今週二つ目のペーパー提出!いやぁ、のんびりやっていたので、締め切りの3時間前提出になってしまった。どうも凝り性な私の性格が、いつも私の能率を下げている。ま、分かっていてやっているのだから、懲りないというところだろうか。
先程提出したペーパーはGeography。テーマは自由。人為的な環境問題なら何を取り上げてもいいものだった。もちろん授業で教わったことに関連していないとならないのだが。何にしようかなーと、少し迷ったのだが、興味深いテーマを見つけた。それは沖縄の赤土流出問題。調べていくうちにいろいろと学べて楽しかった。そんなに土の流出が大きな問題になるなんて、この授業を取る前はちっとも知らなかったのだが、知識を少し持って取り組むと学術論文を読んでいても話が分かる。(主にGoogle.Scholarや専門誌を使用していたので。)それにしてもネットで写真を見てみると、本当に土による汚染のひどさが分かる。水が泥水みたいだ。「えっ、これがあのきれいな青い海であるはずの沖縄の海?」って感じ。
どうも沖縄の赤土流出は、パイナップル畑作りに伴って1950年代から少しずつ悪くなってきたらしい。そして1972年の本土復帰に伴う開発事業。さらに実弾を使った軍事演習なども影響しているとのこと。
土が流れると何が悪いの?と思われるだろうが、これは結構深刻な問題を引き起こす。地下水や飲み水の水源にも入り込む。川へ流れ込むと川底に溜まり、水流と水のキャパシティに影響を及ぼす。海にまで流れていってしまうと、海産物にも影響を与えるし、珊瑚に共生している藻は、水が濁ると光合成ができなくなってしまう。(もちろん土がそのままサンゴに堆積しても同じこと。)光合成が出来なくなってしまうと、珊瑚はかなりの栄養素がその藻からもらえなくなってしまう。そして白化してしまう。(これは水温上昇による影響の方が深刻らしいが。)さんご礁というのは、いろいろな生物を保護してもいるし、トロピカル生態圏の中心と言ってもいいらしい。なので、これがなくなってしまうと、影響を受ける生き物がたくさんいる。これが人為的な土の流出で起こっているとしたら、やはり土が流れないように工夫するしかない。
今沖縄では規制があるし、定期的に水の土汚染を調べて、いろいろと政策が実行されている。その結果、公共事業や民間団体の工事による土の流出はかなり減ってきたのだが、問題はなかなか農地からの流出が止まらないこと。土の流出というのはそもそも元々あったランドカバー(草や木など)を取り払ってしまうことにより起こる。しかし農地というのは、そのランドカバーを取り除いてしまった後、いつも必ず農作物が土の上にあるわけではない。そうなるとインターセプトしてくれるものがないため、雨がそのままrunoffとなり、流れていってしまうわけだ。
これを防ぐためには、土木的に土地を改良するとか、あるいはMulchingという方法を用いることになる。Mulchingというのは、草や木や根やその他のもので土を覆うこと。そうすると、激しい雨からのインパクトを吸収し土の粒子が地表からはがれてしまうことを防ぎ、結果として土の流出を防ぐことができる。そして水の浸透と吸収を促す。しかし覆いがあることで虫などが増えてしまうため、殺虫剤が必要になってしまったり、殺虫剤を使えば、いい栄養を持っているはずの生物も殺してしまうことになる。またその殺虫剤から土への汚染も広がってしまう。そしてそういう土が今度は海へ流れてしまったりすると、海の中で毒性を持った科学物質が堆積してしまうことにもなる。それを植物プランクトンが吸収し、それを動物プランクトンが、そして小さな魚が、それを今度は大きな魚が、そしてそれを人間が食べる。毒性の物質は決して自然界からはそのままではなくならない。
しかも食物連鎖を経ていくに従って、どんどんと毒性が濃縮されていってしまうのだ。人間が魚を食べる頃にはどれくらいの毒性が魚の中に潜むことになるのかは、食べて病気にでもならない限り分からないだろう。少し話が土汚染から離れてしまったが、全て自然界のことはつながっている。そして片方にいいと思われることでも、そのもう片方に対してはいいことでない場合も多いのだ。なので全ての環境問題に対して完璧な方法というものはないらしい。そして人間が生きて活動をする限り、人為的な環境汚染は必ずついてくる問題となるのだ。
ま、あまり考えすぎると悲観的になってしまうだけだが、私は人が何も考えないで周りのものを使い続けるのと、影響を考えながら行動するのでは大分結果は違ってくるはずだと思っている。
元々環境問題には興味があったのだが、特に勉強したことはなかったので、今こうして取っているこのGeographyの授業はとても新鮮。「ほー、そうやって人為的な影響が起こるのか、知らなかったなー。へぇ。」の連続である。
しかもこうやってペーパーを書かされると、こうして取り組んだ問題には今後一生目が行くことになるのだろうな、と思う。学校の授業のいいとこころは、こうやって自主的でなくても無理やり一つのことに取り組まされることにより(主にペーパー書きなどで)、興味を持つ分野が広がっていくことだと思う。私も今回の沖縄の赤土問題でペーパーを書いたことにより、きっと一生このニュースには「おっ。」と反応するに違いない。あぁ、そう考えると勉強って楽しい!
さて、次は3つ目、国際開発のペーパーに取り組む。こちらもテーマは自由。開発に関することなら、何でもいいとのこと。ただし一つの国限定で。少し考えた結果、私はインドのKeralaについて書くことにした。他のインド地域との比較して、政策の違いがどれくらいの影響を及ぼしてきたかについて書こうと思っている。3年前経済の授業で(私のコミカレ最初の学期。懐かしい。)読まされたエコノミストか何かの記事が頭のどこかに残っていたのだ。そして興味があっていつかもっとそのことを知りたいと思っていたので、いい機会だと思ったのだ。
ちなみに友人はアフリカにおける例外、最貧国をいち早く抜け出したボツワナについて書くらしい。決してNatural Resourcesだけでは、アフリカでは貧困から抜け出せない。ダイヤモンドを持っていても、政情が落ち着いた国もあれば内戦ばかりの国もある。その違いは本当に何なのだろう?と思う。いろいろと経済学者がいろいろなセオリーを出すが、絶対と言えるものはないわけだし。
あ、話が反れてしまったが、私のテーマKerala、ここはかなり有名なインド国内での成功例のため、多くのエコノミストが本を出したり、雑誌にコメントを載せている。なので資料は簡単に手に入った。昨日、今日で図書館から本を7冊借りてきた。しかし問題はまだ全然取り組んでいないことだ。提出は再来週の火曜日なのだが、来週の金曜日(げっ、もう1週間ない…。)に一つファイナル、そして再来週の月曜日にはもう一つファイナルがある。あー、そこまではかなりまた必死に勉強しないとならなさそうだ。いつものことなのだが、ツケは最後にやってくるな。
さー、明日からは図書館で借りてきた7冊のインドの本、週末で一通り目を通すことにする。もちろんじっくりと読むわけではないが。目を通して、テーマとなりそうなところだけ拾っていくしかない。そうしないと間に合わん。月曜日までにアウトラインが仕上がるといいのだが。何も手付けずの状態からどこまで持っていけることやら。
それにしてもペーパーを一つ終えたので、今はとてもいい気分。あぁ幸せ。