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逆カルチャーショック?

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無事に引越し終了。

今日は荷物をほとんど部屋から運び出した。トラックを借り、預かってくれる家に荷物を全て運び、私の部屋は今はがらんとしている。ベッドも机もなく、部屋の半分ほどの大きさのカーペットの上にぺたんと座り、今これを打ち込んでいる。あとは日本に持って帰る荷物を詰め、残りの荷物を車のトランクに押し込めば、全て完了だ。ここには2ヶ月ちょっとしかいなかったが、それでも何だかとても去り難い気分だ。ここは隣の部屋のルームメイトとはもめたが、もう一人のルームメイトYoung Miとはとても仲良くやってきた。そしてここはとても静かに勉強できる環境だったし、何人かの友人も同じアパートに住んでいたので、とてもこの部屋には愛着がある。今は土曜日の夜、あと丸2日ほどで私の今回のアメリカ生活は終わりを告げる。

アメリカに来た当初は知り合いもほとんどいなく、英語の授業に圧倒されへこみがちだった私だが、今は別人のようにパワー全開で、すっかりここの生活に慣れてしまった。アメリカにはいい印象を持っていなかった私だが、2年前初めてアメリカに来たときに「あぁ、自由だな。」と感じた。ここではいつもそういう気分になれる。だーれも私のことを気にしないし、年齢は全く気にしなくてすむし、いつからでも一から始められそうな気分になれる。日本のシステマティックなところも好きなのだが、アメリカのこのアバウトで構わない雰囲気、自由な気分になれるところも今ではすっかり気に入ってしまった。あ、しかしサービスに関しては日本の方が遥かに良い。比較にならないほど、アメリカのサービスは悪いので。

アメリカは個人の生活を大切にしすぎているがゆえに、私達はいいサービスが受けられない。これって、一種のトレードオフではないかと思う。システマティックでクオリティの高いサービスを受けようと思ったら、自分も同様にそれなりのサービス(仕事内容)をオファーしなくてはならない。多少自分の予定を変更してでも働かなければならなかったり、仕事があればオフィスを去ることもできなかったりするだろう。完璧に時間に間に合わせよう、顧客の要望に応えようと思うのなら、何かの犠牲が必要になる。その結果かなり均一的で質の高いサービスがどこに行っても保証されている。

しかしここでは逆で、余裕を持って皆楽しく働いている。会社というよりも、仕事は彼らの生活の一部にしかすぎないのだろう。本当は日本でもそうあるべきだとは思うが、日本人は自分が多少我慢しても会社に貢献しているような気がする。何のかんの言いつつも。しかしこっちでは仕事中だろうが、お喋りしっぱなしだし、目の前に列があったって、ちっとも焦ってくれない。仕事をしていても楽しまなきゃという態度なのだ。

日本だったら列ができていたら、他の人が手伝ったりするだろうが、ここでは自分の担当でないことには一切関わらない人ばかりだ。多分それがアメリカでは普通のサービスなのだろう。全く均一でないし、サポートセンターに電話をしたって、皆言うことが違う。本当にサービスは個人の質による。仕事に自分自身をそれほど捧げない代わりに、日本人と比べれば楽な人生を送っている。その代わりいいサービスには滅多に遭遇しない。

昨晩ルームメイトYoung Miがカナダから帰国したのだが、United 航空の仕事ぶりに憤慨していた。何でもメンテナンスでフライトが遅れ、乗り継ぎの飛行機に乗り損なってしまった。別の飛行機への振り替えの手続きを二人の女の人が行っていたそうなのだが、一人は「帰る時間だから。」と言って帰ってしまったそうだ。目の前に長い行列があるにも関わらず。「帰る時間と言って事務員が帰ってしまうなんて、絶対に韓国なら許されない。」と言っていた。その前にまず、メンテナンスと言って飛行機が遅れたりしたら、乗客全員が怒ると言っていた。でもアメリカ人は怒らない。気長だ。いいサービスは得られないけれど、個人生活はこっちの方がラクそうである。

自分を犠牲にしてまで働きますか?あるいは質の悪いサービスで我慢しますか?と言ったトレードオフがここでは成り立つ。もちろんアメリカ全土に渡るとは思わないが、南カリフォルニアのとある町でのはそうだ。

それにしても最近アメリカのこののんびりした感じに慣れてしまったので、日本に戻ったら逆カルチャーショックになりそうだ。

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