先日Public Helathの授業で、ドキュメンタリーを見た。Nkosiという南アフリカの男の子の話である。彼は生まれつきHIV-positiveだった。小学校に入るときに、HIV-positiveということで入学を断られた。彼のお母さんは彼を育てることができなかったので、とある女性が彼を養子にして面倒をみた。彼はアメリカへやってきて、アメリカの同世代(恐らく10歳-12歳くらい)の子供たちに、エイズについて語った。エイズの国際会議にも参加した。彼はアフリカのエイズの現状を世界に訴えた。しかし彼は12歳で亡くなってしまった。
2007年に新しくHIV感染者となった人は、Sub-Saharan Africaで1.7millionと見積もられている。全世界で2.5millionとされているので、いかにアフリカの南部に集中しているかがよく分かる。同地域の2007年の15歳以下の子供の新感染は370,000。この370,000という数字が大きすぎてどれくらいの規模なのだか分かりづらいのだが、この数字は小さな市の人口を軽く超えている。私が以前住んでいた武蔵野市、それとお隣の三鷹市、この2つの市の合計人口数よりも多くの数の子供が、1年間の間だけでHIVに新たに感染してしまったということだ。
Sub Saharan Africaに住む15歳以下の子供の間では、1,000以上毎日毎日新しくHIVに感染している人が増えているということになる。規模の小さい学校なら学生数は1,000人ほどかもしれない。そう考えると、毎日、毎日新しい学校の全員がHIVに感染していっているということになる。絶対に日本ではありえない話である。しかし遠くの国では、それが現実のところもある。絶望的な状況だ。