今日セミナーの初授業があった。教授はタイの元外相。この授業は、Diplomacy, Globalization & Developmentというクラス名がついている。Diplomacyでの交渉の仕方やライティングテクニックも含め、発展途上国の発展や現状について学ぶ授業らしい。
教授はこちら。
http://en.wikipedia.org/wiki/Kantathi_Suphamongkhon
若い人だな、と最初に思った。Wikipedia情報によると、実際まだ46歳のようだ。今日はとりあえず教授の自己紹介を聞いて、皆がどのように今後進んでいくのか、働いた経験、この授業で何を期待しているのかの自己紹介をし合った。(ちなみに28人いたうちの7人がLaw Schoolを希望していた。夏休みにWashington D.C.でインターンをしていた人も6,7人。将来は外交官になりたいと言っている人が2人、国際援助をしているNPO就職希望が6,7人いた。まだ将来が決まっていないという人もいたが、ほぼ全員の学生は大学院への進学を考えているようだった。)
教授はお父さんが外交官だったようで、オーストラリア、ドイツなどを経て、アメリカへ来て(ちなみに私の学校のポリサイ卒業生。)、American UniversityでMaster’sを取り、ご近所の私立大学で国際関係でDr.を取ったらしい。外交官、国連のタイ代表などを経て、政治家へ。そして外相になったとのこと。
今日は昔の経験談も含めて、外交とは何かについての講義となった。その中のおもしろかった話をひとつ。教授は外相時代、BBCからのインタビューを受けることになり、時間は45分と言われていたそうだ。45分は長いなと思い、充分な準備をして出番を待った。ところが、その日。ライス国務長官が何やらイスラエルとパレスチナ問題で緊急発表することとなった。そのためTV局からは少し待ってほしい、と言われたのだが(その発表が終わるまで)その話は長く続き、最終的に教授へのインタビューはたった5分となってしまったそうだ。
とあるとき、ライス国務長官に会う機会があったので、そのときに「あなたは私の時間を奪った。」と話しかけたそうだ。きょとんとしていた長官だったが、これこれしかじかと説明すると、それが冗談だったことに気付き、それ以来二人は友人になったそうだ。ここで教授が言いたいのは、外交は相手と交渉をすることも含むが、それ以前にfriendshipを気付くことが大事だということ。Human touchがなければ、交渉も進まないということ。
ライス国務長官は4:30に起きてジョギングをするそうだが、自分は5:00に起きてジョギングをする。この差が今の二人の力の差になっているようだな、などと冗談も言っていた。
人間関係、外交、全ての関係において、人はユーモアのセンスも必要であるとのこと。
「君たちはテキストや教授から多くのことを知識として学ぶことができるだろう。だが実際に人との関係を通して、それらの知識が生きてくるのだ。私は自分の経験を通して得た交渉や人間関係の築き方についても皆に学んでほしい。」と言っていた。
教授の話はとても分かりやすくおもしろい。いい授業を受けられそうで、今後がとても楽しみである。