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デモとオリンピック。

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先日学校にSan Franciscoからやってきたと思われる自転車軍団がいた。チベット僧の格好をした人がいたので、中国政府への抗議だと思われる。片や同じ日、同じ時刻、中国人学生がオリンピック反対運動に対する反対運動を行っていた。

先日ダライラマが、「デモが暴力に発展すれば辞任する。中国からの分離独立を求めているわけではない。オリンピック開催は支持する。」とシアトルで発表したそうだ。そして一昨日、昨日と今度は中国国内でフランス系のスーパーへの不買運動とデモが起こったらしい。

デモというのは人目を集め、何らかの出来事に人の関心を集める、ということでは、とても効果的なのかもしれない。ただ行動を起こした人達がその後どの程度お互いに歩み合えるのかは、よく分からない。人権の侵害と訴えた西洋社会の反応に対して、中国側のデモは「フランス系スーパーが中国政府へ内政干渉を行っている。」「チベット独立反対」「CNNの反中報道に抗議する。」と訴えている。チベットの人の人権に関する話とは内容がすり変わってしまっている。中国政府への抗議に対して、中国人がただ感情的に反対しているだけのように見える。

しかしダライラマ自身がオリンピックへの支持を示しているのに、世界のあちこちでオリンピック不参加への呼びかけが行われるのも何だか妙だと思う。人権侵害が行われているのは確かなようだが、抗議をする方法としてオリンピック不参加を訴えるというのが、私はどうもすっきりしない。不正を正すことを求める運動と、スポーツの祭典と言われているオリンピックへの不参加が、どうも結びつかないのだ。

もちろんオリンピックが単にスポーツの戦いの場ではなく、実際は国力を誇示したりなどの政治的な意図が沢山含まれていることは分かる。だからこそ直接政府へ訴える手段として、オリンピックへ不参加(開会式であれ何であれ)が呼びかけられたりするのだろうし、そしてもし参加しない国が出てくれば、中国政府も威信をかけたオリンピックが成功せずに終わるのかもしれない。しかしそれによって中国政府がどう変わるのかは、私たちには分からない。むしろかえって中国側(政府も人も含めて)の西洋社会へ対する反発が今後大きくなってしまうだけかもしれない。

それでは他にどうやって人権侵害を世の中の人に知らせて反対運動を起こせばいいの?と聞かれれば、実はこれも私は今のところよく分からない。何にせよ、ある程度の人数で行動を起こせば、注目を浴びるのは確かだし、そのことに興味がなかった人の関心も集めることができる。しかしオリンピックボイコット、そしてそれに対する反対運動がエスカレートしすぎてしまうと、お互いへの感情の溝が深まるばかりで何も効果的な解決方法は見出せないのではないか、と思っている。

そして私は人権反対運動は支持するが、それがオリンピックと結びつくことにどうも納得がいかないのだった。オリンピック不参加で思い出すのは、子供のときに見た山下泰裕選手の記者会見。モスクワオリンピックボイコットの記者会見で、山下選手は本当にやりきれない表情でいっぱいだった。こらえきれずにくっと流した姿が、子供だった私の目に焼きついてしまったのだった。一体誰が参加したい人を参加させないなんて決めたのだろう、そのときは何も分からなかった。その後少し大きくなって、冷戦の存在を知り、アフガニスタン侵攻を知り、あぁそういうことだったのか、と分かった。しかしそれでもまだ、どうしてそれがスポーツと結びつくのかということは納得できなかった。今ではオリンピックが純粋にスポーツのイベントではないということは理解しているつもりなのだが、それでもオリンピックにたどり着くまでの個人の努力を考えると、あの山下選手の悔し涙が頭に浮かび、ボイコットを訴える活動には参加したくはないのだった。

何か他の方法で効果的な活動はないのだろうか、と時々考えるのだが、思いつかない。大英博物館の兵馬俑に抗議するスローガンをぶら下げた人もいたそうだが、そういう文化財を危険にさらしかねない行動にも反対だ。

私は中国政府のチベットへの今後の動きにも目を向けていくが、今回はとにかく参加国の選手が無事に大会に参加できることと、そして何も事件が起きないことを願っている。

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