昨日の日曜日はGeographyの科目、Human impact on biophysical environmentの授業のレポートを書き終えた。リサーチペーパーではないので、ラクだった。
昨年の春学期にPhysical Geographyの授業を取り、そして秋学期にBiodiversity in a changing world(Geography)を取り、ここ最近立て続けに地学関連の授業を取っている。昨年の春学期に一通り周りの環境に関することを学び直し(日本で言う地学に該当する授業)、また先学期は気候条件がどのように環境に影響を与えてきたかを学び、そして今学期は人間がどのように環境を変えてきてしまったかについて学んでいる。私にしては珍しく正しい順番で授業を取ってきているので(簡単なところから少しずつ掘り下げてきている意味で)、用語にも今のところは全く困っていない。そしてもともと環境の問題にはとても興味があったため、この授業はとても楽しい。先学期のGeographyの授業もそうであったが、「へぇ」と改めて気付くことがあって、そして身近な問題が多いため、あまり勉強しているという気がしない。(実は地学専攻の方が向いていたのだろうか。)
大きくまとめてしまうと、今まで学んだことはSalinization、Soil Erosion、Lanformsへの人の影響。そして先週の金曜日の授業からはWaterへと移った。結構興味深い話がたくさんあり、ここでも紹介したいとは思うのだが、今週の木曜日からはMidterm Examsのため、また今度ゆっくりと書くことにしようと思う。
レポートの一つの設問のために、Aral Seaについてのビデオを見せられた。何となく知ってはいたのだが、詳しくビデオで見てみると、ひどい人為災害だということが分かった。流れ込む川の水を灌漑に利用したため(何でも綿花栽培にスターリンは力を入れたかったらしい)水量は減り、3分の2の水を湖は失ってしまったらしい。しかも灌漑用のパイプラインもお粗末な技術で作られたため、水は漏れる、そして空気との接触が多ければ多いほど、水は蒸発する。そのために灌漑用とされた水も明らかに全ては利用されず。しかも綿花は水を沢山必要とするにも関わらず、耕作しようとしていた土地は砂漠気候。湖の水は水量が減ったため、塩分濃度が増し、今度は魚が生きられない環境となってしまった。そして干上がった湖には塩が残り、その塩は塩嵐となって500kmほども飛んで行き、その嵐が到達した地域では農作物が育たなくなってしまった。元々Aral Seaの周りに住んでいた人たちは魚を取り、魚の加工品を売ったりして生活をしていたらしいが、肝心の魚がいなくなってしまったので、生活も成り立たなくなってしまったらしい。そして湖は夏に熱を溜め、冬に放出することでストーブのような役割を果たしていたらしいが、水が激減してしまったため、そういう機能を果たせなくなり、周辺の気候も変わってしまったとのこと。まさかスターリンはここまでのことを予想していたとは思えないが、開発を決定する人には、それ専門の知識を持った人がいないと地球は恐ろしいことになるな、と考えさせられた。
そのほか、自分で土地の侵食と流送土砂について、実際に起こったケースをネットで調べてまとめなさい、という設問もあったので、ネットで調べていたところ、マレーシアのCameron Heightsという場所が見つかった。ここもやはり何も考えないで開発をしてしまったため、土砂の流出が激しいらしい。
人が何気なく、こうした方がいいのではないか、と思って自然の姿を変えようとすると、恐ろしいほど生態系が変わってきてしまうということに、この授業を通じてかなり考えさせられている。しかし人が生きている限り、自然を全く変えないで生活していくのはムリだ。なぜなら農業だって人間が作り出している自然への影響なわけだし。人が自然を大きく変えてしまったことは、人間が家畜を飼いならしたり、農業を始めた頃から始まったらしい。元々植物は自然の中で自分達で生きていける生物だったとのこと。それを農業という形で作り始めたとき、植物は人間に頼らなければ育たない品種へと変わってしまったらしい。
私は割とアニミズムに近い感覚を持っているので、自然を壊すといつかしっぺ返しを受けそうで恐い。ま、かと言って自然を変えないわけにはいかない。人だって家を建てなければ住むところもないし、土地を切り開いて作物を作らなければ、生きていくこともできないわけだし。ただ事が起こる前に予測する正しい知識があるとないとでは、開発も違ってくるだろうと思う。
そう言えば諌早湾干拓事業はその後どうなったのだろう?この決定をした議員さんたちは正しい知識を持っていたのだろうか?それともスターリンと同類だったのだろうか?