「Nutcracker(くるみ割り人形)」を見てきた。今がシーズンなので、「Nutcracker」はあちこちで見ることができる。私はGlendaleにあるAlex Theatreへ行って来た。遠かった。しかーし、舞台はとてもよかった。
クララと王子様はとてもイメージどおり。王子様役の彼はまだ16歳らしい。舞台から6列目だったので、とてもよく見えた。クララ役のバレリーナは、あまり足の甲が高くない。なので伸ばした足は他のバレリーナと比べると、すっとして見えない。しかし、踊りから魅せる優雅さかつ可愛らしさは、他のバレリーナとは違っていた。何ていうか、踊りが滑らかなのだ。
ロシアの踊りでは男のダンサーのコサックダンスに会場が沸いた。誰よりも拍手を受けていた。アラビアの踊りではバレリーナが金色のビキニだった。(何だかこう書くと、レイア姫みたいだな。)そのバレリーナ、4人の男の人が持つ2本の棒に乗って登場するのだが、男の人の負荷は大変らしく、筋肉がぷるぷる震えているのまで見えた。その鉄の棒をくるくると回ったり、二人の男の人の上で踊ったり(男の人の胸の上に立ち、体を動かしていた)して、まるで中国雑技団のようだった。(中国の踊りは別にあったが。)ドロッセルマイヤーは眉毛のメークが大げさすぎて、何だかちょっと笑ってしまった。
顔までよく見える席なので、気が付いたのだが、一人何役もこなしていた。恐らく4役ほどは皆こなしていたのではないだろうか。踊りっぱなしだ。バレエ団、人数が少ないのだろうか。子供が登場する場面が沢山あったのだが、まだ5,6歳と思われる子供たちも、かなり難しい振り付けに対応し、しっかりと踊っていた。とても楽しんだ。
が、残念だったことが2つ。1925年に作られた劇場のせいか、舞台が狭すぎる。もっと大きな動きが見たかった。もう一つは観客がうるさすぎ。6歳以下の子供の入場は控えてほしい。折角夢の世界にどっぷりと浸っているのに、子供の甲高い泣き声は私を現実に引き戻してしまう。ここでは子供の権利を奪うと言われそうだが、まだ自分をコントロールできない年齢の子は連れてこないでほしい。ま、お国柄の違いだろう。日本だったら、遠慮して連れて行かないだろうし、高すぎて子供のためにシートは確保できないだろう。(ちなみに今回の値段は40ドル。)
それにしてもチャイコフスキー、天才だー。帰り道はずっと鼻歌で、心なしか足も軽やかだった。ちょっと私も踊ってみたい気にさせられた。私は根が単純。
久々のバレエ、よかったなー。アメリカにいる内にたくさん見に行こう。何せ日本の3分の1ほどの価格で見れるのだから。
P.S.
途中クララと王子様がゴンドラ(そりか?)に乗って去っていくとき、つい「テレプシコーラ」を思い出してしまった。そういえば千花の悲劇はこの舞台から始まったのだった…とつい。