一つ目。何てことはない冬の出来事。朝、車に乗ったら、窓ガラスにはりついた霜が、雪の結晶模様になっていてきれいだったこと。寒い朝、車に乗ることはなかったので、今まで気づかなかった。窓ガラスに雪の結晶のきれいな模様がぎっしり。
寒い、寒いと思う冬だけれど、こんなきれいな模様が見れると、こういう冬もいいな、と思う。澄んだしんとした冬の日の朝。日本を離れてしまうと、しばらくこういうことも味わえないな。
二つ目。ちょっと説明が必要。今日の私の所持金は500円だった。(これはいつものこと。私はお金を持ち歩かない人なのだ。)しかし、夜、上司のお誕生日でご飯に行くから行こうよと誘われ、9時に帰る予定で参加。(←明らかに払う意志はない。)しかーしなぜか30秒ほどの差で最終バスに乗り損なってしまった。
タクシー代はないし、「仕方ない、30分歩くか。」と思ったのだが、ふとカードは持っていることに気が付いた。一台目のタクシーに聞く。「カードは使えますか?」「使えないよ。」二台目のタクシーに聞く。「カードは使えますか?」「使えないよ。」そして三台目のタクシーに聞く。「カードは使えますか?」「使えないよ。でも山手交通のタクシーは使えるよ。上にね、山手って書いてあるから、ここで待っていれば来るよ。」と教えてもらった。ふと見ると、なぜか二代目のタクシーの窓が開いて、私を呼んだ。「お姉ちゃん、山手っていうタクシーはカードが使えるから。」
ありがとーね、おじさん。と思っていると、今度は三代目のタクシーの運転手さんが降りて、タクシーの待機場所を覘いてくれている。「山手タクシーいないねー。でもすぐ来るから。」と言ってくれた。
ありがとーね、おじさんたち。運転手さんの教えてくれたとおり、すぐにそのタクシーはやって来た。どうってことはないんだけれど、何気ない親切でちょっと嬉しくなった。
普段はかなり親父嫌いで(通勤電車のマナーの悪いおじさんと、歩きタバコをする男の人が嫌いで)かなり親父には手厳しい私だけれど、今日はおじさんたちの親切に少しにこにこさせていただいた。
何気ない当たり前の日常生活で、何気なーく嬉しかったこと。もう少しすると、この当たり前の日々が当たり前ではなくなってしまう。日本を去る前から日本へのホームシックを感じていたりして。
あと一月ちょっとで出発。残り少ない日々、大事に過ごそうっと。