昨日はこちら、アメリカではスーパーボウルでした。
今日は、そのハーフタイムショーから、
アメリカの文化について考えてみようと思います。
言うまでもないですが、アメリカでは
スーパーボウルは、一大イベントです。
私のご近所の家も友人たちを招いてTV観戦の様でした。
そういうスーパーボウルで注目されるのは、
CMとハーフタイムショーです。
今回のハーフタイムショーは、Lady Gaga。
さすがでした。歌だけではなくて、その構成が。
日本では、その歌とショーのパフォーマンスだけが
すごかった!というニュースしか、
今のところ流れていないようですが、
こちらではそれ以外の反応もあります。
もちろん純粋にパフォーマンスのすごさだけの記事もありますが、
そうでないものもたくさんあります。
というか、あのパフォーマンスを見ていた人は、
きっと誰もが、記事に書かれていたことを
感じたであろうと思います。
でもきっとそれは英語がわからないと
わからなかったかもしれません。
私は、Lady Gagaが、
「This land is your land. This land is my land.
This land was made for you and Me.」
と歌っている部分で、ハッとしました。
大変強いメッセージでした。
これを少し解説していきたいと思います。
まずこの記事を引っ張ってきてみます。
「Did you catch these hidden messages
in Lady Gaga’s halftime performance?」
Lady Gagaのハーフタイムパフォーマンスでの
隠れたメッセージに気付いた?
その隠れたメッセージを
いろいろなサイトから拾ってきてみます。
「Lady Gaga opened her Super Bowl performance with a protest anthem」
というタイトルは、こちらより。
記事のタイトルなので、最後にピリオドは付いていません。
Lady Gagaは、スーパーボウルのパフォーマンスを
「a protest anthem」で始めた。
この「a protest anthem」が何を指すかと言うと、
次の本文が説明してくれています。
In a Super Bowl performance
that spanned her entire discography,
Lady Gaga opened her act with a rendition of
Woody Guthrie’s “This Land Is Your Land,”
which has become a popular anthem
at rallies protesting President Trump across the country.
Lady Gagaは彼女のディスコグラフィーを
繰り広げたスーパーボウルのパフォーマンスで、
Woody Gutheriの「This Land Is Your Land」を
組み込んで始めた。その曲は、
国中でトランプ大統領への講義をするラリーで
人気のある賛歌となっている曲である。
というわけで、彼女が歌った
「This land is your land. This land is my land.
This land was made for you and Me.」
は、そういう風に、抗議の象徴とも言える歌だったわけです。
Lady Gagaは、最初は
「God Bless America」で始めたんですね。
これは言うまでもなく、
アメリカ人の「愛国心」の塊の歌です。
God bless America, land that I love
Stand beside her and guide her
Through the night with the light from above
「祝福されるのはアメリカだけ?」と
いう突っ込みはなしにして、
とにかくそういうアメリカ人にとって
心の拠り所みたいにもなっている歌を
そこまで歌ったところで、その先を歌わずに
「This Land Is Your Land」へと
歌を変えてしまったのです。
その歌詞も、元々の歌詞に忠実ではなく、
この部分だけを歌いました。
This land is your land This land is my land
This land was made for you and Me.
で、その次に言ったのが、これです。
“One Nation under God, indivisible,
with liberty and justice for all,”
しかも、「for all」の部分のトーンを少し変えて
強調して言いました。
これは、あの「忠誠の誓い」からの一部抜粋です。
アメリカの公立学校などで行われている
国旗に向かって手を胸にあてて忠誠を誓う
「忠誠の誓い」からの一部を抜き出してきました。
この部分です。
“I pledge allegiance to the flag
of the United States of America, and
to the republic for which it stands,
one nation under God, indivisible,
with liberty and justice for all.”
「私は、アメリカ合衆国の国旗と
その国旗が象徴する、
神のもとでの一つであり、
不可分であり(分割することのできない)、
全ての人に自由と正義を保証する共和国に、
忠誠を誓います。」
この中から最後の部分、
「すべての人に自由と正義を与える
分割されない、神のもとでの一つの国家」
だけを言いました。
三曲合体させて(最後は歌ではないですが)
一分にもなっていません。
最初の55秒くらいだけで、これでもか!というほど
いろいろなメッセージが込められていた
オープニングだったわけです。
それで最初の記事のこのタイトル、
「Did you catch these hidden messages
in Lady Gaga’s halftime performance?」
「Lady Gagaのハーフタイムパフォーマンスでの
隠れたメッセージに気付いた?」
となっているわけです。
全然隠れていないと思いますけれどね。^^;
「愛国心」を心を込めて歌い、
「ここはあなたの土地であり、私の土地。
ここはあなたと私のために創られた」と歌い、
「すべての人に自由と正義を与える
分割されない、神のもとでの一つの国家」
で「すべての人に自由と正義」を保証する国、
と訴えたわけです。
ここまで、たった55秒。すごいですね。
もうそこまで見ただけで、唸りました、私。
私は別にアメリカに忠誠なんて
誓ってはいませんが、これ、アメリカ人に向けては
ものすごい強いメッセージだったと思います。
しかもそれを一分以内にまとめてしまい、
ああやって見事に歌い切って伝えてしまうところが
さすが Lady Gagaだなーと思ったわけです。
このページの動画が、短くパフォーマンスの最初の部分を
まとめていますので、ぜひ見てください。
その後は、もちろん彼女の歌のヒット曲ばかりで、
朝のニュースでは「期待していた
政治的なメッセージは言わなかった」という
ニュース番組もありましたが、
「いやいや、直接ではないけれど、
めっちゃ言っているでしょ」と思った朝でした。
歌ったのは、以下の曲です。
“God Bless America” & “This Land Is Your Land”
“Edge of Glory”
“Poker Face”
“Born This Way”
“Telephone”
“Just Dance”
“Million Reasons”
“Bad Romance”
で、面白いタイトルだわ、と思ったのが、
こちら。
「Lady Gaga keeps political poker face while singing of inclusion at Super Bowl」
スーパーボウルでは inclusion に触れながら
ポーカーフェイスを保った、
と言っています。
「inclusion」と言うのは、
文字通りですと、含めるということですが、
それにはもう少し深い意味もあって
どんな人をも含む、
つまり多様性を受け入れるという意味合いもあります。
ですからそういうことに触れながらも、
ポーカーフェイスでパフォーマンスを終えた、
と解釈することができると思います。
そして「ポーカーフェイス」は言うまでもなく、
彼女のヒット曲で、パフォーマンスの中でも
歌われました。
さらに「Born This Way」は、
記事の中でも書かれていますが、
全ての人種、LGBTの人たち全ての権利を
(lesbian, gay, bisexual, and transgender)
擁護している歌ですよね。
というわけで、はじめから曲の選択まで
何も直接的なメッセージを口にしていなくても
十分にメッセージ性のあったパフォーマンスだったわけです。
というわけで、いろいろな意味ですごかった
Lady Gagaのパフォーマンス、
こちら YouTube で見ることができます。
(※なぜか埋め込みができない設定になっています。)
ショー自体も楽しめます。^^
大変、アメリカっぽいと思った
パフォーマンスでした。
私がどうやって29歳から英語を勉強し直し、
今に至ったのかの勉強法については、
こちらのPDFにまとめています。
ダウンロードはこちらから。