絶対話せる!英会話

3ヶ月待たされた本。

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読むまでに3ヶ月待たされた本。
9月半ばに図書館で予約をして、手にできたのはつい先日。
「ムスリムの女たちのインド」という本である。

書かれたのは芝原三貴子さん。写真を撮っていらっしゃる方である。
他の作家のように文章に凝った表現やこなれた感じはないのだが、
かえってそれがとても新鮮だった。
まっすぐな文章がすくすくと並んでいるといった感じである。
通勤の帰り道、疲れていてもニコニコしながら読める本だった。

作者の方は写真を撮りながら、インドの田舎の村で
知人の親戚の家に長い間お邪魔して過ごしていらっしゃる。
そのときの体験で書かれたのがこの本だ。
田舎の人の生活は素朴で、
昔ながらのよいしきたりや不自由さ、助け合いの中で生きている。
いいなぁと思うところもあれば、それはちょっと、
と遠慮したいところもある。

私達はそこの外の世界で生きているので何とでも言えるし、
好き勝手な人生が選べるが、
そうでない社会で生きていかなければならない人たちもいる。
ただ外の世界を知らないということが幸せか、
不幸せかは一概に誰も決めることができないだろうと思う。

以下、本の感想を述べてみる。

(1) へぇぇ、と思ったのが、
「ありがとう」や「ごめんなさい」は神様に対して
使う言葉とされているということ。
だから村人たちは何かをしてもらっても
「ありがとう」とは言わないらしい。
皆助け合って暮らしていっているので、
「あげる人・してあげる人」が「もらう人・してもらう人」
となる生活なので、いちいちお礼は言わないらしい。(P.198)

この助け合いはすばらしいが、
私だったらやっぱりありがとうと言いたいし、
言ってもらいたくなってしまう。
その方がお互いに気分がいい気がする。
しかし、この社会では「ありがとう」がもっと深い意味を持つということ。

(2) 私だったら耐えられないと思ったのは、
女性は男性に頼って生きていくしかないということ。
どんな状況であっても、女性は自由に外には出られないし
(実家に帰ったり、結婚式に出たりはするらしい)、
病院に行くのにも男性の許可が必要な場合もあるらしい。

私は結婚したいとか、誰かに頼って生きていくという発想が
元々自分の中に存在していない人なので、
そういう状況では生きていけないだろう。
どうしても選択肢がない状態なら、
そうするしかないのかもしれないが。
ただ登場人物の女性達の「死んでしまいたい」
という発言が気になった。
それしかないと分かりつつも、
時としてやるせない気持ちになるのではないだろうか。

(3) また、少し見習ったほうがいいのではないか、
と思ったのは、持つという概念があまりないこと。
ヒンディー語には「持つ」という動詞がないらしい。以下引用すると、
「私はペンを持っています」をヒンディー語で表現するには、
「私のところにペンがあります」という言い方しかなく、
「持っている」に当たる言葉がないのだ。
自分の手元にある間は自分の物だけれど、
あなたのところへ行ったらあなたの物になる。
所有なんて、その程度のことにすぎず、物はそれを必要とし、
大切にしてくれる人の下やふさわしい場所に
移動してゆけばよいという哲学がある気がするのだ。”(P.217)

自分が大事にしているものでも人にあげたり、またもらったり。
そういうのも悪くないな、と思う。
私達は物にこだわりすぎる。私の友人のアメリカ人、
彼女が最初に口から発した言葉は「Mine.」だったそうな。
見栄を張ったり、自分の物を守りたい気持ちは
誰もが持っているとは思うのだが、
インドの田舎で暮らしている彼女達と比べると、
私達は何だかとても俗っぽい。

昨日たまたま聞いていた仏教の講座(NHKのラジオ)。
諸行無常について聞いた。その中で講師の方は、
「不変の物など何もないのに、
人はそれにこだわりすぎるから欲が生まれる。」とおっしゃっていた。
2日間続けて似たようなことを聞いたり、見たりしたのは偶然だろうか。

(4) ラマダーン(断食)月の始まりが自然で素敵なこと。
月が見えた日をその月の第一日目とするそうだ。
月が見えた翌日から断食を始める。
月を見て、お互いに平安を祈りあい、抱擁し合う。
「食の大切さを知る、食べられない人の気持ちに身を置く、
神が与えてくれる食物のありがたさを考える」(P.223)

翻って、私は食べ物に感謝して食べることなど滅多にない。
「いただきます」とは言うが、それは単なる習慣である。
以前アメリカでお世話になった家で、
食事の前に皆で手をつないでお祈りをした。
その日にあったことを報告し、その出来事と食事を神に感謝する。
どの宗教でも根底の部分は同じだと思う。
私はIslamについて何も知らないが、
この断食がどれだけ聖なるものなのか、皆が大事にしているのか、
今回この本を読んで少し分かったような気がする。

読み終えた後、幸せな気分になれる本だった。
最後の二文は私も似たような経験があり、
これはその思いを味わった人でないと分からない。
何があったか気になる人は読んでみてください。

明日図書館に返しに行かないと。
まだまだ予約を待っている人がいっぱいいるそうだ。

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