Susieさんに紹介していただいたラジオを聴いてみた。ホテルルワンダがなぜ日本で公開されない可能性が高いか、ということに触れいていると情報をいただいたので。
理由としては、採算が合わないということ。大手配給会社はこの手の映画を買いたがらないし、単館上映をするような映画館もこういう映画には二の足を踏むと言う。なぜなら、そういう映画館の観客は女性が多いからということが言われていた。ふーむ、女は社会に関心がないのか。ま、全体的な統計でみると、ある意味当たっているかもしれないが、しかしわざわざ単館上映の映画を観に行くような人はそれなりに外の世界に目が向いている人だと思うのだが。
しかし、California(だったかな?)に在住の映画評論家という人がこの映画を紹介していたのだが、何だか彼のポイントは、ずれていたような気がする。「虐殺が起きている不安な中でも、主人公はホテルマンとしての任務をきちんとこなす、そしてホテルに来る人はお客さんだからその人たちをお客さんとして扱う、結果逃げてきた人を1000人近く保護することになってしまった」「毎日の不安の中でもきちんとシャツにネクタイを締め、泣くときは一人で泣く。」と説明していた。いや間違いではないんだが、その結果日本のスタジオの受け手は、「それはぜひ日本のサラリーマンの人達にも見ていただきたいですね」というような返事をし、何だか映画の論点がそっちへ行ってしまった。
そんなどーでもいい事情だけ説明されても、映画見に行きたいと思うだろうか?もしその事情を説明したとしても、もっと付け加えられるものが、あの映画からはあったと思う。聞き手から「サラリーマンの鏡ですね」なんていうすっとぼけたコメントしか引き出せない映画描写能力で、映画評論家なんて名乗っていいのだろうか?この人があの映画を好きなのか、嫌いなのかも伝わってこなかった。さらに言うと、この人が映画という媒体自体を好きなのかどうかも伝わってこなかった。
残念なのは、彼の評論が映画の肝心な部分をリスナーに伝えず、どうでもいいことの方をかえって伝えてしまったのではないかと思えることである。個人的に言うと、その映画の大事なことをきちんと伝えられない人には、映画評論家などと名乗ってほしくないのである。
こう思うのは、私の期待以上の話を彼がしなかったからだろう。ま、物事の捉え方は人それぞれだから仕方がない。彼にはあの映画のそういうところが気になったのだろう。そしてそういうストーリーを淡々と説明するのが、映画評論家の仕事なのかもしれない。