最近、音読に関しての質問が
山のように届くので、今日はまとめて
返事をしてみようと思います。
音を出す訓練は今までに何度もお伝えしましたが、
英語を話せるようになりたいのなら、
欠かせない訓練です。
普段口にしていない言葉が、
とっさに口から
出てきてくれるはずがないのは、
当たり前ですよね?
声に出すことを普段からしていないのに、
とっさに会話ができると思うのは、
よく考えてみれば、おかしな話です。
また会話はできなくてもいい、
読めればいいと言う人もいるでしょうが、
音読は英語の語順に慣れるのにも効果があります。
英文を左から右へ順に読んで行く、
決して左へ戻らない、その練習のためにも、
音読はすべきです。
なぜなら声を出して読んでいたら、
左へ戻れませんからね。^^
止まらずにひたすら進むのです。
はじめは戻りたくて戻りたくて仕方がないのですが、
左から右へ進むだけのリーディングに慣れると、
あなたの脳の中で、
英語の処理スピードがあがります。
すると、英語を聞いて理解する能力も上がります。
というわけで、音読は英語の勉強をする際には、
全てにおいて取り入れるべき方法なのです。
私は、楽しんで音読するために、
常々映画の丸暗記をオススメしてきました。
なぜなら映画やドラマの音読やセリフの勉強は、
私が経験した中で、
もっとも効果があったものだからです。
そして実際に英語ユーザーとなった人たちも
同じことを言う人が多いです。
それらは生きた英語、普段英語圏で
使われている本当の英語でもありますしね。
友人の中には、毎日6時間見続けたいう
ツワモノもいます。
既に何度かお伝えしたと思いますが、
私は、とある映画のワンシーンを1000回ほど
音読しました。主人公になりきって音読です。
そうしたところ、
英語を英語のまま理解できるようになりました。
もちろん急にすべてがわかるように
なったわけではないものの、
それが私の最初の突破口でした。
そのときに、「今までの私の10年以上の
英語の勉強は、一体何だったのだろう?」
と思いました。
何で、こういうことを早くやらなかったのか、
とても悔みました。
私にとっては、その2か月は、
過去の何年分にも匹敵するように思われたのですね。
その後いろいろな人の話を聞いたり、
自分でもやってみて、私がやったような
徹底的な音読(=「演技をする」) というのは、
英語を話すのに、もっとも効果的な方法である、と
確信するようになりました。
映画のいいところは、自分の感情とセリフが
一体化できるところです。
悲しいときは主人公と一緒に泣きながら
セリフを言います。
嬉しいときには、まるで自分のことのように
喜びながらセリフを言います。
そういうことをやっていると、実際に英語を話していて、
同じような感情を持った時に、
その英語がスラスラと出てくるようになるのです。
そうやって言えるセリフを
次々にモノにしていけばいいのです。
私の知り合いが出会った、
日本から一歩も出たことがないものの、
英語が流暢な女性。
彼女は映画を何本も丸暗記していたそうです。
というように、映画のなりきり音読/演技は、
絶大なる効果があります。
でも、
実は一つだけ問題があるのでした。
それはですね、こういう映画の丸暗記音読
(一人なりきり演技)は、
かなりハードルが高い練習だということです。
なぜなら、一通り文法事項をわかっていないと、
セリフ自体を理解することができないからです。
それは最近、メール講座の読者の方たちと
やり取りしていて気づいたのですが、
映画の丸暗記をするには、
まだまだ文法力が足りていない人が多いのでした。
セリフのスクリプトを見てもわからない、
ということは、その文の構造がわかっていない状態です。
こういうレベルの人は、映画の丸暗記をするには、
まだ早いと思います。
少なくてもTOEICで800点くらいをとれるくらいまでは
文法事項でどこか抜けているところ、
そして語彙力不足があるはずです。
そういう人にはこの映画音読はまだ早いと思います。
音読をする場合、大事なことは、
読んで100%わかるものから始めないとならないからです。
「じゃ、何からすればいいの?」と思われる方、
そう言う方には、
私はNHKのラジオ講座などをオススメします。
あるいは中学校の文法の例文を音読します。
おすすめは中学校の例文音読はなのですが、
多少退屈になってしまうので、
そのために続けられないという方は、
NHKの講座がいいと思います。
よく 「これは簡単すぎますか?」 と
聞かれるのですが、簡単すぎるかどうかは
あなたが決めることです。
もし、自分でその文を一瞬で組み立てられないのなら、
簡単すぎることはないですよね。
そのセリフをとっさに言えない、
とっさに作れないのなら、
その内容が簡単なわけはないですよね。
時々、複雑な英文を組み立てられないと
会話ができないと思う人がいるのですが、
実際の会話は簡単でもいいのです。
私の毎日のアプリを見てもらえば、
英語ネイティブであっても、どれだけ簡単な文で
オフィスの中で会話をしているのかが、
おわかりいただけると思います。
しっかりと文法的に間違いなく、
わかりやすく相手にきちんと意思や
意見を伝えるのが、最初の一歩です。
そしてそれができるようになったら、
次の段階へ進めばいいのです。
英語はそうやって少しずつ前進していけばいいのです。
ということで、英文法がまだしっかりと
理解できていない人(TOEIC で言うと、
800点くらいまでの人)は、
NHKのラジオ講座などから始めるといいと思います。
(根性で映画に挑戦したい人は、
子供向けの簡単な映画ならできるかもしれません。)
実は私も、音読してほぼ丸暗記してしまった
NHKのラジオ講座があります。
それは「ラジオ英会話」でした。
ストーリーも面白く、毎回、
テキストが発売されると同時に、
本屋で買っていたことを思い出します。
それを聞いていた当時、私は英語の勉強を
7年ぶりに再開したところだったので、
自分の英語のレベルが全くわかっていませんでした。
でもテキストの内容がおもしろかったので、
その英会話を聞いてみることにしました。
話自体が読み物としても面白かったので、
結果として1年無事に聞き終えることができました。
そして終わった後、しばらくしてから、
そのテキストをずっと音読し続けました。
実はアメリカへ初めてやって来た頃も、
そのテキストを、ぶつぶつと音読していたのでした。^^
アメリカでは車での移動になりますから、
その移動中、できることは聞くことと、声を出すことだけでした。
移動中の時間がもったいなかったので、
運転中はずっとそのCDをかけっぱなしで、
一緒にセリフを言っていました。
そういうことをしていたら、ほぼ丸暗記してしまったのでした。^^
この講座で覚えた表現は数知れません。
・ Are you done with ~?
・ What if ~?
・ Can you ~?
・ I have a question for you.
などの定番会話表現から、
・ Cut it off.
・ Put it off.
などのイディオムから、
・ He looked fine to me.
・ I feel bad for him.
などの五感動詞の使い方から、
・現在完了形と過去形を使うときの違い、
・未来を表す表現方法、
・動詞の配置の重要さ(つまり文型)
・仮定法の使い
・不定詞や動名詞の使い方
・ほとんどの会話は簡単な単語で成り立つということ、
もう書ききれないほどの文法事項や、表現を、
丸々と体験したかのように、
体感として覚えてしまったのです。
今でもこのときに覚えた表現や感覚は、
私の英語の基礎になっています。
映画もラジオ講座も、この疑似体験を通して、
その表現をモノにするという点では同じです。
なので私はいつも
「イメージして本当にそれを自分が言っているように
音読を繰り返すこと」 の大事さを力説しているのです。
私は体験から音読が大事と学びましたが、
実は英語を教えている人たちのほとんどの人は、
皆、音読の重要性を訴えているのです。
それだけ効果があるということです。
NHKの講座のよいところは、
文法も一緒に教えてくれるところです。
それが数百円で手に入り勉強もできるのですから、
あんないいものを利用しない手はないと思います。
そういうものを利用して音読すればいいのです。
英語をモノにできる、できないは、
結局のところ、どんな教材を使ったとしても、
どんな学校へ行ったとしても、
あなたのやる気次第なのです。
お手軽な方法を求めている限り、
そして自分に言い訳をしている限り、
残念ながら、英語は使えるようにはなりません。
明日のなりたい自分は、
今日から自分で作っていくものなのですね。
今はちょうど4月で、NHKの講座のほとんどは
スタートしたばかりでしょう。
始めるには、ちょうどいい時期だと思います。
1年後に一人でも多くの人が、続けられました、
と言ってくれるといいな、と思います。^^
1年続けられたら、何らかの効果は実感できるはずです。
頑張ってみてください。
真面目に全部覚えようとしなくてもいいです。
そういう風にやると、日々のスクリプトから
遅れた時点で、やるのがイヤになってしまいます。
ゆるく、しかし時には集中力をもって、
続けてみてください。
NHK講座などをどうやって音読していけばいいかについては、
こちらの記事「あなたが英語ユーザーになる方法」
で詳しく書いています。