水曜日の夕方に車がどうにかまともに動くようになったので、ついでに今度はブレーキも直すことにした。私の車はブレーキをかけると「きぃきぃきぃーーー。」と音がするので、誰もが修理を勧めるのだ。しかし何度か修理屋へ持って行ったのだが、どこも悪くないと必ず言われてしまうのだった。ま、それなら音がしても構わないか、と思いつつ早3年以上が過ぎていたので、そろそろ交換時かな?と思ったのだ。(もちろんこの間も何度か見てもらっているが、その度に問題はないと言われていた。)
ブレーキーパッドなどの部品を部品屋で購入し($100ほど)、修理屋へ持って行った。アメリカでは車のパーツを買うことができるお店が充実している。車の種類を言うと、お店の人が必要な部品を揃えてくれるので、とても便利。
修理はすぐに終わる予定だったのだが、修理工の人が言う。右側のフロントは、何かがおかしいと。苦労してどうにか取り付けたのだが、何でも別の部品を買って来なさい、と言われた。それは「カリパー」と言うらしい。紙に書いて、とお願いしたところ、スペルを知らないと言う。(ちなみにこの修理工はヒスパニック。)何度か発音練習をさせられた後、仕方なく名刺をもらって車の部品屋にその部品を買いに行った。どの店もオーダーすれば2,3日で届くらしいが、私はその日しかそこにいる予定ではなかったので、すぐに部品を手に入れる必要があった。
2軒目の店員さんが親切で他の店に電話をかけて、その部品があるかどうかを聞いてくれた。(ちなみに全く別の店。チェーン店でなくても、実はこうやって他の店と助け合っているのかもしれない。)そして近所にオーダーして2,3時間で届く店があることが分かった。そしてこの店員さんが修理工の人と直接電話で話をしてくれて、実際にどの部品が足りないのか紙に書いてくれた。私の発音でも通じたのだが、更に詳細が必要だったらしい。その部品はcaliperというスペルだったことが分かった。ブレーキの円盤のような形を外側から押さえるような部品である。店員さんにお礼を言って、3件目のお店へオーダーしに行った。
部品自体の値段は49ドルだったのだが、何でもCore Depositというものが55ドルも取られると言う。何のためのDepositか分からなかったので聞いてみたところ、「古い部品と箱を持って帰ってくれば、そのDepositは返す」ということらしい。何でそうするのか聞いてみたところ、リサイクルするとのこと。車の部品がりサイクルできるなんて知らなかったが、リサイクルできるものはした方がいいだろう。
さてその数時間後、やっと部品を手に入れ、また修理屋へ戻る。今度は簡単にブレーキを固定することができた。じっと見ていたため、どうやってブレーキが納まっているのか、働くのかが初めて分かった。実に上手い作りだと思う。考えた人は頭がいいな。車の作りは意外に面白そうだ。
前の車輪はこれで問題がなく修理が終わったのだが、実は私が気になっていた音は前の車輪からではなく、後ろの車輪から起きていることが分かった。そのため修理工の人が後ろもタイヤをはずして見てくれたのだが、「何も問題はない。状態もとてもいい。」とまた言われてしまった。そのためブレーキをかけたときのキィキィ音は何も変わらず。これで何人の修理工にブレーキは問題がないと言われたことか。しかし、それならなぜ音がするのだろう。一体何が問題なのか?
ま、これだけの数の修理工に問題はないと言われれば、ブレーキ自体には本当に問題がないのだろうとは思う。しかしねぇ、ブレーキを踏む度に、音があまりにも大きすぎて恥ずかしいのも事実。今回もまた私はあの音から逃れることはできなかった。止まる際には何の問題もないとは言え、初めて私の車に乗る人には必ず「問題はないから。」と説明をしなくてはならない。そして音を聞いた人は誰もが直した方がいいよ、と言ってくるし、その度にまたこれまでのいきさつを説明するのも面倒くさい。この車に乗り続ける限り、あの音からは逃れられないのかもしれない。