前回は、
「映画の中の英語ネイティブのような会話」を
いきなり目指すのは、
現実的ではないという話をしました。
なぜならそこへたどり着くまでには
相当な年月が必要ですし、
簡単にそこへたどり着けると
勘違いをしていると、
進歩のない自分がイヤになってしまうからです。
日本育ちの私たちにとって、
それはとても長―い道のりですから。
またTVや映画で使われているスラングなどを、
一部だけ拾って使ってみるのは
構わないとは思いますが、
自分の身の回りのことや
言いたいことも言えないのに、
そのフレーズだけがやたらと
ネイティブみたいになっても、
かなり不思議な外国人です。
スラングよりも先に
覚えることはたくさんあると思います。
なぜか「スラングを教えてください」
というメールが時々届くのですが、
スラングを覚えるようなレベルは、
一通り自分の言いたいことを
表現できるようになってから目指すべきことです。
私は、そういうことよりも、
しっかりと応用の利くフレーズを、
確実に自分のモノにして、
そこから自分の言いたいことへ
応用していく方が、有効だと思います。
(1) まずは使えるフレーズをものにする。
意味も文の構造(文法)も理解すること。
決まり文句ならそういうものとして覚えてしまう。
(感情を込めて何度も音読。)
そしてもう無意識に
出てくるくらいになるまで練習する。
(2) そして、そのフレーズを使って
(一部を少し変えてみて)、
身の回りのことや、言いたいことを
言う練習をたくさんします。
日常の自分の言葉を片っ端から
英語で言えるようにしていきます。
そんなこと?と思われるかもしれませんが、
こういう地道なことをやり続ける人が
最後の英語を使えるようになる人です。
自分のことや、
自分の仕事に必要な英語さえ使えないのなら、
それ以上のことだって話すのは難しいでしょう。
アメリカ生活でも、英語ネイティブたちは、
そんなに複雑な構文ばかりで
会話をしているわけではありません。
私がアプリで取り上げてきた英語の例を見ても、
それはおわかりいただけると思います。
まずはアプリに出てきたような簡単な英語を
覚えてしまえばいいのです。
教材はもちろんお好みでいいと思いますが、
わかりやすそうでネイティブに書かれた英文、
自分が使いそうな表現がいっぱい出ているもの、
そして音声がついているもの。
そういうものを音声を真似しながら、気持ちを込めて、
徹底的に音読して片っ端から覚えていってください。
もう思った瞬間に、体が反応して
言葉が出てくるようになるまで、です。
先日、フィギュアスケーターの
村主選手が書かれた
「高橋大輔選手の引退に思うこと」 という記事を読みました。
その中で村主選手は、
こういうことを書かれていました。
「トップアスリートは、地味で単純な作業を
気の遠くなるくらい行っている。なぜなら、
試合などの実践の場では、頭で動く前に、
体が無意識に反応しなくてはならないからだ。
意識がない状態でも、体が反応するようにするために、
反復練習を行う。また、同じ条件で何度も行っていると、
小さい変化や差を気づくことができる。」
これを読んで、「そうか、一流選手でも、
やるべきことは同じなのだな。」 と思いました。
私たちは、トップアスリートではありませんが、
それでも無意識に反応できるようになるために、
やらないとならないことは同じです。
考えるより先に、英語をすらすらと言葉として
発したいのなら、そのためには反復練習が
欠かせないということです。言いたいときには、
もう頭であれこれ考えるよりも前に、先に言葉が出てくる、
それくらいまで日ごろから備えておくべきなのですね。
そして気持ちを込めてずっと反復練習 (音読) し続けると、
いつか自分の中の感情とその英文が
一致する瞬間がやってきます。
これはやったことのある人にしか
わからない感覚かもしれませんが、
そこまでなりきって音読をするべきだと、私は思います。
ですから、英会話本でも何でも、
一冊全部徹底的に音読してモノにしてしまってください。
英語が話せないと嘆くのは、
それをやった後のセリフでしょう。
体を使って十分なインプットをしていないのなら、
体を使ってのアウトプットができないのは、当然の結果です。
大人になってから使う環境もない中で、
言語の習得をするというのは、
そんなに甘いものではありませんし、
それくらいの努力ができて始めて、
英語は口から出てきてくれるようになると、私は思っています。
子供の時からバイリンガルな環境で育った人たちと、
日本育ちの私たちは、学ぶ方法が違うということを
知っておいた方がいいですね。
そうやってまずは、徹底的になりきって音読をします。
そして「シンプルな英語表現方法を覚えて、
伝えたいことを伝えられるように」 しましょう。
私は、日本人の私たちが最初に目指すのは、ここだと思います。
エリートみたいな英語や、
ネイティブスピーカーみたいな英語を、
最初から目指す必要はないでしょうし、
そうなる必要も特にないと思います。
なぜなら、よく考えてもみてください。
私たちって、そもそも日常生活でエリートですか?
私は違いますし、おそらくこれを読んでいるほとんどの方も、
そうではないと思います。もしそうなら、
なぜ英語だけはエリートであることを
目指す必要があるのでしょう?^^;
ご自分はエリートであると
思われる方もいらっしゃるでしょうが、
そういう方でも、まずはシンプルなところを習得し、
そこから更に上を目指していかれる方が、
現実的だと思います。
まずはシンプルでもいい。
伝わる英語を話すこと、書くこと。
そのためには、しっかり教育を受けた
英語ネイティブの人たちが書いたものを、
ひたすら真似すること。
なりきって音読すること。
私は、こういうところから、
始めていけばいいのではないかと思っています。
(※ 書き言葉に関しては、
アメリカでは高校を卒業しても、
英語をきちんと書けない人たちがいるので、
少なくても大学は出ている方たちの文章を
真似することをお勧めします。)
この記事は続きになっています。
421. 現実的な目標を立てよう。
422. シンプルな英語をまずは目指そう。(↑ この記事です。)
423.目標がないと、英語はなかなかモノにならない。
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