絶対話せる!英会話

多言語空間に身を置くと。

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引っ越してきてから、バイリンガル、トリリンガルな人たちと接することが増えた。これは大人から子供まで。観察していると、子供たちの言葉の吸収力にはいつも感心する。子供は真似をするのが上手なので、すぐに言葉を覚える反面、日本人が間違えるような文法の間違いも多くて、何だか微笑ましい。

とにかく引越し後は、やたらと子供が私の周りにいるようになった。まず大家さんの家には、私が借りている部屋の他に、もう一つの離れが同じ敷地内にある。その家には夫婦と3人の子供が住んでいる。12歳、5歳、4歳。大家さんのおばあさんがスペイン語しか話さないので、彼らはスペイン語で話をしているが、私と話すときは英語に切り替える。大家さんのおじいさんはスペイン語と英語の両方を話す。(二人とも元々メキシコからの移民。)離れに住んでいる5人家族は全員、英語とスペイン語を両方話す。(メキシコ移民の二世同士と三世になる。)

大家さんのおじいさんには、姪っ子と、甥っ子がそれぞれ右2件先と左4件先に住んでいる。右2件先の家では、姪っ子( 40歳前後)がスペイン語と英語を話し(彼女も二世なので)、そして彼女のパートナーも同様。二人の子供はスペイン語と英語を話す。

更にこの家にはよく4歳の男の子と8歳の女の子が遊びに来ているのだが、彼らもバイリンガル。バイリンガルの子供は確かにそれぞれの言葉の発達は少し遅いような気もするが、それも個人差。この4歳の男の子と、同じ敷地内に住む5歳の女の子は驚くほど言葉が達者である。

左4軒先の甥っ子(同じく40歳くらい、おじいさんの姪っ子と兄弟)もスペイン語と英語を話し、奥さんもスペイン語と英語を流暢に話す。(こちらもメキシコからの移民2世同士の結婚。)そしてその子供たち (14歳と6歳) も同じく二ヶ国語を話す。彼らは学校であまりにも中国人が多いので、少し中国語の単語も知っている。

更にすぐ右隣の家には、中国人夫婦と二人の子供が住んでいる。そして私と同じように離れには、中国人のお母さんと娘が住んでいる。この娘(11歳になったばかり。1年くらい前にアメリカへ来た。)は中国語の方が得意だが、それでも普通に英語は話す。そして夫婦の娘二人(8歳と6歳)は、中国語と英語を話す。

更に私の知り合い(この家を借りてくれた人)の子供(5歳になったばかり)はスペイン語と英語に加えて、韓国語も話す。更に私とよく遊んでいるため、日本語も教えてはいないのに覚え始めた。先日は遊んでいたら、いち、に、さん、し、ご、と数を数えていて、びっくりした。

さて、メキシコ人は大のパーティ好きである。1ヶ月に3回くらいはどこかの家でパーティが開かれる。すると、この4軒が集い(ま、常に全員集合ではないが)時には遠方から更にその親戚が集まり、3ヵ国語(時には私が友人を呼び日本語も入ると4ヶ国語)で話が始まる。集まるたびに、この集まりは何だかすごい、と思う。なぜなら全員が話す相手によって自然に言語を使い分けているのだ。中庭でのパーティで常に3ヶ国語が話されていると、自分は一体どこにいるのだか分からなくなってくる。

そしてこういう環境で暮らしていると、元々のこの国の言葉って何だったっけ?と思えてくる。ちなみに私が今働いている会社でも英語と日本語が半々くらい。最初は誰に日本語で、または英語で話しかけていいのか分からず、困った。日本人の風貌をしていても、英語しか話さない人もいるし、また逆もある。

日本にいると、英語が少しできるだけで就職に有利になったりとか、派遣でも時給が急によくなったりはするが、ここでは二ヶ国語または三ヶ国語が当たり前で、それは最低の基本条件のようにも思えてくる。もちろん職場にもよるだろうが、南カリフォルニアのように、ヒスパニック、中国人、韓国人がそれぞれコミュニティを持つほど大きいと、その団体を無視できないのは確かだ。バイリンガルやトリリンガルの必要性が出てくるだろう。

そう考えると、アメリカで英語だけの環境で育った人は、外国からやってきた人と競争すると、不利かもしれない。英語しか話さない両親の元で育った子供が、外国語を流暢に話す例を私は数人しかしらない。ここではスーパーの韓国人おばちゃんが、従業員のヒスパニックを使うためにスペイン語を話すし、また英語も話す。(もちろんK Townや中国人街には、その逆で韓国語、または中国語しか話さない人も大勢いるが。)

以前、学校で教授が英語以外に流暢に話せる言語がある人は手を上げなさいと言ったところ、8割近くの人が手を上げていた。そう考えると、他の特技があれば話は別だが、一つの言葉しか話せないとなると、仕事を探す際にもモノリンガルは不利になるだろう。

私の場合、そういうわけで外国語が勉強したいと言うわけではないが、最近中国語の看板に囲まれた環境の中にいたら、無性に中国語が勉強したくなってきてしまった。話せなくてもいい。しかし読めるようになりたい、と昔から漢文好き、漢字好きの私の血が騒ぐのだ。しかも発音練習には隣の中国人3人娘が助けてくれるだろうし(彼女たちはなぜか私の家の前でいつも遊んでいるし、懐かれているし)、文章を書いたり読んだりするのなら、隣の中国人お母様二人に少し聞けばいいのだ。(時々話もするし。)

K Townでは韓国語に読めないストレスを感じながらも、全く勉強したいと思わなかった私だが(韓国語は申し訳ないが文字に美しさを感じることができなかったが)、中国語はぜひ勉強したい、単語だけでも多く知りたいと思うようになってきた。そして更にスペイン語を話す必要性を迫られているのも確か。なぜなら大家さんのおばあさんと私の会話は、スペイン語オンリーなのだ。まるで忘れてしまったスペイン語(はっきり言って覚えた単語もほとんど忘れたので)、一体どうやって会話しているのか、自分でもよく分からない。しかし基本情報の伝達だけは成り立っているから不思議だ。

私の場合、きちんとした英語も話せないくせに他の言語にまで手を出すか、とも思うのだが、必要に迫られたり、勉強したいのなら、やっぱり始めてもいいよね、と思う今日この頃。「だってほら多言語は、南カリフォルニアで快適に生きていくための最低条件かもしれないし…」と思うのだ。

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