絶対話せる!英会話

ホラ吹きな父。

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今日車に乗っているときに、家の近所の古い家について父と話していた。私が子供の頃は、藁葺き屋根の大きな家が近所にあった。そして家の前には地主さんの家の大きな蔵があった。この蔵は時代劇に出てくるような本当に大きな蔵だった。そういう土地なので、江戸時代から続いている地主さんの家が何件かあった。

そんな話をしているうちに、私が「でも何代も遡れる家があるってすごいよね。」と言ったところ、「そうだな、うちは父ちゃん(父は自分のことをこう呼ぶ)のおじいさんまでしか遡れないよな。」と言った。「羽生(埼玉県)のおうちは、おじいさんの前までは分からないの?どこから来たのかな?」と私。すると父は「関が原の戦いのときに秋田から出てきて、勝ち戦だったのだけれども秋田に帰らず、脱走した人がうちの祖先だ。」と言う。「へぇ、確かに秋田から関が原まで行って、秋田まで帰るのは遠いよね。埼玉で落ち着いたのも無理ないわ。」と私。「で、最初から羽生?」「いや、それは分からない。どこかから流れてきてそこに落ち着いたのかもしれない。」「あぁ、そういう可能性もあるよね。」「でもうちの祖先はそこの家の直接の家系じゃないんでしょ?」「直接の家系じゃないよ。秋田のお城はXXX城と言うんだよ。」「あ、だからうちの名前はXXXなんだ。(←これが私の家の苗字)逃げ出した武士の人が、お城の名前から苗字をつけたのかもね。」

ここまで話した後、「これが父ちゃんの推測だ。」と父が言った。
「えぇー?本当の話じゃなかったの?」すっかり騙された私だった。全くホラ吹きな爺だ。

しかしうちの家系が秋田から来た落ち武者が祖先というのは本当の話だ。以前父と羽生(父の母のお墓がある)まで、父の親戚を探しに行ったことがある。車でウロウロするうちに、同じ苗字の家を見つけた。車を降り、中にいた人に声をかける父。しかし、いきなり第一声が「お宅と私は親戚かね?」である。いやー、横にいた私は本当にずっこけた。見ず知らずの人にいきなり親戚か?と尋ねる人が、一体どこの世の中にいる。しかし、話を聞いたところ、実は本当に親戚だった。だが本家ではなく、かなり遠い親戚だった。そして、その家の人に本家の場所を教えてもらい、訪ねて行った。

そこは父の父(つまり私の祖父)のお兄さんの息子さんの家だった。父の父は、その羽生の家から出て行って東京に住み着いた。そして父は東京で生まれた。

そちらのお宅には、槍と刀が置かれていたという棚のような物があった。昔はそこにしっかりと置かれていたそうだが、第二次大戦のときに没収されてしまったらしい。ということで今は枠だけ。しかし、一応これで武士だったことは確認できた。そして秋田からというのも本当の話だ。

実は私の父は本当に色がとても白く、肌がきれいな人である。何せ何十年間、顔を洗った後に何をつけるわけでもなく、全くお手入れしてこなかったにも関わらず、未だに頬のつやはいい。もちろん70を超えた父なので、それなりに歳はとっているが、昔からいつも10歳くらいは若く見えるな、と娘ながらにも思っていた。色が白く、そしてよく見ると目の色素も薄い。(目が小さいため、普段はあまり気付かないのだが、実は黒目がかなり茶色。)そういう父の肌のキメの細やかさと色の白さは、秋田の血が入っていると初めて聞いたときに大いに納得したものだった。そうか、これは秋田美人の血か、と。

ちなみに父が以前どれほど若く見えたかと言うと、その親戚のお宅にお邪魔したときに、そこの家の方は私と父を夫婦だと思ったというエピソードがある。随分若いお嫁さんをもらったな、と思ったのよ、と後で笑いながら言っていた。

ま、こういうお宅訪問が以前あったので、秋田から出てきた人が祖先であるということは知っていた。なので今日の話にはすっかり騙されてしまった。しかし先ほど秋田とうちの姓をgoogleしてみたところ、確かに秋田のお城の名前は、私の家の苗字である。関が原というのは作り話だったらしいが、秋田からわざわざ埼玉まで逃げてくるとは考えにくいので、関が原というのは案外信憑性もある。なかなかいい推論かもしれない。しかし先に推論だ、と言ってから話を進めてくれ。すっかり信じてしまったではないか。

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