本日は手術日。7:30からの手術予定だったため、朝5:30へ病院へ到着。受付でしばらく待たされた後、Outpatient surgery roomへ。前開きのネグリジェのようなものを渡され、トイレで着替えた。出てきた私を見て、ナースが笑う、「前後が逆よ。」紐がついている方が前に来るのかと思ったら、違ったらしい。
その後、ベッドに寝て、荷物を預けた。血圧や体温を測られ、点滴をさされる。そこで飲んでいる薬の説明をし、基本的な情報を聞かれ、小話をして40分ほど過ごした。その後、2階の手術待機室へ運ばれた。ベッドで病院の通路を移動すると、何だかとても病人の気分になってくる。
手術待機室で看護婦、麻酔医、別の医師、それぞれに「名前、生年月日、薬のこと、今までに手術を受けたか、薬にアレルギーがあるか、手術の説明を受けたか」などを聞かれ、そして「これから何の手術を受けるのか」と「手術をする先生の名前」を自分で言わされる。同じことを1階の看護婦にも聞かれたので、全部で4回聞かれたことになる。外来の手術患者なので絶対に間違いを防ぐため、そして訴訟に備えるためなのではないかと思われる。
そこで1時間ほど過ごし、最後に麻酔医が注射器を取り出し、点滴に麻酔薬を注入した。麻酔薬は針から少しずつ体に入ってくるのが分かる。なぜなら点滴と違って一滴一滴が痛いからだ。そして私の記憶があるのは、ここまで。
気が付いたときは、口から何かを取り出されたときだった。そのときおぼろげに「あぁ、終わったのか」と思った。時計を見たら、9時だった。血圧・脈拍などを測る装置が腕にはめられ、一定時間おきにこまめにチェックされた。そこで1時間ほど朦朧とした時間を過ごし、10時頃に1階のOutpatient Surgery Roomへ戻された。
そこではまた同じような装置がはめられ、血圧・脈拍などのチェック。この頃には私の意識もはっきりしてきた。ナースに痛みはないか聞かれたので、痛いと伝えたところ、お尻に注射をうたれた。しばらくして落ち着いてきたら、今度は寒くなってきた。寒いと伝えたところ、暖かい紅茶を持って来てくれた。うーん、親切。そしてお茶を飲み終わる頃にはすっかり通常の状態に戻ってきたので、着替えをし、当日にしてはいけないこと、今後の指示などをされ、薬を受け取り、病院を後にした。このとき11時。
とりあえず2日ほどは重いものを持つ、動き回る、おなかに力が入るような動作は避け、おとなしくしていないといけないらしいが、今はどこも痛くないし、すこぶる快調である。
それにしても、今回はアメリカの外来手術というシステムに感心した。(内科の外来手術は日本でもあるのだろうか?)本当に手際がよかったからだ。アメリカでかつて受けたことのないサービスの手順の良さ。恐らく外来手術患者の取り扱いに慣れているのだろう。終わってみたところ、確かにこれなら何も入院する必要はないだろうと思われたし、部分的な手術なら外来手術は費用も安く済む。病院もベッドの確保などをしなくて済むことになり、患者側・病院側の双方にとって、いいシステムなのではないだろうか。
とにかく全てが予想以上にスムースに終わった。手順のよさに驚き、ナースとドクターのフレンドリーさと親切さに安心しきって全てが終わった。今回はとてもシステマチックなアメリカ医療体制を少し見直した貴重な経験だった。