今日何かを見たときにふとアメリカへ初めて来た頃のことを思い出した。2003年の2月の終わりだったと思う。1ヶ月だけホームステイをしたことがある。
そのときに驚いたことはいろいろとある。まずホームステイ先のお母さんが、生まれてから一度もバスに乗ったことがないと言ったこと。当時アメリカの事情が分からなかった私は、「すっごいお嬢様だったのかしら?」と思ったものだ。
その後そのお母さんと近所のスーパーへ行き、ブドウ売り場の前を通った。すると彼女は袋を開け、一つむしゃむしゃと食べてしまったのだ。びっくりしている私にまるで気付かず、彼女は二つ目の袋も開け、また一つ。「えっ?いいの?」と聞く私に、「だって味見してみないと美味しいかどうかわからないじゃない。」と答えた彼女。いやー、売り物を勝手に試食するなんて日本では一度も見かけたことがなかったので、びっくりした。
その後会計を済ませ、スーパーを出たところ、外で髭を剃っている人を発見。髭をスーパーの前で剃っているだけでも驚くのに、この人、勝手に店の電源を使っていた。そ、それ、無断使用って言うんじゃ…、とまたまた固まる私。
この日はかなりのカルチャーショックを受けた。私の頭の中では、「何?何?この人たち。人として大丈夫なの?」とあまりの常識のなさっぷりに、アメリカにはしつけはないのだろうか?と疑問が沸いた。ま、その後トータルで4年近い私の滞在経験から言うと、日本人のようなしつけと常識はないと言っていいと思う。ま、文化はそれぞれだから。
あれからもう5年半。今では大抵のことに驚かなくなったし、全く動じなくなった。今度は日本へ帰ったら、逆カルチャーショックで日本人の細かさが気になるのかもしれない。暑い中校内を歩きながら、ふとそんなことを考えた。