品がおもいっきり取れてしまっていて、車は復活しなかった。仕方なく、友人を隣町まで送り届けて来た。

今日は授業も隣町のキャンパスだったので、(しかも友人宅はそのキャンパスのすぐ側)2往復もしてしまった。その隣町での授業はAfrican American Literature。今日からはJean Toomerに入った。彼の「Cane」の抜粋を呼んでいる。これはショートストーリと詩から構成されているようだ。(←まだ読み始めたばかりなので、よく分かっていない。)この作品は今のところ、とても読みやすい。なぜならナレーター形式で話が進むからだ。例えば、「彼はこうだった。そしてこうなった。その結果、彼女はこう行動した。」という感じで淡々とストーリーが説明されるのだ。ナレーターは何の感情も示さない。ひたすら描写するだけなのだが、それが却って読者に"何か考えるように""訴えているように"感じる。

今日は教授が自分の体験談を話していた。恐らく教室にいる黒人の中で、彼が唯一の公民権運動前の記憶を持つ人だと思う。今日はGeorge Wallaceの話をしていた。彼は黒人と白人の人種分離主義者だった。しかも結構徹底的な人だったらしい。彼はアラバマ州の知事だった。そんな彼が車椅子で大学か何かを訪問した際、黒人が彼の周りを取り囲み、こう言ったそうだ。「私達はあなたが私達にしてきた仕打ちを許します。」教授はその発言に驚いたそうだ。徹底的に黒人に対する差別をしてきた彼に、された人々は怒るどころか、「許します」と次々に彼に言ったそうだ。これがその当時の黒人の中でのChristian spiritだったとのこと。これを見て、教授はとても悩んだそうだ。彼らのしていることが正しいのか、自分の怒りが正しいのか、長いこと考えたそうだ。

不当な差別、もし自分がされたとしたら、私なら絶対に許さないだろう、と思う。教授も同じだそうだ。しかし、それを許すという人がいる。目の前でそれを見て、本当に驚いたそうだ。この授業はいろいろと考えさせられる。移民でもなく、その国で生まれたにも関わらず、二流市民として扱われる。そんな立場でいることを強要されたら、自分はどうするだろう。長い間の不当な扱われ方の反動からだろうか、この国の黒人の人はとても押しが強い人が多い。アフリカからの黒人の人とはまるで性質が違う。アフリカからの黒人の友人達は、アメリカに留学できるだけに裕福な人が多い。なのでどちらかと言えば穏やかな、そして擦れたところのない人が多い。

しかしアメリカ育ちの黒人の人は、とても自分を主張する。ときには「それはないだろう。」と思うこともあるのだが、それくらい強く言わないと、不当な扱いからの自分のアイデンティティを守る方法がないのかもしれない、と思う。私自身は差別意識はまるでないと思うのだが、彼ら曰く一般的な社会ではまだまだ不当な扱いを受けている、とのこと。例えばバイトの面接に行ったところ、「もう募集はしていない」と言われたが、後から行ったヒスパニックの子は仕事をゲットできた、ということはよくあるそうだ。原因が自分の肌の色だけだとしたら、やり場のない怒りはその不当な扱いをした人へ向かうだろう。しかし教授の目撃したその人たちは、その不公正な扱いをする本人へ「許します」と言った。

恐らくその心境へ辿り着くまでには、相当な忍耐があっただろうと想像ができる。私はそんな風に人を許すことはできない。経験したことのないことは所詮想像の域を出ない。私は黒人文学の授業で、どれくらいのことを吸収できるのだろうか。一つ一つの作品がとても重い。しかし文章は重くない。とても効果的な書き方だ。これもハーレムルネサンスの特徴の一つなのだろうか。まだまだ授業は始まったばかり。今後もいろいろと考えさせられる授業になりそうだ。この授業を取ってよかったな、とつくづく思う今日この頃である。

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