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節約とは。

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リクエストがありましたので、今日は私のお金の節約について書いてみます。とは言うものの、お金を生み出す(投資する)、貯めるのとは違って、節約とは単にお金を使わないことだと私は思っています。ただそれを楽しめるか、楽しめないかということが、お金を節約できるかどうかを左右すると思います。

また節約には以下の二つのことが大きく影響することも確かです。一つは、お金を貯めたいための目的がはっきりしていて、そのためにお金を節約した方がいいと思われる場合。二つ目は、お金が本当になくて否応なしにお金を節約せざるを得ない環境に身がおかれた場合。こういうときは、もうどうしようもないですから、やるしかありません。でも物事は楽しんでやるのと、嫌々やるのでは結果が違ってきます。そして楽しんでやる節約は、実はお金を使う以上に楽しめてしまう、というのが私の持論です。

私は昔から勿体無いお化けに取り付かれたような人なので(自分では祖母に似ていると思います)、物を捨てることができない人です。しかし部屋中に物をためるのもイヤなものです。で、その結果、行き着いたところが、「何だ、物を買わなければいいんだ。」ということでした。

若い頃はお金が入っては消えていく生活をしていた時期もありましたが、いつの頃からか、お金を使うよりも、お金を使わないことに快感を覚えるようになりました。そしてまた留学を決めたことにより、留学に向けて貯金を始めてからは、その傾向に拍車がかかりました。目的があると、お金の使い方が違ってきます。

家計簿を何となくつけていたので(昔からお金の計算好き)、何に支出が多いかは分かっていましたし、そういうものを徹底して削るようにしました。私は交際費は元々多くないのですが、本代、基礎化粧品代(顔を化けさせる物にはあまり興味はありませんが、基礎化粧品にはお金を惜しんでいませんでした)にお金を多く使っていました。そして日々の昼食も1ヶ月となると結構な金額になります。こういうものへの支出を全部止めたのです。

本は地元の図書館で読むようにして、欲しい本は図書館にリクエストを出して、かなり買ってもらいました。こうして本代は解消。基礎化粧品代は、安物に変えたり、自分で作ったりするようになりました。元々肌が丈夫なので、10分の1の値段の物でも大丈夫なことに気がつきました。昼食は毎日弁当持参。夕食もぜいたく品はなしで、毎日自炊。高校生の頃から、弁当を自分で作っていたのと、元々料理も好きなので、これらもラクラククリア。更に日々の飲み物も家からお茶を持参するようになりました。

その延長でやってきたアメリカ。私のコミカレ時代は本当に毎日びた一文無駄金は使わないというほど徹底した倹約生活でした。本当にお金がなかったのです。お金がないと何もできないということが、人生で初めて身に沁みて分かりました。外国で生活しながらもお金は貯金だけでしたから、減るだけしかない金額を眺めてはかなり不安な日々を送りました。

ですので試験が終わった日の自分への褒美が1ドルのタコス一つだけでした。100円(今だったら80円)が精一杯の褒美なんて、今時小学生でもあり得ないような小さな金額ですね。とにかく本当にお金がなかったので、何も買わない、外食は一切なしの日々でした。幸い、アメリカには(少なくても私が住んでいたエリアでは)、それほど美味しいものが氾濫していませんので、自分で自分好みに作るご飯が一番満足する食事でした。また最初の頃はガソリン代も勿体無いので、外出もせずに引きこもっていました。

こういう生活が苦痛な人もいるとは思うのですが、私は自虐的なところがあって、何日お金を使わずに生活できるかに挑戦とか、お腹がぐーぐー鳴っていることに快感を覚える人なので、根っからの貧乏人性質なのかもしれません。「お金は天下の回り物だから使わなきゃ。」という気っ風のいい母とは、全く反対側に位置する娘です。

今はそれなりに収入もあるようになりましたが、それでも基本的な倹約生活パターンは同じです。必要以上にお金は使わない、外食はしない。節約はこれに尽きます。寒ければヒーターをつけずに、洋服を着込む、暑ければ脱ぐ、あるいはクーラーのきいている場所に逃げ込む。私のコミカレ時代の友人たち(当時20歳前後)も皆そうしていました。短期留学の学生たちと違って、コミカレ、大学へと編入していく学生たちは、それなりに親御さんに負担をかけていることを知っていましたので、私と似たような生活を送っていました。「若いのにえらいなぁ。」と、自分のアホだった20歳頃を思い出しながら、まだ高校を卒業したばかりなのに、せっせと倹約生活を送る同級生たちを尊敬の眼差しで見ていました。

最近は目的意識や、環境により追い込まれる節約とは無縁とはなりましたが、長年の経験により、私は今では節約生活がすっかり板についてしまいました。こういう生活に慣れてしまうと、これはこれで楽しめてしまうものです。(しかし世の中私みたいな人ばかりですと、経済は停滞します。)

私が長続きしている理由の一つは、家計簿だと思います。エクセルに日々使ったお金を打ち込んでいっているのですが、月に一度まとめをして、ピボットテーブルで内訳表を作っています。(さらに暇な私はそれを折れ線グラフにもしています。単にこういう作業が好きなだけなのですが。)面倒くさそうですが、TVを見ながらでも、人と電話をしながらでも、こんな作業はできます。こうやって時間があればブログを書く人なわけですから、二日に1回、5分間、使ったお金を打ち込むのはたいした手間隙ではありません。要は「つけるだけダイエット」と同じことです。(毎日同じ時刻に体重を折れ線グラフに記録し続けると、体重が減っていくというダイエットです。)

更に長続きしている理由は、たまに自分にあげる褒美です。今なら月に3着くらい洋服を買います。(しかしアメリカは洋服が安いので、3着でも50ドルくらいです。)時々はピアスや靴や本も買います。これがどのように働くかと言うと、何か物を買おうかな?と思ったときや、今日はお弁当を作るのが面倒くさい、と思ったときに、「でもこれを買わなければ、後でいい物が買える」とか「お弁当を持っていけば8ドル節約できる。そうすればピアスが1つ買える、靴下も3足買えるかも」とか、または「この節約を30回繰り返すと、ポータブルDVDプレーヤーが買える」などと考えることにより、その節約を将来の消費に置き換えることで、目の前の消費や無駄遣いを諦めることができるようになるのです。

そして削りたくないものへの消費は削らないということも大事です。削りたくない消費を無理して削ると、ストレスも溜まりますし、気分も惨めになります。なので私はどんなに節約しても、アルコール代は削りません。とは言っても酒豪ではありませんから、毎日1, 2 本のビールか、3日で1本のワイン(アメリカでは8ドルでも、ワインはOK) が必要なくらいです。一日あたり平均で1ドル少しでしょうか。一ヶ月でも40ドルほどなら、これはストレス解消として、OKな出費です。また旅行やたまの飲み会なども、ケチりません。要はだらだらと無計画にお金を使うのではなく、メリハリをつけてお金を使うクセをつければいいだけだと思っています。

なので今度日本へ帰国しても、お金はたくさん使うと思います。また私は節約したお金で投資もしています。日本で将来一体いくらもらえるかどうか分からない年金と、最近始めた401Kでは、世界一長生きな日本女性が人生の最後までお金に困らないという保障はありませんから。私たちの世代は、人や政府に頼って生きることは難しく、死ぬ間際まで自分の生活を自分で守らないといけないと思っています。老後の生活設計なくして今を楽しむだけで生きていくというのは、社会に対して無責任だということにアメリカに来て初めて気がつきました。好き勝手やっていて将来は日本に帰って生活保護を受けるというのでは、洒落になりません。

話がそれましたが、こうやってつらつらと書いて見ますと、節約生活とはお金をケチるというよりも、お金の使い方を考えると自然にそういう行動パターンになるということなのかもしれません。

それでは。(そろそろ夜も遅いので、明日のお弁当作りに入ります。)

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