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新型コロナウイルス-アメリカの対応の変化

この記事は3分で読めます

最近読んだいくつかの記事の中では、感染が増えている州では封じ込めを諦め、今後は治療に備えていく方向に向かっていくということが書かれていました。

 

「韓国の例に倣うも」

韓国では初期の段階では感染者数が多かったですが、大規模な検査を行い、そして検査数が増えても、感染数はその後爆発的に増えることなく、パンデミックを今のところコントロールできているようです。(感染数自体は少なくはないですが、ヨーロッパのようにケース数が爆発的に増えなかったことが見直されているようです。)そういうことで、韓国が行ったことから他の国も学ぶことがあるという記事がこちらです。WHOでも検査をすることは推奨されていますし、当然アメリカでもここ最近は検査数がかなり増えることになりました。

 

ところがアメリカでは検査数が増えたところ(前の記事でNYの話を書きましたが)、実態は思っていた以上に感染は広がっており、そして医療用品の不足により、今度は検査数を制限しないとならないようです。

 

また、韓国が行ったことを行うことをアメリカが行うには、すでに機会を逃したのではという意見も、3/12のツイートで、FDAの前長官からも出ています。11日前の意見なので、少し前になります。ツィートの中では、こう書かれています。

 

We probably lost the chance to have an outcome like South Korea.

「私たちは多分機会を失ってしまった/韓国のような結果を得る」

 

このことはまだ結論は出ていませんが、ただ確かに韓国は、アメリカやヨーロッパのように経済をシャットダウンすることもなく、ウイルスの広がりは抑えられているようです。()

 

「ロサンゼルス郡では検査を制限」

WHOの推奨もあり、アメリカではここ最近、検査数が増やされてきましたが、今後は検査数を増やすのではなくて、治療に専念することへ方向を変えてきたようです。3日前のLos Angeles Times の記事にはこう書かれています。細かいところは省き、かなりざっと要約して日本語にしてみます。

 

ロサンゼルス郡の健康当局者は、医師たちにこうアドバイスした。「コロナウイルスのアウトブレイクを抑えようと願って、患者の検査をすることは諦めるようにと。また陽性の結果が、どのように治療されるかを変える場合のみ、患者を検査するようにと指示した。

 

患者の混雑と検査の不足に押されて、どれくらいの人がロサンゼルス郡でウイルスに感染しているのかを正確に知ることは難しい。

 

LAカウンティのパブリックヘルス部門は、感染を封じ込める戦略から、感染を遅らせ、疾病率や致死率を回避する方へ変換していく」と、レターには書かれていた。

 

ロサンゼルスタイムスでは、全国的な検査の不足ということは、ラボで感染していると確認されない感染の疑いのある人がたくさんいるということ。検査の不足に加えて、全国にあるパブリックヘルス機関は新しい感染が起きてもそのソースをたどるための人員もいない。ということは、感染にさらされた人たちを隔離するための機会、またアウトブレイクを抑えるための機会も大幅に失うことになる、と続けていました。

 

【封じ込め】から【パンデミックへの対応】へのシフト

また、2日前のワシントンポストの記事を読むと(かなりざっくりと訳しますが)、以下のようなことが書かれています。

 

ニューヨークやカリフォルニアや、大きな打撃を受けた地域の健康機関関係者たちは、コロナウイルスの検査を医療関係者、深刻な症状の人たちのみに制限している。彼らは、ウイルスの封じ込めは失敗し、国はパンデミックに対応するための新しい局面に動いていると言っている。

 

これらの地域ではケースが急増しているので、一般の人たちへ検索を促すよりも、必要なリソースを人の命を救う方へ回しているとのこと。そしてマスクや人口呼吸器や集中治療のためのベッドなどを確保し、検査は医療関係者ともっとも病気に弱い人たちに限っているとのこと。こういうシフトは、感染と病気の高まりがヘルスケアシステムを打ちのめし始めていることを示す更なる証拠である。

 

同じようなメッセージがホワイトハウスのコロナウイルス対策本部からも土曜日に出された。医療用品の不足を抑えることは緊急であり、誰が検査されるべきかのガイドラインを示した。入院患者、医療従事者、長期ケア施設(老人ホーム)の住人達、65歳以上の人たち(特に心臓や肺に疾患を持つ人たち)が最優先とされる。

 

Dr. Fauci氏(この方ホワイトハウスで対策に当たっている国立アレルギー感染病研究所の長官)は、こう言った。「アメリカの一人一人が検査を受ける必要はない。あなたが検査を受けに行くと、あなたは個人の保護用品、マスクやガウンを消費することになる。それらは、コロナウイルスを持つ人を世話するヘルスケアワーカーのために優先されるものである。」

 

健康機関関係者は今複雑で変わりつつあるメッセージに取り組んでいる。ドライブスルー検査の場所ができて多くの人が検査できるようになった。しかし症状が軽い人は家にいて隔離しているべき。限られたヘルスケアの資源を守るために、皆ができることは、social distancing を実践すること。

 

あちこち記事を読んできて、アメリカではかなりの地域で、医療用品が深刻なレベルで不足していることがわかりました。ドライブスルーなどもあり検査は前よりも数的にはできるようにはなったものの、ただ検査をすると、個人が使用している(たとえば医師や看護師や救急隊の人たちの)保護装備用品が不足してしまうので、症状が軽い人は、人との接触を避けて家にいなさい、ということかと思います。

 

アメリカの医療用品は、危機的なくらい足りないようですね。前の記事でも書きましたが、ニューヨーク市長が「人工呼吸器が入手できないと、people will die.」と言っているくらいですから。

 

ということで、アメリカでは、韓国で実施された「徹底して検査・そして隔離」という政策は、もう取ることができないようです。そして抑え込むことは断念して、パンデミックの対応に焦点を当て始めたようです。

 

このことは非常に気になるので、また日々流れてくる報道に注目していきたいと思っています。カリフォルニアも感染者の多い地域なので、私たち一人一人が感染を広げないように、今後もがんばって引きこもっていきたいと思います。

 

 

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