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ガソリン代高騰。

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ガソリンが今LAでは4ドル59セントから79セント辺りになった。1ガロンは3.7853リットルらしいので、それでも日本よりはまだ安いのかもしれない。

私が2003年に初めてアメリカを訪ねた頃はガソリン代は1ドル台の後半だった。1ドル98セントあたり。2004年8月から自分で車を乗り始めた。その頃は2ドル10セントくらい。それからは少しずつ(本当に少しずつあがり)、2ドル30セント~70セントあたりで落ち着いていた。昨年LAに移ったときに、ガソリン代が前に住んでいた町よりも10セントほど高いことに気が付いた。しかし今は同じ価格になっているか、または逆転していることもある。

昨年の秋あたりまでには3ドルを余裕で超え、3ドル半ば辺りだったのだが、ここ最近あれあれ?と思っている内に4ドルを軽く突破。そして現在は4ドル後半で落ち着いている。私の車は以前は28ドルほどでいっぱいになったのだが、今では45ドルも入ってしまう。45ドル入ってしまったときには、びっくりした。

私は学校(片道6マイル)と仕事場(片道2マイル)、2ヶ月に1度ほど前の町(片道70マイル)へ行くだけで、日々の買い物は学校帰りに済ませてくる。なのであまりガソリン代高騰による影響を受けてはいない。しかしこれが片道50マイルも走って仕事や学校へ行く人には相当負担になるのではないかと思われる。

LA周辺では代替交通手段がない。鉄道もあることにはあるが、町の中心へ向かう電車があるだけで、電車間の乗換えで職場や学校の近くへ移動するのはまずムリ。もちろんバスはあるのだが(そしてバスの便は悪くはないが)、渋滞だらけのLAの町。一体移動にどれくらいの時間がかかるのか、まるで読めない。

アメリカの町はSprawlと形容される。先日Environmental studiesの授業でも習ったのだが、こういう街づくりは環境に対してはかなり非効率な作りになっている。ほとんどのアメリカの郊外の町は、人口密度が少なく、街づくりのために年間200,000ヘクタールの農業地を減らし続けているそう。隣の家との間が広い。どこへ移動するにも車が基本。人は個人の移動のためだけにガソリンを使う。アメリカは全世界の4分の1ほどのfossil fuels(化石燃料:石炭、石油、天然ガス)を使っている。アメリカ内のエネルギー消費としては26%が交通手段のために使用されており、このうち98%は車に使用されている。そしてそのうち4分の3は個人の乗用車による消費となっているそうだ。(テキスト「Environmental Science」からの抜粋。)

こういう広がった郊外に住んでいるため、アメリカ人は職場から家までの距離が遠く、個人の車が必要となる。平均アメリカ人ドライバーは443時間一年でハンドルを握っているそうだ。(55Working days)そして交通渋滞によるコストは年間78billion ドル(780億ドル)にもなるそうだ。

そして郊外の家に住んでいるから、移動のためには個人でやたらとガソリンを使わざるを得ない。これは本当にエネルギーのムダな使い方だし、何よりもCO2排出にかなり貢献することになる。アメリカはずっとCO2排出No.1の国。それはとても環境に悪い街づくりの結果でもある。アメリカ人は(一人当たりにすると)ヨーロッパの人や日本人の倍近くのエネルギーを使用しているのだ。それは個人と町全体がエネルギー使用を控えようとしない、節約しようとしない(またはできない)ような仕組みになっているからだ。

ところが、最近消費を控えるような動き、またはSUVやトラック購入を控えるような動きが出てきたらしい。以下抜粋。(http://wiredvision.jp/news/200806/2008062420.html)

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KBB社の調査結果は、『ABC News』などが最近実施した2つの調査結果と酷似している。ABC Newsの調査では、77%の人が[燃料高騰によって]家計に悪影響が出ていると答え、さらに燃料高騰が家計に深刻なダメージを与えていると回答した米国人は[51%と、2000年の調査開始以来]過去最高の割合にのぼった。

また当然ながら、燃料価格の高騰と景気の悪化を受けて、小型で低価格、低燃費の自動車の購入を検討する人が増えている。SUV(スポーツ用多目的車)の購入を検討している人は、昨年10月の38%から27%に減少していることが、調査から明らかになっている[調査は2008年6月現在]。
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景気全体には悪い影響となりそうだが、環境にはよさそうだ。私は個人的には、ガソリンが家計をもっと圧迫するくらい高いものになってしまえばいいと実は思っている。(もちろん個人的にはかなり痛いのだが。)そうすれば少しは環境に配慮した街づくりになるのではないだろうか。以前教授にそう言ったことを言ったことがあるのだが、「それは学者がよく言うことだ。」と言われた。今はアメリカは家が売れなくなってきている。しかも郊外の家での売れ残りが多いそう。これにはガソリン代高騰が大きく影響している。人は少しでも節約するために、最近は仕事場へ近い家の購入が好まれるらしい。

話を元へ戻すと、ガソリン代が個人で車を乗り回すことができないほど高くなってしまえば、電車や地下鉄などを作ろうとする動きも出てくるのではないか、またはもっと人口密度の高い町づくりになるのではないか、と私は思う。これはSustainable Developmentの一つの例でもある。ま、アメリカって広い上に真ん中辺りの州は人口も少ないようなので、そういうところでは電車が作られる可能性も低そうではあるのだが。

とにかく今回のガソリン代高騰が相当家計に響いているのは、多くの家庭で経験しているようだ。
(以下抜粋。)
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KBB社の調査結果を見ると、ちょっとした贅沢への支出が真っ先に削られていることがわかる。

28%の人がCDやDVDの購入をやめ、
     ほぼ3人に1人[30%]が、CDやDVDの購入を減らしている。
27%の人がスポーツ観戦をやめ、25%がスポーツ観戦の回数を減らしている。
44%の人が休暇を減らしている。
60%が外食の回数を減らしている。
68%が、生活必需品以外の購入を減らしている。
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ちなみに私は万年貧乏のため、CDも買わない、スポーツ観戦に行く時間もない、働いていないので休暇もない、外食は元々滅多にしない、ファーストフードは間違っても買わない、生活必需品以外は1年に数回買うだけ、という消費社会を逆流するかのような日々を過しているので、全く今までと消費パターンは変わらない。そしてアメリカ人はコーヒーや水を買うことも控えるようになってきているらしいのだが、私はコーヒーは家から毎日小さなポットで持参、水は浄水器を使用、外での購入はまずしない、という徹底した倹約ぶりを日ごろから実践しているので(カバンはいつも重いが)、これまたまるで変化がなし。

景気回復には悪いのかもしれないが、これを機会に少しはアメリカ人も倹約するという姿勢が見に付けばいいのではないか、と個人的には思っている。

そう言えば、先日アメリカ政府から300ドルをいただいた。何でも税金を納めている人ほとんどにお金が送られたようだ。(私なんてほとんど税金を払っていないにも関わらず!)景気をよくするために使ってください、ということらしい。私は昨日Checking accountに入金してきた。いつかは生活費として使われるだろう。もともと物を買う習慣のない極貧な私に、これを使って何か買ってくださいとお金を渡しても、景気回復の貢献にはまるでならないと思う。ありがたくいただいたが、このようにいきなり与えられたお金で何か新しいものを購入しようと考える人っているのだろうか。アメリカ人なら、「ラッキー、あれ買っちゃおう。」と考えるのか?

ガソリン代高騰。これを機会にアメリカ人の皆さん、節約することを覚えてください。

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