「使えるように単語を覚えるには?」
今日はその二回目です。
前回は、どうして日本の人は
単語を覚えても使えないのか?
について書いてみました。
私たちは、中学・高校・(大学) で、
たくさんの英単語を学んできました。
でも実際にそれらを使って会話できるかと言うと、
全くもって簡単な会話さえできないのが現実です。
どうせ同じ単語を覚えるなら、
これからは使えるように覚えていきましょう。
今日はその具体的なやり方についてです。
昨日の記事を読んでいない人は、
そちらを先に読んで下さい。
[1] 使える単語の覚え方 (その1) – 日本人に足りないモノ
[2] 使える単語の覚え方 (その2) – 音読とイメージが決め手 ( ← 今ココです。)
[2] 使える単語の覚え方 (その3) – 英語脳の土台作り
[3] 使える単語の覚え方 (その4) – さらば、日本語
[4] 使える単語の覚え方 (その5) – 生きた英語から学ぶ
(1) 意味 ・ スペリング ・ 音 ・ 使い方
前回は、単語を覚えるときにすることは、
・意味を理解して、
・スペルが書けて、
・実際に音を聞いて、音から単語を認識できるようにして、
・更に文章を音読する
と書きました。今日は具体的にそれを
どうやっていくのがいいのかについていきたいと思います。
◆ 毎日50-100語覚えて、それを反復
記憶は反復によって強化されます。
よく覚えられないと言う人がいるのですが、
そういう方たちは反復が足りないのだと思います。
人間、よほど記憶力の優れた人でない限り、
知らない単語を数回で
覚えられるなんてことはありません。
「覚えられないよー。」は、
誰もが経験することなのです。
ですので何回も目に触れる工夫をしましょう。
隙間時間を利用するのも手です。
さて、前回紹介した単語帳
究極の英単語 SVL Vol.1 初級の3000語
これを使う場合、
Vol.1 は、とても簡単なので、
人によっては、毎日200語くらいずつ
進めると思います。
私は1冊の単語帳は、1~2カ月くらいで
覚えるという気合で
やるのがいいと思っています。
つまり上の単語帳なら、毎日50-100語ずつ。
なので1日100語を目指してください。
でもどうしてもできないと言う人は、
50語でもいいです。
でもこれ以上は減らさないでください。
なぜなら50語でも、単語帳1冊覚えるのに、
2か月かかってしまいますから。
そして2か月かかっても、
1冊終わらないと、
人はイヤになってしまうものです。
単語を覚えるのって、
英語学習の中でも一番退屈です。
退屈なものは、ダラダラやらず、
さっさと終わらせるぞ!という気持ちでやりましょう。
よく50語も100語も覚えられないよ、いう人がいるのですが、
そういう人たちは、それらの単語を
1回で完璧に覚えようとしているからです。
そんなことは無理であり、
忘れるのが普通の人です。
ですから、とりあえず毎日100語進む、
という気持ちでやってみてください。
単語と言うのは、何も最初から、完全に全部きちんと
覚えないといけないというわけでもありません。
何回も繰り返せばいいので、
とりあえず50語覚えようと
聞いたり意味を確認したり、発音してみます。
単語は毎日10個を、
完璧に10日かけて覚えるよりも、
100個を10回毎日繰り返した方が、
記憶に残りますので、
たくさんを何度もやる、
これが覚えるコツです。
で、どうするかと言うと、まず50-100語覚えます。
完璧でもなくていいので、
意味を知って、イメージして
音を聞いて、例文を聞いて音読します。
人それぞれ覚えやすい方法は違うと思うので、
ご自身に合った方法で進めてください。
(私のやり方は、この下に書いています。)
私は単語本そのものを使って
覚えていきます。
日本の人は、とかくノートとかカードづくりに
やけに懲りすぎる人がいますが、
丁寧に作るのは時間の無駄ですから。
そういうことに時間をかけるのなら、
1回でも多く反復しましょう。
(でも昔、私はそういう凝り性な人でした。^^;)
それでも作りたい人は、
フラッシュカードくらいなら
作ってもいいと思います。
(フラッシュカード
=カードの表に単語、裏に意味を書くもの。)
殴り書きでも何でも読めればいいので、
さっさと作りますよ。
最近はアプリで、それを作れるものもあります。
お勧めは、Quizletです。
単語帳ノートでもいいですが、
それですと時々、肝心の単語の意味ではなくて
ノートの中の位置や、
順番で覚えてしまうこともあります。
私はそれが多いので、ノートは止めました。^^;
まず初日、50-100語を
しっかりと聞いて発音して、
意味を確認して、
イメージして、
音読して覚えます。
(使い方を覚えます。)
次の日、50-100語に進んだときに、
前の日の単語の中で
忘れていたのがあったら、
印をつけるか、付箋を貼るか、書き出します。
(単語カードみたいのを作るのなら、全部の単語を作るよりも、
この段階で作る方が、効率がいいと思います。)
とにかく簡単に復習できるようにするのが
目的です。ですから、キレイに単語カードを作ろうとか
考えないでください。
アプリなら、印をつけることができます。
下の図のように、
更に次の日50-100語進んで、
前々日、前日(今までにやった部分全部)
忘れていた単語を再チェックをする、
毎回復習です。
こういう形で、
どんどんと進めて行ってください。
復習の時に忘れていた単語は書き出して、
時間があるときに、
電車の待ち時間や、歩いているときにでも、
料理をしているときにでも、
洗濯をたたみながらでも、
子供がTVを見ているときにでも、
とにかく何度も見直して、いつでも復習します。
こういう復習は、隙間時間にやってください。
ちなみに私はモノを覚えないといけないときには、
家中のあちこちにクリアフォルダを貼ります。
お風呂場(脱衣所)、トイレ、台所のシンクの上に
ペタペタとクリアファイルを貼りつけて、
その中身(メモなど)を
交換するという方法をとっています。
こうすると、家の中を歩くだけで、
毎日何度も目にするので、その度に復習ができます。
この無意識に復習ができてしまうこのやり方、
お勧めします。
以前、カレッジで授業を取った時も
やたらと覚えないといけないことが多い
科目だったので、隙間時間は全部暗記時間でした。
私、会社員ですし、家には家族がいるため、
まとまった時間は取れないのです。
ご飯を作っていても勉強、運転中も勉強、
シャワーを浴びていても勉強、歯を磨いていても勉強、
とにかく隙間時間を全部利用しました。
真似をしてくださいとは言いませんが、
これくらい反復し続けると、
無理かもと思うことも覚えられます。
しつこいようですが、英単語を覚えるには、
どれだけ反復したかが、モノを言います。
英単語を覚える場合は、
私は週に1度くらいは、
過去1週間分くらい覚えていなかった単語だけを
見直しました。とにかくそうやって、
一通り単語本は1か月くらいで終わらせます。
(50語の場合はもう少しかかりますね。)
こうやって本の最後までただり着いたら、
今度はまたもう一回一通り最初から。
抜けがないか、抜けていたものは、
また書き出してみます。
今度は、30日かかったものは、
15-20日くらいで終わらせましょう。
終わったら、更にもう1回。
今度は1週間-10日くらいでやりましょう。
こうやってどんどんとスピードを速めていきます。
5, 6回やればもう大丈夫だと思います。
で、ここまで復習も含めて、約2カ月です。
で、ほぼ大丈夫になったら、次の単語帳へ行きましょう。
◆ 聞く ・ 音読 ・ イメージが決め手
さて、上では進め方について書きました。
今度は、実際にやる方法です。
まず覚えておいてほしいのは、
英語学習では、声を出すことは必須です。
これは単語を覚えるときも同じです。
前回の記事で書いたテーマ、
「使えない単語の覚え方」を思い出してください。
私たちは何で覚えた単語が
使えないのでしたっけ?
そう、音から聞いて覚えていないから。
耳から聞いて覚えていないものは、
絶対に聞き取れません。
そして使い方を知らないから、
使えないのでしたね。
使い方を知るためには、使われている例が必要です。
なので例文を音読するのです。
耳から聞くときにも、
スペリングを見るときにも、
音読するときにも、
単語を覚えるときに大事なのは、
実はイメージです。
単語で意味を確認したり、
例文を読んだら、
その場面を実際に想像します。
しっかりと頭の中に、
その例文や単語の映像を浮かばせてください。
前回書いたVol.1 の単語帳の
「バッグが肩からずり落ちてきたので、
引っ張り上げた。」なら、
本当にずり落ちているのを、
引っ張り上げるように演技しながら、音読します。
英語って、こういうイメージの積み重ねが大事なんです。
こうやって覚えていくと、
段々と日本語がいらなくなるからです。
どうしてイメージが大事かと言うと、
そうすると記憶に残りやすくなるからです。
ですから単語自体をよーく聞いて、
50~100回くらいはイメージを膨らませて音読します。
例文も同様に聞いて、音読を何回もします。
とにかく全身を使って単語は覚えるようにしてください。
時間がかかるように見えても、
これが 【使えるように】 単語を覚えるコツです。
日本語訳だけを丸暗記しても使えませんからね。
想像力を使って演技を通した疑似体験を、
記憶に一緒に刷り込んでしまう、
これが使えるようになる第一歩です。^^
見ても意味がわかる。聞いても意味がわかる。
そして音を聞いたり、
スぺリングを見たら、イメージが浮かぶ、
これが理想です。
ですから、必ずイメージをして、音読をしてください。
ここで、私のやり方を書いてみます。
私は、演技派なので、
いつも声を出して一人演技です。^^
そして単語の意味から得た意味を、
必ず頭の中でイメージ(絵や写真や場面)を描きます。
前回、例に出した「agree」でやってみます。
私の想像はこんな感じです。
+++++++++++++++++
今、3人で話をしていて、
そのうちの1人が何かを言いました。
「あ、私もそう思う」と、
その人に顔を向けて、実際に同意して、
数回うんうんと軽く笑顔で頷きます。
+++++++++++++++++
これを実際にやるのです。
その人へ顔を向けて、うんうんと頷きながら、
agree するのです。
こうすると、「同意する」という日本語訳を
単に覚えるのと違って、
演技と場面設定で、
体験したかのように感覚的に覚えられます。
で、疑似体験したように覚えると、
意外に何度も反復しなくても
すんなりと記憶に残ってくれます。
別の単語でもやってみます。
今、Vol.2 を開いたところ、
こんな文章が出てきました。
[※ 究極の英単語SVL〈Vol.2〉中級の3000語 P.126]
★ Tell him our charity appreciates his generous gift.
ここでは、charity, appreciate, generous が
この単語帳での初の出題単語のようです。
+++++++++++++++++
ここで私は、お金をよく寄付している
リッチな人を想像します。
私はビル・ゲイツがとっさに頭に浮かびました。
ビル・ゲイツの財団は、
アフリカでとてもいい活動をしています。
なので私はアフリカで援助を受けている
団体の代表者になりました。
そして彼の秘書に向かって、こう言います。
「私たちの慈善団体は、
彼の惜しみない贈り物に感謝していると、
彼に伝えてください。」
+++++++++++++++++
この上のセリフを、こうして自分の言葉として
ビル・ゲイツの秘書に伝えると思うと、気持ちも入ります。
「本当にいつも感謝しているんです」と思いながら、
上のセリフ(例文)を50回も言うと、
もう感覚的に例文の意味がわかるようになります。
とにかく実際に使うように単語は覚えていきます。
今でも、知らない単語があると、
こうやって覚えています。^^
ま、今は単語帳は使いませんが、
イメージをして実際に使っているように
覚えているということです。
◆ フレーズ(または文)で覚える
私は、究極の英単語 SVL Vol.1 初級の3000語 と、
究極の英単語SVL〈Vol.2〉中級の3000語
を紹介しましたが、
もちろんこれらでなくても構いません。
あなたに合ったものを選んでください。
どの単語帳でも、上に書いた方法で、
聞いて、意味を理解して、
見て、イメージして、声に出して
文章ごと(または語法やコロケーションで)繰り返してください。
完璧に英文を覚えられないとしても、
何回もイメージして音読を繰り返していれば、
使い方が段々とわかってきます。
単語は実際の使用例やフレーズで
覚えないと、あなたにその単語を使える日は
なかなかやって来ません。^^;
とにかく、フレーズや文などの塊で
英単語は覚えること、
そして単語帳を1冊~2冊、
基礎レベルを頭に入れてください。
そうしたら次の段階に入ります。
次は、実際の使われ方と、
単語の深い意味を掴む練習をしましょう。
[1] 使える単語の覚え方 (その1) – 日本人に足りないモノ
[2] 使える単語の覚え方 (その2) – 音読とイメージが決め手 ( ↑ この記事です。)
[2] 使える単語の覚え方 (その3) – 英語脳の土台作り
[3] 使える単語の覚え方 (その4) – さらば、日本語
[4] 使える単語の覚え方 (その5) – 生きた英語から学ぶ
私がどうやって29歳から英語を勉強し直し、
今に至ったのかの勉強法については、
こちらのPDFにまとめています。
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