混乱は減少
カリフォルニアでは外出禁止令が25日目となり、少し落ち着いてきました。最初の2週間ほどはスーパーも混んでいたようですが、段々と人々も、この新しい生活の仕方に慣れて来たようです。
このウイルスは、ご存知の通り、まだ治療法が見つかっておらず、ワクチンも開発中ですから、今のところ感染を広げないためには、社会的距離(social distancing)を取るしかありません。
今アメリカでは全人口の95%の人たちに対して、何らかの外出禁止(制限)令(stay-at-home orders)が出されています。私が住んでいるカリフォルニアでは、アメリカで一番早く出され、3月19日の夜に外出禁止令が発表されました。私はその前の週から、自主的に外に出ないようにしていたので、そろそろ家の敷地を出ないで1か月近くとなりました。
ただ、カリフォルニアでの私たちの生活は、完全に外へ出てはいけないというものではありません。「stay-at-home orders」は、日本語では「外出禁止令」と言われるようで、単語の響きは強いですが、実際は家の周りの散歩などはしても大丈夫です。
前にもここで書きましたが、カリフォルニア州での 「外出禁止令」では、バーやカジノ、ジムや美容院などは閉じられています。そしてレストランはお持ち帰り(to go) のオーダーのみとなりました。ガソリンスタンド、薬局、スーパー、銀行、コンビニ、コインランドリーなどは開いています。
ですので、通常の生活で困ることはありません。スーパーから、個人経営の肉屋、サンドイッチ屋、タコス屋、コンビニ、ファストフードまで開いているので、食べ物関係で困ることは、まずありません。食べ物に関してだけは、どこの国の政府でも、必ず流通を確保してくれるはずです。
品薄でもすぐに補充される
買物は、国家非常事態宣言が出された3月13日前後は、人がお店に殺到し、パスタ類やお米類が品薄となっていました。私が最後に買い物したときには、パスタ類とお米と、なぜかお砂糖も棚にありませんでした。穀物と調味料と缶詰はあって困るものではないので、恐らく最初に買い溜めされたものと思います。あとはコーヒーなども、今でも少し品薄なときがあります。
お米は、アメリカでは多くの場合、こういうタイプのお米の方が使われているようですが(ヒスパニックの人も多いですし)、しかし日本や韓国の人が食べるお米(「sticky rice」とも言われますが)も、アマゾンで売られています。私が買ったのはこのお米です。入荷まで2週間と書かれていましたが、10日ほどで家に届きました。
なので、穀物やパスタは多くの人が慌てて購入しましたが、特に買い溜めは必要がなかったようです。アメリカでよく使われているお米の方は、日本のお米と比べると、長くてパラパラとしたお米です。私もいくつか買ったので、最近はパエリアを作ったりしています。
一つだけ買い忘れて「しまった!」と思ったのが、「ほんだし」でしたが、それもアマゾンで手に入れることができました。まさかアメリカのアマゾンで、「ほんだし」まで売っていたとは知りませんでした。この写真をよく見ると、英語に加えて、スペイン語の表記も入っています。
「bonito」というのは、「カツオ」のことで、「stock」というのは、肉や骨や野菜などの煮出し汁で、スープや他の料理に味を加えるのに使われるもののことですから、「bonito soup stock」というのは、まさに日本の「かつおだし」を直訳したような英語になっていると思います。
トイレットペーパーは、我が家のパピさん曰く、先週までは見かけなかったそうですが、今週は買ってきました。(トイレットペーパーは実は品薄になるのではなくて、いつもより多く買ってしまう消費者心理が、品薄状態を引き起こしていると以前新聞で読みました。)
しかし3日前には、WalmartのCEOが「Walmartでは、たった5日間で、全てのアメリカ人が自分のロールを持てるほど十分にトイレットペーパーを売った」と発言していましたので、まだまだ人はトイレットペーパーを買い続けているようです。
“In the last five days we’ve sold enough toilet paper for every American to have their own roll. Just in five days,” CEO Doug McMillon told NBC’s “Today” on Friday. (※)
上の文は、現在完了形が学べるいい例ですね。^^
買い物は、3月13日に国家非常事態宣言がされた頃は、非常に混みあっていましたが、外出禁止令が出て2週経った頃からは、人々の行動も落ち着いてきたようです。人と人が必要以上に近づくことのないように、時々お店側では入場制限などはしていますけれども。
実は昨日、我が家のパピさんが、買い出しに出かけて、財布を忘れるという間抜けなことをしました。お財布届けて、と言われたので、約1か月ぶりに車に乗って家の敷地の外へ出ました。駐車場を降りてスーパーへ入ろうとしたら、「あっちの入り口から入って。」と言われました。しかしそちらには数人でしたが、入るのを待っている列がありました。パピさんは既に商品集め自体は終えていたそうなので、「夫が財布を忘れて届けに来ただけだけなのだけれど。」と言って、中へ入れてもらいました。
スーパーへ来ただけなのに、何だか久しぶりに外の世界を見たな…と思いました。お店の方たちは、全員がマスクを着用。(もちろん私も。)手作りマスクの人もいれば、日本の人が一般的に使うマスクを使用している人たちもいました。
アメリカのスーパーでは、conveyor belt (コンベヤーベルト)の上に自分で品物を置きます。そしてキャッシャーの人たちがそれを動かして、ピッと商品コードを読み込ませていきます。昨日は、レジの人がそのベルトを丁寧に掃除していました。アメリカではキャッシャーの人はフレンドリーに話しかけてきますが、昨日はいつもよりももっと話しかけられたような気がします。
こういうときなので、スーパーで働かれている方に感謝する人は、非常に多いです。私もありがたいと思っています。実際のところはわからないですが、そういうお客側からの感謝の気持ちが、何となくお店の人たちへ伝わっていて、それで会話がいつもよりも増えているのかもしれないと思いました。
人々の欲しがるモノの変化
おととい少し「へぇ…。」と思う記事を読みました。ウォルマートCEOの発言を紹介している記事です。ウォルマートでは、週を追うごとに人々の買い求めるものが変わってきているそうです。
In recent weeks, Americans’ shopping patterns are serving as a reflection of how the coronavirus pandemic continues to evolve and affect daily lives.
“You can definitely see that as people have stayed home, their focus shifted,” Walmart CEO Doug McMillon said on the Today Show, Friday.
アメリカ人のショッピングパターンは、どのようにコロナウイルスのパンデミックが展開して、そして日々の生活に影響を与え続けてきたのかをみるのに役立っているようです。そして、人が家にとどまっているのにつれて、人々のフォーカスがシフトしてきたのがわかるそうです。
週ごとに売れてきたものを紹介していました。
・第1週目(Week 1)-(Hand sanitizers, soaps and disinfectants)
手の除菌ローション、石鹸、殺菌剤
・第2週目(Week 2)-(Toilet paper)
トイレットペーパー
・第3週目と第4週目(Week 3 and 4)-(Spiral hams and baking yeast)
ハムとイースト。どちらも前年の同週比で4~6倍増加だそうです。スパイラルハムと言うのは、カットしてあるものの中心部は骨につながっているハムのようです。こういう商品のようです。
またイーストはパンを作るのに必要です。つまり人々はパンを焼き始めたということです。実は私も買ってきてあります。最終的に食べるものがなくなったら、パンを焼こうと思っていたので、考えることは皆同じみたいです。^^
In the weeks ending March 21 and March 28, baking yeast sales grew more than any other consumer packaged goods product, up 647% and 457%, respectively, over the same weeks in 2019. Spiral hams were also popular, with sales spiking 622% and 413%, in that same time period, according to Nielsen.
3月21日と3月28日で終わる週には、ベーキング・イーストの売り上げは、消費者向け包装品製品のどれよりも伸びたそうです。2019年の同じ週とそれぞれ比較すると、647%と457%にもなったそうです。スパイラルハムも同様に人気で、こちらも売り上げが急上昇しており、同じ期間の比較でそれぞれ622%と413%となったようです。
そう言えば、パンを焼くときに必要な「yeast」と 「east」 の発音は違います。「year」と「ear」も、もし同じように発音してしまっている人がいたら、これを見て違いを納得してください。
意外なものが売れ出した
上の週の数え方から見ると、第5週目とは、4月4日で終わる週のことを指すことになります。そしてその週に売り上げが伸びたものは、意外なものでした。
・第5週目(Week 5)-(Hair clippers and hair dye on the rise)
(電動)バリカンと毛髪染剤
「on the rise」とは、上昇中、増加している、という意味です。
「hair clippers」はグーグル検索をしてみると、どういうものかがすぐにわかります。バリカンのことですね。美容院や床屋が閉まっているので、自分で髪を切ったり、染めたりする必要が出てきたようです。
Americans have become do-it-yourself barbers and stylists as hair salons across the nation have temporarily shuttered to maintain social distancing measures.
アメリカ人は、「do-it-yourself barbers and stylists」になった、というのは面白い言い方だと思いました。「hair salons across the nation」というのは、全国のヘアサロンのことで、「have temporarily shuttered」というのは、一時的にシャッターを閉めている➡「一時的に休業している」ということです。
確かにバリカンの必要性はあると思いました。私も本日夜に、我が家のパピさんの髪を切ってあげる予定です。我が家のネイティブキッドの髪も爆発しつつありますが、彼は外見をまったく気にしないので、しばらく放置しておくことにします。
(話は逸れますが、なぜバリカンと言うのか調べてみたら、それはフランスの会社名という情報が、ここで見つかりました。本当かどうか気になったので、また更に調べて見ましたら、フランス語のウィキペディアにたどり着きました。そこの下の方に「日本ではバリカンと言う単語が使われている」と書かれていました。)
買い物バッグ
私たち家族で、買物で変わったことは、2つあります。一つは、自分の家の「お買い物用バッグ」を使わなくなったことです。今まではレジ袋が有料だったこともあり、たくさんの買い物バッグを持っていて、それをスーパーへ持って行っていました。
スーパーでは、そのマイバッグに買った商品を入れてくれるのですが、よく考えたら、それをしてくれる人たちはあちこちに触れたりしているので、それは止めようということになり、最近はスーパーでその度に袋を購入するようにしました。
ウイルスは表面でも生きる
もう一つは、買ってきたものをすべて洗うことにしたことです。私は、新型コロナウイルスがモノの表面で生き残るという記事を読んでから、ずっと買ってきたものをしまう前に洗うことにしています。こちらやここで詳細は載っています。
The coronavirus can live for hours to days on surfaces like countertops and doorknobs. How long it survives depends on the material the surface is made from.
数時間から数日、カウンタートップやドアノブのような表面で、生きることができると書かれています。そしてウイルスがどれくらい生き残るのかは、その表面が作られている素材次第ということになるそうです。
万が一ウイルスに触れてしまったとしても、その手で目や口や鼻を触らなければいいのですが、人は意外に顔に触れてしまうものです。
この実験によりますと、実験に参加した26人の学生は、それぞれ1時間で23回も顔を触ってしまったそうです。そのうち44%は、粘膜への接触だったそうです。そしてその中では、口が36%、鼻が31%、目への接触が27%で、6%がそれらのコンビネーションだったそうです。ということで、私たちは無意識のうちに、一時間に23回くらいは、顔を触ってしまい、そのうちの44%は、手を洗う前に触ってはいけないところに触ってしまう可能性があるということです。無意識に顔を触ることには、気を付けないといけないですね。
上のリンクに書かれていることは、もうご存知だとは思いますが、ドアノブや食器類などのメタルでは、ウイルスは5日間、プラスチックの表面でも2,3日、紙の上でさえも数日生き残ると言われています。以下、サイトからコピーしてきました。
・メタル Metal:5 days
Examples: doorknobs, jewelry, silverware
・木材 Wood:4 days
Examples: furniture, decking
・プラスチックPlastics:2 to 3 days
Examples: packaging like milk containers and detergent bottles, subway and bus seats, backpacks, elevator buttons
・ステンレススチール Stainless steel:2 to 3 days
Examples: refrigerators, pots and pans, sinks, some water bottles
・段ボール紙 Cardboard:24 hours
Examples: shipping boxes
・グラス Glass:Up to 5 days
Examples: drinking glasses, measuring cups, mirrors, windows
そういうわけで、私は数週間前に「表面に残る」という記事を初めて読んだときに、それならトマトとかピーマンとか表面がつるつるしたものの上でも生き残るよね?パッケージの上でも生き残るよね?と思いまして、それ以来、冷蔵庫にしまう前には、買ってきた物を全部洗うようになりました。
そこから感染する可能性が低いことは承知していますが、そして食べ物からうつることはないとは言われていますが、それでも何かの表面で生き残ることはできるそうなので、気分的に洗ってからしまうようにしています。
こちらは、とあるドクターによる「買い物の際の感染を最小限に抑える方法」という動画です。3月24日にアップロードされたばかりですが、既に2千5百万回以上(25,646,389 views)見られています。
日本語訳もされています。
[※2020年4月6日に一部の訳が訂正されたらしいので、そちらを載せておきます。]
実は、私も大体似たようなことをしています。この動画を見る前からも、外から持ち込んだものを置くところと、出したものを置くところを分けていました。こう書くと神経質な人のようですが、私はそれほど細かくはない人です。細かい人はアメリカではやっていけません。^^ でも大雑把なアメリカの人たちがこれをするのかと思ったら、やっぱり私もやっておいた方がいいと思いました。(アメリカ人の平均は取れませんが、大きく捉えると、日本の人の方が汚れなどを気にすると思います。家の中で靴が平気な人とそうでない人の差は大きいです。)
というわけで、私は買ってきたすべてのプラスチックのパッケージを洗っています。洗えないものは、家にある入れ物に詰め替えて冷蔵庫へしまっています。この作業、非常に面倒なのですが、研究が進んで新しい情報が出てきて、そこまでしなくていいとわかるまでは、とりあえず続けると思います。
マスクの素材集め
あとは最後に、マスクの素材を買える場所について触れておこうと思います。カリフォルニアでは、日本のユザワヤみたいなお店として、JOANN や Michaels というお店があります。(カリフォルニアと書いたのは、他の地域は知らないからです。)どちらのお店も店舗は閉まっていたり時間を短縮したりして営業していますが、最近は「Buy Online and Pick Up Curbside」というサービスが利用できます。
つまり、オンラインで買物をして、連絡が来たら取りに行く、でも店の中には入らずに外の指定場所で受け取る仕組みです。グーグルのイメージ検索結果を載せておきます。写真で見ると理解しやすいと思います。Michaelsでは、こう書かれていました。
When your order is ready for pickup, you will receive an email with the store’s phone number. When you have arrived and parked, call the store number, press 3 and provide your order number and the name on the order. We’ll bring it out to you.
お店について車を停めて、電話をしたら、持って来てくれるみたいですね。利用したことは無いのですが、接触を避けるために、最近こういうサービスをしているお店は多いと聞いています。Best Buy という家電量販店でも行っています。
マスクのゴム素材は、実は上に挙げた手芸一般店では売っておらず、アマゾンを利用するしかありませんでした。しかし、10日ほど待たないとなりません。ですが、たまたま日本から持って来てあった比較的細めのゴムがあったので、それでマスクは作ろうと思っています。
また日本のニュースで、マスクのゴムは百均のマスクを止めるクリップ、あるいは帽子のクリップを使えば簡単にできると聞き、早速購入しました。先程配達されてきましたが、確かに便利そうであると思いました。これを使えばゴムをマスクに付ける手間が省けますし、予備を作っておけば、洗濯も簡単そうです。
本日、一応これでマスクを作るすべての材料は整いました。今週中には以前書いた「効果がある手作りマスク素材」について書いた記事の通りに、マスク制作に入りたいと思っています。
皆さんも、どうぞお気をつけてお過ごしください。
さて、私がどうやって29歳から英語を勉強し直し、
今に至ったのかの勉強法については、
こちらのPDFにまとめています。
ダウンロードはこちらから。