久しぶりに日本の実家に電話をかけた。父からは最近見た金環食の写真の失敗話、母からは俳句の権威ある(らしい)団体の一員になることができたとの話を聞いた。「これからは趣味ではなく俳人として生きるから。」と、元会社員(何十年も)、そして日本舞踊の師範までとった母からの笑いながらの決意を聞いた。
私は実はかなりの家族っ子。外で遊ぶよりも、基本的には家で両親とふざけていた方が楽しかったりもする。なぜかと言うと、うちの両親、本当におちゃめな人たちなのだ。私がお腹がよじれるほど笑うのは、多分両親といるときが一番多い。そして二人とも好奇心旺盛、人生を楽しむことを本能で知っているような人たちである。私が何をやっても、「経験に無駄はないから。」、歳を取って大学に行ったときも「勉強は大事だから。人生は一生勉強だから。」と言ってくれる人たちである。今日は「XXX(私のこと)も学校に行って頑張っているみたいね。ブログ見たよ。」とも言ってくれた。
そんな二人は、定年退職後は学校に行ったり、さらに教わるだけに留まらず、人に教えたり、とても充実した日々を送っている。父は本を出版し(自費出版ではない)、出版記念パーティを第二の結婚式のように開き、老人大学の先生となり、母は踊りも教えつつ、俳句を勉強をし始めた。そしていまだに忙しいそう。70歳になってこんなに幸せな人生を送っている人たちもそうはいないのではないか、と私は思う。しかも夫婦円満である。
今日は私がこれから始めようとしていることを母に話してみた。「そうだね、すごいね。やった方がいいよ。」と言ってくれた。これで安心。子供のときから他の誰に言われるよりも、うちの母にそう言われると、大丈夫という気がしてくるから不思議なものである。
今日は会社でつまらないことでイライラもしていたけれど、そんなことは軽く吹き飛ばしてくれるうちの両親のパワーはすごい。特に超人なのがうちの母。多分人の話は半分くらいしか聞いていないけれど、自分は話す話題がいっぱいあるようで、そんなに人生充実していて何より!と娘に思わせてしまうほど。そんな母に「これからも一生勉強よ。頑張ろうね。」と言われると、「そうだよね。」とにこにこと頷くしかない。
70歳になってもそんなに人生が楽しいのなら、私もまだまだこれからも生きていてはりがあるというもの。これから先いろいろとたくさん学ぶことがあると思うと、私も何だかわくわくするくらいだ。そしてこんなに私の気分を変えてしまううちの母のパワーは、やはりすごい。私も周りの人にこういう風にパワーを与えられる人にならなきゃ、と久しぶりに母の声を聞いて思った。