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メキシコ旅行記 (その1)

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今日からメキシコ旅行について書いてみようと思う。

メキシコへ向かった日は、それはそれは忙しかった。なぜなら出発の前日12月20日(日)にLAから引っ越したからだ。出発当日は朝から引越し荷物整理、パッキング、ドライブ、そして真夜中のフライトへと続き、火曜日の早朝にヘロヘロになりながらメキシコシティに到着した。今回の移動は、車でティファナまで行き、そこから飛行機に乗りメキシコシティの隣町(Toluca)に到着。そしてシャトルバスに乗り、メキシコシティへ着くというものだった。月曜日の夜は一睡もできなかったので、到着後はしばしのお昼寝。知り合いの使用していないコンドミニアムでの2週間の生活が始まった。

<12月23日(水)>
昼寝から起きたときには既に夕方だったので、本格的な観光は水曜日からとなった。まずCastillo de Chapultepec (チャプルテペック城) と Museo Nacional de Antropologia (国立人類学博物館) へ。どちらも大きなチャプルテペック公園の中にあった。公園内には17もの博物館があるらしい。

バスと地下鉄に乗り、公園へ向かい、公園内を更にとことこ歩き、チャプルテペック城に向かった。カスティーヨは丘の上に立っている。歩いても15分くらいの距離らしいが、私たちは乗り物に乗った。

Castilloは大統領の館だったり、皇帝の住処だったり、軍事施設だったり、いろいろな目的で使われたようだ。そして軍事学校だったとき、アメリカとメキシコの間で戦争が起こった。その戦いの最後、Castilloには6人の少年兵だけが残された。彼らはメキシコの国旗を守るため必死で戦ったが、結局は力尽き、最後の一人となった少年兵は国旗を持って崖から飛び降りた。そのためにアメリカ軍は奪おうとしたメキシカンフラッグを奪うことができなかったそうだ。この少年兵の絵が建物の天井に描かれている。

(*戦争について:この戦争(1845-48)が終了したとき、アメリカは今のアメリカの主な州となっている地域(カリフォルニア、ネバダ、ユタ、コロラド、アリゾナ、テキサス)をメキシコから取ったため、メキシコはこの戦争で領土の半分をアメリカに奪われてしまうことになった。戦争のきっかけは、当時メキシコ領だったテキサスがメキシコから独立したがっていたこと。テキサスは、メキシコよりもアメリカに文化的にも経済的にも近かったため、メキシコから独立したがっていた。それにアメリカが便乗して、メキシコとアメリカの大々的な戦争になった。)

このCastilloの中は今は博物館となっていて、スペインの統一(Fernando II de AragonとIsabel I de Castilloの結婚による統一)から後のメキシコの歴史に関わるものが展示されている。スペインは、この結婚による統一によって強力な国家となり、海外へと進出していく。そして1519年、コルテスがメキシコへ到着したことにより、メキシコの運命は変わっていく。

この博物館の展示物(歴史の関するものばかり)の説明はスペイン語だけで書かれているので、メキシコの歴史を全く知らないと展示内容を理解するのは、少し難しい。私はこの日、「“Colonial Latin American History”の授業を取っておいてよかった」とつくづく思った。ちょうどスペインが統一した頃からの歴史を学ぶ授業だったので、大抵の歴史上の人物や神の名前などには馴染みがあった。そしてメキシコの人と一緒だったので、足りない部分は説明してもらった。

このチャプルテペック城は、歴史が好きな人なら十分に楽しめる建物だと思うが、そうでない人にとっては単なるお屋敷としてしか見るものがないかもしれない。庭園からは見晴らしがよく、メキシコシティもよく見渡せるのだが、町は単にビルが立ち並ぶだけなので、それほど素敵な風景とも言えない。しかも公害がひどいので、青空の色も何となくグレイがかっている。(メキシコシティと言えば、中国やインドが発展するまでは、世界一公害のひどい町だった。)

そうそうチャプルテペックと言うのは、Nahuatlの言葉(メキシコで元々使われていた言語)で “at the grasshopper’s hill”という意味だそうだ。そのため、庭園の噴水にはgrasshopperがいる。

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