絶対話せる!英会話

日本人が英語を聞き取れない6つの理由。

この記事は8分で読めます

おとといきのうと、言語習得のマスターによる、
「どんな言語も6ヶ月で習得する方法」を、
私の体験談と一緒にまとめてみました。

これは、全ての英語学習者は読んでおいた方がいいと思います。

 

未読の方は、こちらをお先にどうぞ。
そうすると、今日の話がよくわかると思います。
[1]  6ヶ月で言語もモノにするための5つの原則
[2]  6ヶ月で言語をモノにするための7つの行動

 

「6ヶ月で言語を習得する」 では、
何もびっくりするような魔法の方法は
紹介されていませんでしたが、私は紹介されていた
「原則」と「やるべきことを行う」のが、
私たちにとって、語学習得の近道だと思います。

 

なぜなら、どの言語を習得するにしても、
人間の脳のつくりって、同じですから。
そこを鍛えるには、結局皆、似たような方法をたどります。

その方法を 言語習得のマスター、Lonsdaleさんが、
「外国語を習得できた人の話を聞き、
その人たちに共通するもの」 を探り出し、
体系的にまとめてくれたのですから、
それに敵う方法は、私もないと思います。

(言語学者による第二言語習得理論と

同じような結果が出ています。)

 

彼はモデリング」、その方法を真似することにより、
6ヶ月で中国語が流暢になったと言っています。

そして実は私も、英語達人たちが示してくれた道を
実際に辿ったから、英語が使えるようになったのです。

 

ということは、前回の記事の中で出てきたことを
全てやってみれば、少なくても今の私程度にはなれる、
アメリカで英語だけで仕事や生活が
できるくらいにはなるということです。^^

 

さて、言語マスターのLonsdaleさんのビデオは

そういう風にとても素晴らしいものでしたが、
あまりに短いプレゼン時間だったので(18分27秒)、
少しだけ駆け足だったのは、否めません。

しかもアクションの方が、かなり急ぎ足でした。

なので、Lonsdaleさんが言っていることに、
私が理解したことや私の体験を付け足して
昨日の記事は書いてみたのですが、
でも実は、昨日の記事で一つだけ、
もう少し補足しておいた方がいいな、と思うことがありました。

 

それは、5つの原則に出てきたEnglish Deaf
英語の音が聞こえない人)これの克服の仕方です。

そこをしっかりとやっておくと、その後の英語学習が、
大分ラクになるのですね。なので、これは
早めに克服しておくに限ると、私は思っています。

まず、私たち日本人は、どうして
「English Deaf」なのかを考えてみましょう。
そして、その理由を知ってから、
それらに対する対処方法を紹介したいと思います。

 

私たち日本人はどうして「English Deaf」 なの?

English Deaf」 とは、おとといの記事

読んだ人ならおわかりでしょうが、
英語の音を聞き取る能力を持たない人のことです。

なぜ英語の音を聞き取れないかと言うと、
私たちは日本語だけを聞いて成長してきたので、
私たちの脳って、日本語の音を
聞き取る能力しか持っていなのですね。

 

Lonsdaleさんも言っていましたが、
「私たちの脳の中のフィルターは、私たちが
慣れ親しんでいる音だけを取り込み、
今まで聞いたことのない音は、
フィルターが、外へ締め出してしまうのです。」

 

試しに日本語で考えてみましょう。

日本語の音なら、私たちは
例え意味をなさない言葉でも聞き取れるものなのです。

たとえ、「しはけもそみ」なんて変な音を聞いても、
意味はわかりませんが、音自体は聞き取れると思います。
これは私たちが、日本語の音を
聞き取る能力を持っているからです。

 

そのため、日本語と似た音を持っている言語なら、
問題なく聞き取ることができます
たとえばスペイン語。
スペイン語は日本語と同じ母音を持ち(a, i, u, e, o)、
しかも子音と母音が、ほとんど一緒に発音されます。

ということは、まるで日本語と同じ。

そう、ほとんどのスペイン語の音は、
日本語と同じような発音なのです。

なので、ほぼ同じような発音の音を持つ

スペイン語の単語は、たとえ初めて聞いたとしても、
日本人はしっかりと聞き取れますし、

しかも相手が言った言葉を、

完璧な発音で繰り返すこともできてしまうのです。

 

これ、英語では無理ですよね?

 

なのでスペイン語の授業を初めて取ったとき、
「何て負担のないラクな言語なんだろう」 と思ったものです。^^
もちろん、スペイン語はスペイン語で、
英語よりも大変なところもありますが、
リスニングの苦労は、全く無し!です。

 

試しに今日、NHKのスペイン語講座でも
聞いてみてください。^^
何を言っているかわからなくても、
音自体は聞き取れると思います。

ですから、英語とスペイン語がわかる日本の人と
話をすると、皆、口を揃えて言います。

「スペイン語が世界の公用語だったら、
日本人は本当にラクだったのに。」
「スペイン語は、聞き取れないという
リスニングの苦労がないから、いいよね。」と。^^;

ということで、日本人は、日本語の音
(もしくは、日本語に似た外国語の音)は聞き取れるのです。

 

しかーし、残念なことに、
日本語の音と、英語の音は、ほとんど共通項がありません

ということは、私たちの脳のフィルターは、
英語の音を、ピシッとはじいてしまうのです。
ここが日本の人にとって、とても痛いところであり、
その脳の働きが、英語のリスニングを難しくしているのです。

 

例えるなら、私たちの言語フィルターは、この写真のような状態。
せっかく音がやってきても、知らない音だから
ドアを閉めたまま入れてあげないんです。

 

Person before the Old House

私は、このドアを開けるために、長年いろいろなことを試してみました。
ひたすら英語を頑張って聞いてみました。
NHKのラジオ会話を聞いてみたり、
イングリッシュXXXXXーを聞いてみたり、
スーパー△△△ーを聞いてみたり、
ヒアリング〇〇〇〇をやってみたり。

 

でも、どうしても英語がよく聞き取れなかったんです。
読むのは、速くなりましたけれど。
(あ、ちなみに上の教材は、どれも悪くないです。
いや、むしろ、いい教材だと思います。^^)
でも英語を聞き取れるような決定打には
なってはくれなかったのです。

 

さらには、英語の高周波を聞き取る教室みたいのも、
15万円くらい出して行ったこともあります。
いやー、あれは無駄だったなぁ…。^^;
とにかく、いろいろとやってみましたが、

私の英語を聞き取る力自体は、全く改善されませんでした。

 

一昨日の記事でも書きましたが、
私はLonsdaleさんが言うところの
まさに「English Deaf」
どうしても英語の音が聞き取れない人」だったわけです。

Beautiful female with listening gesture isolated over a white ba

 

でも中学生くらいになってから
英語を学ぶ多くの日本の人は、
多分、私と同じ 「English Deaf」 だと思います。
それはさっきも言ったように、
日本語と英語の音があまりにも違うから。

 

なので、ここでは、英語と日本語の音が
どういう風に違うのかについて
具体的に書いてみようと思います。
この「日本人が英語を聞こえない理由」を
知っておくと、聞き取りや英語を話すときに、
注意すべきところもわかるようになると思います。

私が自分の経験を振り返って、今思う
「日本人が英語を聞き取れない理由6つ」まとめてみました。

 

英語を聞き取れない理由 – その1
「日本語にない音がたくさんあるから」

日本語は、とてもはっきりした音です。
でも英語はあいまいな発音がとても多いんですね。

その中でも代表的な曖昧な音がこれ。

ə ]。about [əbáut] などがそうですね。
この音は英語の中で、本当に本当によく出てくる音なのです。
でも日本語にはない音です。

 

この音も日本語にはないですね。
ʌ́ ]。hungry [hʌ́ŋgri]

 

子音でも日本語にない音もあります。
代表的なところは、これかな、と。
皆さん、ご存知の日本語で言うサンキューです。
[ θ ]。thank [ θǽŋk ]

 

こういう知らない音に対して、
私たちの脳はどう反応するのでしたっけ?
そう締め出してしまうのでしたね。

なのでこれを音として聞き取れるように
訓練する必要があるのです。

日本語にない音は、英語にはたくさんあるので、
とりあえず例としては、これくらいで止めておきます。

 

英語を聞き取れない理由 – その2
「勝手な思い込みをしているから」

英語は、スペリングによって、音が変わります
一方日本語は、ひらがななら、
単語のどの位置にその文字があろうが、いつも同じ発音です。

 

たとえば「け」。
ける(蹴る)、かみのけ(毛)、イケメン、ウケを狙う、コケ(苔)、
どこでも「け」は「け」。
日本語は、文字さえ見れば、発音ができる言語なのです。

 

でも英語では、音が変わります。

 

たとえば「a」。
hat [hǽt]、stand [stǽnd]、station [stéiʃən]、
away [əwéik] 、about [əbáut] 、ball [bɔ́ːl]

ね、同じ「a」でも、単語の中のどこにあるかによって
音が全然違って来るんです。

でも多くの人は、hat, stand, away, about などの「a」を
日本語の「あ」で発音してしまっている。
「ハット」 「スタンド」 「アウェイ」 「アバウト」みたいに。

 

なのでこれらの英語の発音を聞き取ろうとしても、
単語の中に「a」の文字を見ると、
私たちは無意識のうちに
日本語の「あ」っぽい音を聞こうとしているんです。

そういう勝手な思い込みをしていると、
英語の音って、聞こえてこないんですね。
この大きな勘違い、これを直さないとなりません。

 

英語を聞き取れない理由 – その3
「英語は子音だけで発音される音がたくさんあるから」

日本語は、「ん」を除くと、ほぼ全部の発音が
「子音」+「母音」 の組み合わせです。
「k」+「a」→「か」
「t」+「o」→「と」

なので、英語を聞くときにも、このルールを無意識のうちに
当てはめようとしています
なぜならそれが私たちが聞き慣れた音だから。

 

でも、英語って、子音だけで発音されることがたくさんあるんです。

誰もが知っている単語、ボトルを取り上げてみます。

完全に日本語になっていますからね。

でもこの下の単語と発音記号を見てください。
[ bottle ] のピンクの部分、

英語では、子音だけで発音されていますでしょう。
bottlebɑ́tl ]
でも、日本語で発音すると、「bo-to-ru」。
赤で色をつけた余分な母音が
入ってしまっているのがわかりますね?

この日本語感覚の延長のままで、
「ボトル」に近い音を英語でも待っていると、
いつまで経っても、本当の英語の「bottle」の音は
聞こえてこないんです。

 

また別の例を挙げてみます。
smart [ smɑ́ːrt ]
これ、賢いっていう意味です。
He’s smart. と言ったら、

「彼は頭の回転が速いのよね。賢いのよね」という意味になります。

 

さて、この単語も最初の子音「s」と
最後の子音「t」に母音はついていません。
でも日本語で知っている音は、「su-ma-to」ですね。(赤の部分)
ですが、聞きなれている日本語英語のこんな音を期待していると、

この単語はずっと聞き取れません。
他の子音の前で、重なったときの「s」って、
音が速いんです。だから「s」の音は一瞬です。
そこを聞き逃さないようにしないとなりません。

 

もう一つ、似たような例を出しますね。

多分日本語にもなっている「ストローク」。

この単語なんて子音が3つも重なっています。
最初の子音2つ「st」は、本当に子音だけの発音ですね。
stroke [ stróuk ]
でも日本語だと、「su-to-ro-ku」と、
3つも余分な母音が入ってしまっています。
こんな音を想像して、英語を待っていると、
これまた聞き取れないですね。

 

英語を聞き取れない理由 – その4
「日本語は音が途切れる。でも英語は音がつながる」

これは、この記事で書きました。
ちょっとじっくりと記事を読んでみてください。

 

日本語は一つ一つの音が独立している感じ。
日本語の音は、西洋人に言わせるとこんな感じに聞こえるみたいです。

私の友人二人は(別の日に別の場所で)、私の日本語の音を

「トコ、トコ、トコ、トコ」と真似しました。

つまり日本語は一つ一つが途切れる感じに聞こえるので、

それを「トコ、トコ」 とはっきりと区切るように発音したのでした。

 

でも、英語はですね、たとえば
「What are you doing?」なら、
Whatayadoin?」みたいに聞こえるんです。^^

我が家のネイティブキッドの発音ビデオを
ここに入れておきますね。

 

 

今、自分でも発音してみましたが、
はい、私もこう発音しています。
そう、英語って、つながっているのです
単語と単語が重なり合って
つながっていく感じなのです

 

ほとんどの日本の人は「What are you doing?」
というフレーズを知っていると思います。
「何しているの?」ですね。
で、これを文字で見ていると、
この文字通りに発音してくれることを期待します。

でも実際は、こう「Whatayadoin?
下手すると、「t」の音も、「d」に聞こえます。
そうなると「Whadayadoin?」くらいにしか聞こえません。

試しに今、
What are you doing?」と
Whatayadoin?」を見ながら、
自分の声を録音してみてください。
あなたの声、どちらが英語っぽく聞こえるでしょうか?

 

こう言う風に本当の英語は 「Whatayadoin?」 と発音されているのに、
「What」「are」「you」「doing」と
バラバラな音をを期待していても
英語の音は耳に入って来ないのですね。

 

英語を聞き取れない理由 – その5
「英語は、時に音が消えるから」

たとえとして、英語を一つ。

「あれ、買っとけばよかったのに。」と友達に言うとき、
「You should have bought that.」と英語では言います。
でもここアメリカでは、普通はこんな風に発音しません。

You should’ve bought that.」です。
で、これが更に短くなって
You should’ve boughthat.」みたいになります。
「bought」の最後の「t」が消えてしまう感じです。

 

これはちょうどいい例がありますので、
この下の音声2つを聞いてみてください。

我が家のネイティブキッドの発音で、
私のメール講座「使える英語学び塾 Vol.24」の音声です。

 

二つを聞き比べてみてください。
英語ネイティブが普通に発音する音と、

日本人が期待する音の違いです。

 

普通に発音してもらうと、こう。
about [ əbáut ]  

多分、日本の人が期待している音はこっち。
about [ əbáut ] 

 

二つ目の日本人が期待する音は、
我が家のネイティブキッドにお願いして
無理やり発音してもらいました。

彼曰く、「だって普通はそんな発音しないよ。
何でそんなの必要なの?」と。
で、「日本の皆さんを助けて下さい。」と言った私でした。^^

 

文の中で発音すると、こういう風に、

英語では消えるパターンがいくつかあるのですね。
こういうパターンは、まとめて知っておいた方が
手っ取り早いです。

難解な英語のドラマを聞いて、長年かけて
自分でその法則を見つけたい人であるなら、
それはそれで結構ですが、お勧めしません!
ある程度のパターンを知って、
それから英語に自分自身を慣らす方が
手っ取り早いですからね。

 

英語を聞き取れない理由 – その6
「英語は弱い部分が、めっちゃ弱くて速いから」

これは、私が映画のなりきり音読をしていたときに
よーくわかりました。
特に息の速い子音と、さっき上でも取り上げた
about [əbáut] などはそのいい例です。
アクセントのない[ ə ] の音は、速いっす。^^;

 

だから英語ネイティブの人が、
すべての発音を平等に発音すると思っていたら、
大間違いなのですね。^^

英語には速くて弱いところと
ゆっくりで強いところがある。
なので、このリズムに慣れる必要があります。

 

double doorway with blue sky and flare

さて、これらが、
「日本人が英語を聞き取れない理由6つ」です。
細かいことを言えば、
イントネーションとかもっとあるでしょうが、
自分の経験からすると、
こういうところをさっさと克服するのが、早道です。

 

次回の記事は、私が実際に、
「閉じられていたドアをどうやって開けたのか」
「English Deaf」
= 英語の音が聞き取れない状態を
どうやって克服したのか

について書いてみました。

 

かつての私みたいに苦労している人は、必見の記事です。こちらです。
英語の音を聞き取る究極の方法

 

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