友人との再開話、第三段。
トルコ人くんに会ったのは久しぶり。何でももうすぐレジデントになれるとのこと。いやー、よかった、よかった。彼はトルコ人だが、国籍はドイツである。しかし両国ともアメリカとの関係は悪くないので、面接においても特に問題はないと彼は言っていた。
彼は近所の大学へトランスファーしていたのだが、お金が続かなくなり途中で中断したままなのだった。私もグリーンカードの抽選に当たらなければ、彼と同じ状態になっていたと思う。彼も私と同様、数少ない年齢の行ったコミカレ自費留学生だった。(大学院ならそういう人もたくさんいるだろうが。)しかし私と違って、とても頭のいい彼は何も新しいことは特に授業からは学んでいないと言っている。4年制大学へトランスファー後も(彼はちなみにビジネスメジャー)、授業は超簡単だと言っていた。彼はドイツにいたときに既に自分でビジネスを立ち上げて経営していた経験もあり、またとても物事を冷静に分析する。そのためか授業で教わることは、既に知っていることばかりだ、と言っていた。それでも大学へ通うのは、学歴がないとアメリカ社会では認めてもらえないからである。
それにしても彼は相変わらずたくましかった。実は既にWork Permitだけで2つのオフィスを持っていた。Franchiseではないらしいのだが、レンタカーのオフィスを2つ今は経営しているらしい。普通の人なら職探しをするだろう。その間にもさっさと会社を持ってしまう。彼は間違いなくビジネスで成功するだろうと私は信じている。
彼は自信家なので人によっては少し苦手な人がいるかもしれないが、実は驚くほど面倒見がいい。クラブのプレジデントだったときには、いつも新しい人や一人でいる人に声をかけて気を使っていた。しかも好き嫌いを人には見せない。感情的にもならない。分からない人には丁寧に教えてあげる。リーダーになるための素質は充分な人だ。コミカレの1年目、私は彼には本当にお世話になった。勉強も教わったし、プレゼンも一緒にしたし。彼もそれほど若い学生ではないので、そして二人ともお酒好きなので、時々一緒にお酒も飲んだ。コミカレ時代においては数少ない大人の友人だった。そんな彼が学生を続けられなくなったと聞いたとき、私はとても残念だったので、彼がもうすぐ学校に戻れることになったと聞いて、私もとても嬉しい。
いやー、それにしても本当にたくましい。Work Permitでオフィスを経営してしまう留学生が一体どれだけいるだろうか。(ビジネススクールならいるかもしれないが。)彼の行動力を見て、私ものほほんと学生をしていてはいけない、と教えられた。昔の苦労がこの彼の強さを作ったのだろうな、と勝手に想像する。トルコ人のドイツへの移民は、メキシコ人のアメリカへの移民と状況は変わらない。私の知り合いの中でも、やはり移民だった人やその二世たちはとてもたくましいし、働き者だ。
火曜日の晩は3人で大統領選挙などについても話していたのだが、「はは、誰も選挙権持っていないや。」と笑った。久しぶりにこんなに人とずっと話をし続けた。よく喋って笑った。メキシコ人の彼女といい、トルコ人くんといい、二人ともわが道をしっかりと進んでいて、実に頼もしい。
また近々一緒にお酒が飲めるといいな。