今日は朝から3時間、授業参観をしてきた。と言うと、保護者のようだが、実際は授業の課題の1つで他の外国語の授業をObserveしなければならなかったので、日本語の初心者クラスを観察してきたのだった。
これはTESOLクラスの課題の一つで、来週の水曜日には今日の授業に関して、TESOLの授業で習ったこと(理論やら、それに基づいた教授方法など)と絡み合わせてペーパーを提出することになっている。
日本語の授業、初心者クラス、とてもおもしろかった。今日やっていたのは形容詞の現在形と過去形の活用。Conjugation い-adjective と な-adjective。最初、い-adjectiveと聞いたときは、e-adjectiveと思ったので、なんのこっちゃ?と思ったら、日本語には「い」で終わる形容詞と、「な」で終わる形容詞がある、ということだった。前者は「あつい」「たかい」などであり、後者は「すきな」「げんきな」などである。そう言われてみれば、確かにそうだ。そんなこと今まで考えたことがなかった。
い-adjectiveでのstemは、例えばあたらしいの場合、「あたらし」。そしてpre-noun formは、「あたらしい」。そしてpresent tenseは、「あたらしくありません」(イがクに変わる)。past tenseは、「あたらしくありませんでした」(同じくイがクにかわり、アリマセンで否定形を作り、デシタで過去形を表す。)私たちにとっては当たり前のことが、文法で教わるととても複雑な変化で難しく感じてしまうから不思議だ。
ちなみに不規則なconjugationは「いい」の活用だった。「いい」は現在形が「いいです」、過去形が「よかったです」、現在形否定が「よくありません」「よくないです」、過去形の否定が「よくありませんでした」「よくなかったです」と変わる。確かに不規則である。気が付かなかった。
私がちょっと驚いたのは、「げんきな」の否定形である。現在形は「げんきじゃありません」「げんきじゃないです」。過去形は「げんきじゃありませんでした」「げんきじゃなかったです」と教えていた。つまり「げんきではありませんでした」のように「では」ではなく「じゃ」を使っていたこと。ちなみに「げんきな」の場合、「な」はdropし、その後に「じゃ~」を続けると教えていたので、日本語もよく考えると実はいろいろと文法があったのだな、と初めて気が付いた。
このクラスは簡単な漢字も教えていた。山、川、元、気、天、私、今、田、女、男、見、行、食、飲などが今日習っていた漢字だった。明日は形容詞の単語テスト、金曜日には漢字テストもあるらしい。実は授業中、漢字の勉強に入ると、生徒の反応が今ひとつだったような気がする。それにしても生徒に教えては話させる、徹底的に質問をして答えさせる、ということをしていたので、これはやはりアメリカの授業スタイルだな、と思った。私は日本で英語を教わったときに、先生にここまで徹底して反復させられた覚えはない。ましてや教わったばかりのことをとっさに答えるなんて経験したこともない。
そうそう、学生は意外に字がきれいで(アメリカ人にしてはかなり珍しい。あるいは知らない文字なので気を使って丁寧に忠実に書いているからかもしれない。)、間違いなく私の弟よりは相当上手な字を書いていた。
どういう人が日本語取るのだろう?と思っていたのだが、人種はいろいろ。しかしやはり中国人、韓国人などのアジア人が多かった。(しかしどうも留学生ではなく、アジア系アメリカ人のようだ。)その他は白人の人が多かった。日本語を学びたい動機はアニメやゲームの影響なのだろうか。アメリカでは日本の漫画はしっかりと本屋の一部となっている。
それにしても、とてもおもしろい経験だった。自分がスペイン語の授業を取っていた頃を思い出した。しかしスペイン語、今では全く忘れてしまった。去年の今頃は少しはまともな文章も作れたし、たどたどしくも時制などにも気をつけて話もしていたのだが、今では何も話せなくなってしまった。私はもう1年間スペイン語から完全に遠ざかってしまっている。やはり語学の勉強は続けていかないと、忘れるのは早い。今日の皆さんには、私のスペイン語のようにならずに、いつか日本語が話せるように頑張っていただきたいものである。