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新型コロナウイルス-医療への対応

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ニューヨークの状況

本日今朝のNY州知事の briefing では、以下のことが述べられたようです。(私は前半を聞き損なってしまったのですが。)

 

 

Coronavirus has now killed more than 1,000 people in the US. But health officials say the peak is yet to come.

 

また、NYでは感染した患者の入院が40%も増えたそうです。5,327人となり、1,290人が集中治療を受けているそうです。NY州で確認された感染数は、37,258人だそうです。医療関係者の保護用具は十分にあるようです。深刻なのは、ベッド数の不足なようです。

 

カリフォルニアの状況

カリフォルニアでは、ニューヨーク知事のように毎日の会見はないので、州政府のアップデートを見ることになります。ただ更新が少し遅いので、Los Angeles Times の方がデータは早いです。LA Times で現在表示されている数字は、確認されたケース数が3,243件で、亡くなった方は68人だそうです。

 

ニューヨーク州と比較すると(37,258人)、一見カリフォルニアの数(3,243人)はかなり少なく見えますが、実はニューヨーク州とカリフォルニア州では、検査数が圧倒的に違います。これは、Los Angeles Timesの2日前の記事ですが、タイトルを拾ってくると、以下のように書かれています。(タイトルなので、2つ目の文はピリオドがありません。)

 

California is way behind in testing and tracking coronavirus. It’s a big problem

 

カリフォルニアは、検査とコロナウイルスの追跡に遥かに遅れを取っている。それは大きな問題だ。

 

また今朝(午前10:28)の別の記事によると、カリフォルニアでの感染のペースは非常に速いようです。カリフォルニアのトップメディカルアドバイザーが水曜日に述べたそうですが、カリフォルニアのCOVID-19ケースは、3日から4日ごとに倍になっていっているそうです。それはニューヨークと同じくらいだそうです。ニューヨークでは、既にいくつかのニューヨークの病院は感染者で埋まっているらしいです。

 

もしカリフォルニアでこの率がこのまま続いてしまうと、カリフォルニアでの病院も、これから1週間から2週間くらいの間に、患者の急激な増加となってしまうかもしれない、ということが警告されています。元々は、6日から7日で、倍になるであろうと予測していたが、実際には、3日から4日ごとにケース数は倍になっているそうです。

 

ということで、カリフォルニアでも心配な状況となっています。

 

深刻な医療用品の不足

人口呼吸器不足への対処

ずっとNY州知事は、人工呼吸器(ventilators) が足りないと言っていますが、この危機的な不足をどうにかするために、一つの人工呼吸器を複数の患者に使うことを始めたようです。

 

 

これはNY州知事も今朝の会見で言っていましたが、ventilators を買おうとはしているものの、数がどうしても足りない、そこで splitting technology を認可して、それを使うと言っていました。つまり1つの人工呼吸器を2人の患者さんが使えるようです。この記事によると、呼吸器を分けるプロトコルがNYの病院で開発されて、NY州のDepartment of Healthへ共有されて、そこでそのプラクティスが素早く認可されたようです。これは ideal 理想的ではないが、workable 機能はすると言っていました。()また会見では、NY州知事は、病院にある数千の anesthesia machines を ventilators へ変換するとも言っていました。

 

Covid-19では症状が重い人は、呼吸をするのに人口呼吸器が必要だそうです。今朝のNY州知事が言っていたことなのですが、なぜそんなに需要があるのかと言うと () COVID-19でない患者は普通人工呼吸器をしているのは3日~4日だそうですが、COVID-19の患者は11日~21日必要なのだそうです。知りませんでした。NY州知事の会見、いろいろと参考になります。

 

ベッド数の不足

NY州知事はまた病床を増やすことを病院側に要求しています。月曜日にもここで書きましたが、50%増やすことを依頼をしています。今朝3月26日の会見では、上でお願いした病床増加に加えて、新しい施設を開いたり、寮やホテルなども探していると言っていました。

 

もちろんカリフォルニアでも、ベッドと人工呼吸器の不足が予測されています。

 

医療用品の製造

2日前(3/24)の記事ですが、必要な医療用品は、複数の会社の協力でこれから製造体制に入るようです。CNNのこのインタビューと記事によると、

 

フォードは、火曜日、メディカル機器や医療関係者のための保護用具を製造するため、3MとGEヘルスケアと協力して動いていることをアナウンスした。何でも、フォードは3Mの現在の呼吸装置の製造増産を助けながら、新しいタイプのPowered Air-Purifying Respirator(PAPR)を3Mと一緒に作るそうです。

 

Fordのウェブサイトによると、上記に加えて、GEヘルスケアの現在の人口呼吸器デザインのシンプルバージョンの製造拡大へ、GEヘルスケアと協力していくそうです。またUAWと協力して、プラスチックのフェイスシールドをフォードの工場で毎週100,000以上作っていくそうです。フェイスシールドって、最近ニュースで検査をしている人たちが使っているのでよく見るようになりましたが、こういうもののことを指すようです。

 

TESLAも少し前からventilators を必要があれば作ると言っていましたが、昨日水曜日にツィッターでコメントを出していたようです。何でもNY州にある工場をventilatorsを作るために再開するようです。

 

General Motors のCEO も大統領話し合い、ventilators のような医療機器の製造サポートができないかについて研究しているようです。() またアメリカではなくイギリスの話ですが、DysonやAirbus もventilators の製造に協力するそうです。今は世界的に ventilators の不足が叫ばれているようなので、早く量産体制が整うことを願います。

 

出遅れ

なぜこんなに人工呼吸器が不足しているかと言うと、この記事にも書かれていますが、やはり反応が遅かったからです。

 

 

政権が2月の時点で人工呼吸の不足に対応していたなら、今始まった民間セクターの取り組みは、4月半ば~後半には、救命機器を作れていたかもしれないのに。今やそれが6月前にはできそうもない、と書かれていました。2月頃なんて、政権はまったく真剣に取り組んでいなかったように見えました。

 

The New York Timesで、トランプ大統領がどれだけコロナウイルスを大したことがないと見せようとしていたかの1月後半から3月までの試みが、こちらにまとめられています。どうしてよりによってこんなときに、この方が…。

 

ドイツの準備

これだけ大国が人工呼吸器がないと言っている中、ドイツにはそれがあるそうなのです。こちらは少し古い3月17日の記事ではありますが。さすが、医療にかけてはドイツ。医療システムへの準備がすごいです。

 

ドイツも感染者数自体の数は少なくないです。昨日の Independentの この記事によると、ドイツの感染者は35,714人で、亡くなった方は181人となっています。イタリアではケース数が 69,000 で、亡くなった方が 6,800人以上、スペインではケース数が47,000 で、亡くなった方が 3,400人以上。ケースの数自体はスペインの68%ですが、亡くなった方の数が単純に比較しても、何十倍も違います。

 

(記事の中の数字でなく、John Hopkins大学のデータは、日本の3/27の朝では、以下のようなデータになっています。)

 ・ ドイツ   43,646  (262人)

 ・ イタリア  80,589(8,215人)

 ・ スペイン   56,197(4,145人)

こう見ると、桁が一桁違うのがよくわかります。

ちなみにアメリカの今のケース数も載せておくと、こうなっています。

 ・ アメリカ 80,021(1,000人以上)

 

上に挙げた記事によると、ドイツの致死率の低さは専門家たちにもまだわかりませんが、一つのセオリーとしては、それは若い人の間で広がっていたせいかもしれないということ。また他の国で感染が広がっていることを見ていて、ヘルスケアシステムへの準備ができていたことも記事には書かれていました。若い人たちの間で広がっていたことは、韓国の例でも指摘されていました。

 

でもやっぱりドイツは、備えが違っていたようです。

 

最初のケースが見つかった時、1月から警告がされてきたので、準備をすすめる時間がありました、と大学教授は(お名前は記事を参照)言っています。ドイツは他の国から学んで、そして検査キットと人工呼吸器を蓄えてきたそうです。

 

ドイツは世界でも最もしっかりとしたパブリックヘルスシステムを持つ国の一つで、ヘルスケアに一人当たり5182ドル使っているそうです。イギリスは3377ドルです。またドイツでの高レベルの検査は、他の地域では見つけられないマイルドなケースもデータには含まれているそうです。

 

ヘルスケアにいくら使っているかということは、アメリカの場合、参考になりません。何せ国民皆保険がない唯一の先進国なので、この国には健康保険に入っていない人もたくさんいるからです。この記事では、ドイツは世界で5番目にランクされています。(ちなみに日本は7位でした。)

 

ということで、最初のケースが見つかったときから、ドイツは備えてきたそうです。すごいですね…。

 

その頃、アメリカでは。

ドイツが着々と準備を進めていた頃、アメリカ大統領がそのときにどういう反応をしていたかと言うと、こちらです。1月22日のコメントらしいです。その前日に最初のアメリカ人のケースが見つかっていたそうです。「この時点でパンデミックの心配はありますか?」という質問に対して、大統領の返事がこちら。

 

The president responded: “No. Not at all. And we have it totally under control. It’s one person coming in from China, and we have it under control. It’s going to be just fine.”

 

「いや、全くない。私たちは完全にそれをコントロールしている。それは中国から来た一人の人のことだ。抑えられている。大丈夫だ。」

 

「just fine」とは、この文脈では、「本当に fineだって。」「 fine に決まっている。」「大丈夫。」という感じです。あとは言い方によって、ニュアンスも変わってきますが。

 

とにかくそういう楽観視をしていたわけです。1月31日には、中国を最近訪れたほとんどの外国人の入国を禁止したそうです。これは評価されています。ただその後は2月後半まで興味がなかったようです。で、この頃株式市場でマーケットインデックスが落ちてきまして、それで反応し始めたようです。私も覚えていますが、つまらないツィッターへの書き込みも多かったです。この頃。

 

On Feb. 27, he predicted: “It’s going to disappear. One day — it’s like a miracle — it will disappear.” 

 

On Feb. 29, he said a vaccine would be available “very quickly” and “very rapidly” and praised his administration’s actions as “the most aggressive taken by any country.”

 

すっごいですね。奇跡のように消えるって言っています。そして、ワクチンはとても早く手に入るようになると言っています。ワクチンの開発って、18か月かかるって言われていますけれども。

 

そういうわけでNYTが言い放ったのが、この一言。

 

None of these claims were true.

それらのどの主張も本当ではなかったが。

 

そういうわけで、急にパタパタと事が深刻になるにつれて、急に3月13日に国家非常事態宣言。で、その後すぐ 3月19日にカリフォルニアでは、外出禁止令が出されたのでした。そして今、ニューヨークが大変なことになっています。恐らくカリフォルニアがニューヨークのようになるのも、あとは時間の問題かと思います。そういうわけなので、しばらくはまだじっと家に引きこもっていないとならないようです。毎日、結構退屈してきました。^^;

 

 

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