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勉強方法で頭はよくなるか?

この記事は6分で読めます

私は勉強方法は、成績の良し悪しに
大きく関係してくると思っています。

前回お話したように、大きく物事をとらえて計画を立てることや、
その実行と軌道修正の仕方を知っているのと知らないのでは、
勉強への取り組み方が変わり、
そして成績も確実に変わってくると思います。

 

また今日これから話すスタディスキルも、
アメリカでは成績上昇への効果が実際に証明されています。
(取り上げた研究論文は、大学のサイトから消えてしまいましたが。)

つまり成績は、知識やスキルで上げることができるということです。

もちろん、よい成績を取ることだけが人生ではありませんが、
日本でもアメリカでも、成績はある程度までは、
その後の人生に影響を及ぼします。

 

たとえば、私がアメリカで仕事を得ることができたのは、
私が卒業した大学が評判のよい大学 (reputable university) だったこと、
そして優等生 (honors student) だったおかげでもあります。
日本でも大学名がものをいうことは、今さら言うまでもありませんよね。
ですので、勉強方法を熟知して実践し、よい成績を取ることは、
成績のみで終わらず、あなたの人生にも間接的に影響することになります。

 

また勉強方法は、学校の成績だけではなく、
仕事や日常の生活にも応用できるので、
一度勉強方法をマスターすると、
仕事や日々の物事の進め方も変わってくるというオマケも付いてきます。

 

それなのに...私は若い頃、勉強方法なんて全く知りませんでした。
で、適当に勉強したり、しなかったりだったので、
高校時代の成績は、相当ひどいものでした。

高校1年生の夏休み前に、進級、卒業が危ぶない、
という手紙を学校から受け取ってしまったほどです。^^;

 

なぜそうなってしまったのかと言うと、
私は中学時代まで、ほとんど勉強をする習慣がない人だったからなのです。

 

私の学生時代はこんな感じでした。
要領の良さだけで中学校を乗り切り、
高校時代はほとんど勉強せず。そして大学受験に失敗…。 (- -;

私は、小学・中学時代は、短期記憶だけでその場を終える
見事な一夜漬けの人でした。
それでも割と成績は良かったので、自発的に勉強はほとんどしませんでした。
試験前、受験前に、ガーっと詰め込んで、それで終わりだったのです。

そういう日々を送っていたために、
勉強する習慣をほとんど身につけることなく高校へ入ってしまったのでした。
で、後で痛い目に遭った、と。^^

 

なので私が若かったとき、今と同じくらい勉強方法に関する知識を
持っていたら良かったのになー、と今さらながら思っているのでした。
でも時間は戻せませんからねー。
で、こう思うようになったわけです。
それならば、今私が持っている知識は、
他の人たちに役に立ててもらえばいいじゃない、と。

さて、それではここから本題、スタディスキルの話へ入ります。


◆日本で勉強ができる人は、その人次第。

 

日本ではスタディスキルという、まとめられた概念はありませんよね。

 

日本で勉強ができる人は、
・多少要領のいい人、
・感覚的に自分で勉強方法を開拓していった人、
・あるいは勉強方法を人から学んだ人たちだと思います。

 

予備校で効率のよい勉強法を教わったり、自己啓発本を読んだりすれば、
勉強する際の多少の要領のよさは学べますよね。

でも学校教育のプログラムの中には、勉強方法は含まれていません。
つまり日本では、勉強法の確立は、
学校ではなく個人のやる気や偶然や機会に頼っているのですね。

 


◆アメリカではスキルとして勉強方法を学ぶ。

How to Study

一方、英語圏では、勉強法は授業を取る前に
スキルとして、最初に教わるものです。
この勉強のための方法論のことを、英語ではスタディスキルと言います。

アメリカでは学校に入学したときに、スタディスキルは
受けなくてはいけない授業に含まれていたり、
あるいはワークショップ(学校が提供している無料講座)として
学生がいつでも受けられるようになっています。
こんな感じで、ワークショップが行われます。

 

アメリカでは正しい勉強方法やアプローチの仕方を知っていれば、
あとは実践するだけでよい成績が取れると、
学校側も生徒も、ある程度そう信じています。
成績は、決して本人の多少の頭の良し悪しや、
恵まれた家庭環境や、たまたまよい勉強方法を知っていることに
左右されてはならないのですね。
不平等社会アメリカならではの、
人に平等の機会を与えようとする試みでもあります。

 

◆スタディスキルとは、何か?

 

日本では、スタディスキルなどという発想は学校教育の中になく、
良い成績を取る人は、もともと頭がいい人、と
何となく皆、そう思っているでしょう。
私もそう考えていたので、それを学習スキルで補うというアメリカの発想は、
最初、おもしろいなと思いました。

 

でも実際にスタディスキルを学び実践したところ、
それらを実践するのと、しないのでは、
その後の学生生活が大きく変わってくるな、ということに気が付きました。

なぜなら、スタディスキルは勉強をどうすればいいかはもちろんのこと、
以下のもの全てが含まれるからです。

 

・時間管理(長期、中期、1週間ごと、日々)、
・集中する方法、
・勉強の環境をコントロールする方法、
・記憶法、
・やる気を保つ方法、
・効率的に勉強を定着させる方法、
・授業でのノートの取り方、
・授業に臨む姿勢(予習復習の仕方)、
・テスト勉強の仕方、
・教授の利用方法、
・ペーパー(小論文)の書き方、
・プレゼンテーションの仕方、
・分からないことがあったらどうするか、などなど。

 

日本の学校では、こんなこと教えてくれませんでしたよね。
私が子供の頃は、スキルどころの話ではなく、
要領よく物事をこなすことはあまり良いことではない、
すべては努力すれば成る!と言われていたような。^ ^
日本人はとかく根性論が好きな民族ですからね。
(ま、完全に悪いことではありませんし。)

 

でもアメリカでスタディスキルを学び、
大学生活を振り返ってみると、
勉強方法を最初に学んだことは、成績を上げるために
とても大事だった、と思うのです。

これは私だけが実感したことではなく、
実際に、スタディスキルがどれほど成績を上げるのに貢献するか
心理学者により行われた研究もあります。

(リンク先の論文は消えてしまったのですが、

 内容はこうでした。)

 

この論文によると、学生は、能力がないからではなく、
よい勉強方法を知らないから、
時として学生生活で苦しむこともあるそうです。
スタディスキルは、学業を助け、
勉強する際に欠かせないツールとして働き、
認知能力やプロセスを促し、それにより、
生徒の勉強の効果や能率を高めることが証明されています。

 

 

◆スタディスキルで学んだ最強の勉強方法。

group of student studying

 

 

これらのスタディスキルは、留学生の私には、どれも役に立ちました。
でもその中でもっとも大きな私の収穫は、
アウトプットの重要性に気が付いた、ということですね。

 

スタディスキルでは、スタディグループが推奨されています。
study group とは、文字通りグループでする勉強会です。
つまり勉強を教えったり、議論して、
学んでいることの理解を深めるために行われます。

 

スタディグループの一体何がそんなに良いのかと言うと、
学んだこと(インプット)を
お互いに教え合う(アウトプットする)ことで、
頭の中が整理されることです。

 

人に教えるためには、まず自分が
学んだことを理解していないとなりません。

分かっていないことを人に教えるのは無理ですよね?
人に教えるためには、学んだことへの深い理解が必要になります。

だから人に上手に教えられない場合は、
その部分の理解が、今一つだということが分かります。

人に教えたり、または自分の意見を述べたりすると、
自分では分かっているつもりだったのに、
完全に理解できていなかった部分が見えてくるということですね。

そこの部分を補強するようにまた学び直すことによって、
さらに理解を深めることができます。

 

つまり人から質問が来たり、論点のおかしなところを指摘されて、
答えに詰まってはじめて、自分の主張の矛盾点や、
足りないところに気が付くということです。

はじめは、スタディグループなんて…と思っていた私でしたが、
一度やってみたら抜群の効果がありました。

 

人は、人に説明すると、忘れないのです

 

そして説明しているうちに、
自分でも理解があやふやな部分が分かってきます。
で、そこをまた重点的に勉強する、と。

スタディグループをしていると、評判を聞いて、
他の人にも「教えて。」と言われるようになります。で、また説明する。
すると、自分の記憶が補強 (reinforce) される。
人には喜ばれるし、自分では忘れなくなるし、もう一石二鳥です。

なので皆で分担して、教え合うようにしました。

 

そして分からないことがあったとしても、
皆でこうじゃない?ああじゃない?と話し合うことで、
新しい意見が生まれたりもします。
すると、そのときに話し合った過程も
記憶に残るようになるので、それがまた
試験中に小論文を書くときにも役立ちます。
(英語では、Essay Questions と言います。)

 

試験中に「あ、あの主張は、こう攻めると矛盾するのだった。
じゃ、あっちの主張を、私の文章のサポートに使おう。」とか、
時間との闘いの中でも、すらすらと出てくるようになります。
政治学や経済のエッセイ問題は、時間が勝負です。
問題を読んだときに、一瞬で頭の中でテーマを決め、
すぐにエッセイを書き始めないと終わらないので(英語ですから)、
いろいろと教えあったり、討論したことは、
そのまま自分の知識のストックとなってくれました。

 

なので一度始めてからは、
「スタディグループ、侮れん。」と思うようになり、
積極的に人と勉強するようになりました。

 

そして学ぶことは、人に教えること(アウトプットをすること)
これにかなう学習方法はない、と今では固く信じています。

 

◆勉強方法で頭は良くなるか?

 

アメリカって、一般人のワークスキルは

日本人よりも遥かに低いものの、
効率を求める国なので、
何もかもがマニュアルのようになっていて面白いと思います。
スタディスキルはその一環ですね。

 

でもそれだからこそ、比較的恵まれていない環境の人にも、
できるだけ公平な結果が出せるような仕組みがあるわけです。
日本の教育機関にはない発想ですね。

そういうアメリカで、すべての生徒が知ることができるように
まとめられたスタディスキル。
本当にいろいろと役立つ情報と勉強法がまとまっています。

 

それでは、今日の記事をまとめますね。
私は自分の経験からも、
勉強方法を知っている人と、知らない人の間では、
成績に大きな差が出ると思っています。

なので、勉強方法で頭がよくなるか?に対する
私の答えは、YES です。

 

そして、アメリカで学ぶスタディスキルは、
仕事や物事の捉え方にもつながっています。

最高の勉強方法は、人に教えるということ、
これに敵う方法はありません。
ぜひ実践してみてください。

 

 

[1]  勉強を始める前に絶対にすべきこと。
[2]  ビジョンの罠。
[3]  なぜ、あの人はあなたよりも頭がいいのか?
[4]  勉強方法で頭は良くなるか?(このページです。)

 

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