私は今、サンフランシスコの近くへ来ています。
南カリフォルニア(CA)からロードトリップで
合計で7時間近くかけてやってきました。
今回の慌しい旅の目的はたった一つ。
知り合いの60歳の
『サプライズ誕生日パーティ』に参加するためです。
日本ではあまり行われない
サプライズパーティ(a surprise party)ですが、
人を驚かせたり、楽しませたりすることが
大好きなアメリカ人は、
こういう『本人に内緒の企画』をよく行います。
サプライズパーティは、パーティの主役に
パーティが企画されていることがばれてしまったら、
すべてが台無し。
ですので企画をする人も、招待を受けた人たちも
細心の注意を払います。
今回の発起人は、誕生日の彼の奥様でした。
その奥様から、1ヵ月半ほど前に、
こっそりと彼の友人たちにメールが送られました。
そして手順も知らされました。
今回のストーリは、こうでした。
誕生日の彼は、若い頃から
趣味でバンド活動をしています。
今回は長年一緒にやっているバンドメンバーの一人が
引退することになり、
その彼のサヨナラライブをするという設定です。
凝っていますでしょ。^^
2日前に、誕生日の彼は
こうやって嘆いていたようです。
「信じられない。
何十年も一緒にやってきた仲なのに。
彼なしで、うちのバンドは
どうなってしまうのだろう?」と。
彼は、まさかそれが、自分の誕生日パーティのために
作り上げられた話であるとは、
これっぽっちも思っていないようでした。
準備は周到に進んでいました。
では、私もこれからパーティへ行ってきます。
奥様の指示により、パーティ会場へは、
彼より早く着いていないとなりません。
姿を見られてはいけませんからね。
(この上の部分を書いてから7時間経過後。)
先ほどパーティから帰って来ました。
パーティ会場は、ライブハウス兼バーでした。
2時集合と言われていた私たちは、
会場でおのおのお酒を頼み、彼の到着を待ちました。
(お酒は、何とパーティ主催者側持ちでした。
70~80人はいたと思うので大変な出費だと思います。)
最後はカウントダウンのように皆で待ちました。
「O.K. everybody, he’ll be here in 10 minutes.」
「5 minutes.」
「3 minutes.」
「They’re in the parking lot. 」
バンドメンバーが到着したようです。
誕生日の彼は、一番に入って来ました。
何も気付かずに。^^
で、そこで70人もの大声による
「Happy Birthday, John!」
彼は、驚きと嬉しさを隠せない表情をしていました。
これがそのときの写真です。
ちょっと遠くからしか撮れなかったのですが。
私は皆さまのお邪魔をしないように後ろのほうにいたので。
まず奥様とハグ。
続いてお嬢さんとツーショット。
そしてライブが始まりました。
60歳なので、演奏は大抵60s, 70s のカバーでした。
でも実は、私はこの頃の音楽が好きなので楽しめました。
元ヤングレディーたちが踊りまくっています。^^
こういうイベントは楽しんでしまった方がいいので、
人目などを気にしないアメリカ人の方が
思いっきり楽しめると思います。
アメリカのパーティのいいところは、
老若男女がいつも混じっていること。
日本では若者のイベントは、若者だけ。
年配層のイベントは、年配層だけ。
でもアメリカでは、皆ごっちゃになって楽しみます。
今日も、20代の若い男性が、お母さんくらいの女性と
一緒に踊っていました。
日本では見かけない光景でしょうね。
話はちょっと逸れますが、
数年前に知り合いのハロウィーンパーティに行ったとき、
一番最初に踊りだしたのは、
3歳児とその曾お祖父さん80歳でした。
4世代に渡って一緒に楽しめるって、いいと思いませんか?
今日のパーティでもライブ中、
おばあさんがずっと踊っていました。
水色の真ん中の方です。
日本では、ある程度の年齢の女性が、
ライブバンドで踊るなんて、あまりないでしょう。
そういうことができるのは、多分うちの母くらいかと。^^
とにかく皆さん、大変よく踊っていました。
特に元ヤングレディーたちが(多分40後半から50代)
とても楽しそうでした。
奥様もずっと踊っていました。
演奏の後は、しばらくあちこちで皆がおしゃべり。
2時間後くらいに、全員が中へ入るように言われ、
彼の生い立ちのビデオが流されました。
日本の結婚式みたいですね。
司会は、奥様。
やっぱりプレゼン慣れしているアメリカ人ですね。
大抵の人は、皆、司会くらい上手にこなせてしまうんですね。
そつなく司会をこなす60歳前後の女性。
日本で見つけるのはなかなか大変そうです。
後でお嬢さんに聞いたのですが、このパーティは完全に
奥様と、バンド仲間の奥様たちで計画されたようで
お嬢さんは全然参加してなかったそうです。
さすがバンドマンの彼女たち、やりますね。
それにしても、バンドを長年ずっとやっているのって、
すごくないですか?
60歳になるまで、ですよ。
今日の主役の彼は、
実は数百人の従業員を抱える会社の社長さんなのです。
忙しいと思うんですけれどね。
でも好きなことは止めないという姿勢がいいですね。
日本でもそうやって人生を楽しめる人が
もっと増えるといいなーと思います。
で、最後にいただいたお土産がこれ。
ウィスキーが大好きな人なので、
お土産もウィスキーのミニボトルでした。
かわいいですね。
よーく見ると、ベースギターの絵に、
Being 60 Rocks!!
Keep on playn’
Johnny!
Happy 60th Birthday!!
と書かれています。
いいですね。^^
さて、今日のパーティは
「Happy Birthday!」でスタートしましたが、
こういうサプライズパーティは、
しばしば「Surprise!」で始まります。
皆でひっそりと隠れていて、主役が現れると同時に、
大声で「Surprise!」とその人を驚かせるのです。
こういう場合、サプラーイズと、「ラ」の部分を
強く長く発音する感じです。
『surprise』という単語は、
動詞でも、名詞でも、形容詞としても、
よく使われる言葉です。
アメリカへ着てから、私も何回か
サプライズパーティに参加しましたが、
これはなかなか粋な計らいだと思います。
日本でも流行ったらいいな、と思うアメリカ文化の一つです。