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新型コロナウイルス-生活が一変したアメリカ

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3月3日-NYでは感染確認はたった2人

アメリカでは本日3月30日(月曜日)朝の時点で(日本時刻:火曜日午前3時ころのデータ)、少なくても141,995人の感染が確認されていて、2,486人の方が亡くなってしまったようです。

 

今アメリカでは3月30日ですが、この1か月でアメリカ人の生活は本当にひっくり返ったと思います。3月の第1週目までは、アメリカで多くの人はほとんどコロナウイルスのことをあまり気にしていなかったと思います。たとえば3月3日のニュースで、ニューヨークでは2人の感染が確認されたと報道されていました。この時点の報道で、たった2人です。今からたった27日前です。

 

New York has two confirmed cases of coronavirus — a man in Westchester County, believed to be the state’s first person-to-person spread case, and a woman who lives in Manhattan[.]

 

An attorney who lives in Westchester County and works in midtown Manhattan is New York state’s second confirmed coronavirus case — and the first apparent instance of community spread, the governor said Tuesday.

 

そして男性の方が Westchester郡に住んでいた弁護士さんで、確認されたコロナウイルス感染としては2人目で、地域感染としては最初の例として、知事が述べていたわけです。

 

その少し前、2月29日には、ワシントン州でアメリカでの初のコロナウイルスによる死者が出ました。これは長期療養施設での集団感染によるものでした。同じ日、ワシントン州知事は影響があったコミュニティを助けるために、利用できるリソースを用いて合理的にできることは全てしていくことを、州の機関に指示する宣言をしました。その頃、フランスでは感染者が100人に達し、2人の方が亡くなってしまっていました。

 

感染数の急激な伸び

そして1か月経ち、どのように感染数が増えていったかのデータは以下の通りです。

 

ニューヨーク州:[3/3]  2人 ➡  [3/29] 59,513人(死者:965人)

ワシントン州: [2/28] 26人 ➡  [3/28] 4,896人(死者:195人)

 

ニューヨーク州、たった26日の間で、59,511人も増えました。6日前には、NY州では、3日ごとにケース数が倍になっていると記事に書かれていました。かなりの伸び率です。

 

昨日の日曜日の時点(3/29)では、ニューヨーク州では、感染が前日から7,200人増え、今までの合計で 59,513人と発表されていました。そのうち33,768人は、NY市からです。感染数のうち、8,503人が入院していて、そのうち2,037人は集中治療室にいると発表されました。しかし、今朝のNY州知事の発表では、数は更に増え、66000人となったようです。検査数を増やしているので、感染数も増えています。

 

 ()

 

上のグラフはアメリカ全体でのケース数と死者数を表しています。3月に入ってから、いかに急激に感染が確認されたのかが、おわかりいただけると思います。ただ3月のはじめまでは、アメリカではそれまでの検査数が非常に少なかったので、感染はもっと前から広がってはいたようです。ただ気づくのが遅かった、行動を開始するのが遅かったようです。

 

失われたひと月

2日前(3/28)のこの記事にも書かれていますが、ウイルスが、1月後半から3月のはじめまでアメリカで広がっていた間、感染していたかもしれない人たちへの大規模な検査がアメリカでは行われることはなかった、そうです。技術的な欠陥、規制のハードル、いつも通りに仕事をする官僚たち、複数のレベルでのリーダーシップの欠如のために。(50人以上の現職前職の関係者、政府関係者、サイエンティスト、重役たちへのインタビューによる話だそうです。)

 

The result was a lost month, when the world’s richest country — armed with some of the most highly trained scientists and infectious disease specialists — squandered its best chance of containing the virus’s spread. Instead, Americans were left largely blind to the scale of a looming public health catastrophe.

 

その結果は、失われたひと月、となりました。もっとも高く訓練されたサイエンティストや伝染病スペシャリストを持つ、世界でもっともリッチな国は、ウイルスの拡散の封じ込めのチャンスを逃してしまったのです。代わりにアメリカ人は、迫ってくる公衆衛生の大惨事の規模に大きく気付かないままにされてしまっていたのです。

 

今回はこの話に大きく同意します。なぜかと言いますと、アメリカでは3月初めまでは本当にのんびりしていたからです。

 

甘く見ていた大統領

その大きな原因の一つを作ったのは、もちろんこの方ですね。この記事「A Complete List of Trump’s Attempts to Play Down Coronavirusに、どのように大統領がコロナウイルスは大したことないと見せようとしていたかの試みがまとめられています。The New York Timesは、大統領と仲がよろしくなく、私も時々NYTの記事は言いすぎ?と思うこともありますが、この記事はざっと見直すのに役立ちます。今回の大統領の発言や動きの遅さは、あまりにもひどいものです。

 

私も覚えていますが、3/4のこの発言には、思わず「おい!」とツッコミを入れてしまったくらいです。「hunch」って、勘や予感という意味です。音声はこちらで聞くことができます。「死亡率に関しての勘」って、一体何でしょう???

 

Now, this is just my hunch, but based on a lot of conversations with a lot of people that do this, because a lot of people will have this and it is very mild… So if, you know, we have thousands or hundreds of thousands of people that get better, just by, you know, sitting around and even going to work, some of them go to work, but they get better and then, when you do have a death like you had in the state of Washington, like you had one in California, I believe you had one in New York, you know, all of a sudden it seems like 3 or 4 percent, which is a very high number, as opposed to a fraction of 1 percent.

 

これが全発言ですが、簡潔にまとめられたのがこちら

In this clip, Trump:
1. Denies WHO’s coronavirus death rate based on “hunch”
2. Calls coronavirus “corona flu”
3. Suggests it’s fine for people w/ Covid-19 to go to work
4. Compares coronavirus to “the regular flu,” indicating he doesn’t get the difference

 

「仕事に行ってもいいような発言?」ということで、この後、widespread backlash をTwitterで受けました。ええ、今の政策と真逆のことを、26日前にはおっしゃっていたということです。

 

こちら Voxで、大統領のひどかった発言7つがまとめられています。読んでいただくと「は?」と言い続けるのは間違いがありません。

 

1つ目は複数のことがまとまっているので、2つ目から紹介します。

(2) Death rate hunch(3/4の発言)

(上に書いたことです。)

 

(3) “It’s going to disappear. One day, it’s like a miracle, it will disappear”(2/28の発言)

(これは先日、こちらでも書きました。奇跡のように消えると言っています。)

 

(4) “Anyone who wants a test can get one”(3/7の発言)

(未だに検査を受けたい人の誰もが、検査を受けられるわけではないです。)

 

(5) The flu is worse3/4のツィッターでの発言

この発言、訳しますと、「去年、37,000人ものアメリカ人がインフルエンザで亡くなっている。平均は年間27,000~70,000人だ。何もシャットダウンしない。生活と経済は進み続ける。今はコロナウイルスの確認されたケースは546で、死者は22人だ。それを考えて見ろよ!

 

(6) A vaccine will be available soon(2/25の発言)

Now they have it, they have studied it, they know very much, in fact, we’re very close to a vaccine」とインドを訪れた際に発言されたそうです。

 

一方で、彼の対策本部のお一人、Dr. Fauci氏はこうおっしゃっています。

Dr. Fauci estimates that it would be at least a year or a year and a half before a vaccine would be available to the general public. 

ワクチンを一般の人が利用できるようになるまでには、1年~1年半はかかるそうです。

 

(7) The US was “most prepared country in the world”

(世界一準備ができていた国。できていなかったのは、数字が物語っています。)

 

 

3月のはじめのカリフォルニア

そういうわけで、多くのアメリカ人にとって、3月に入ってからのこの3週間は、急展開も急展開で、ほとんどの人がわけのわからないまま外出禁止令と感染の渦の中へ突然放り投げだされたような感じとなりました。

 

どれくらいカリフォルニアでの生活がのんびりしていたかと言うと、私も3月4日(水)までは、普通にジムに行っていました。その頃、アメリカでも感染が報告されていましたが、大統領はダウンプレイしようとしていましたし、ほとんどの人にとっては、遠いところのこと、対岸の火事と受け止めていたと思います。

 

ただ我が家は4か国語が読めますし、私も世界のニュースを読むのが日課なので、情報は世界中から集めていました。そしてそろそろアメリカも…とは思っていたので、3月になってからは、必要なものを買い足したりし始めていました。(トイレットペーパーは買いませんでしたが。)

 

また、日本でのジムからの感染の話も聞いていたので、3月6日の時点でトレーナーに「ごめん、しばらくキャンセルするね。」とテキストはしておきました。すると彼女からは「Are you guys trying to stay away from the gym? lol」「ジムに近づかないように(来るのを控えようと)しようとしているの?(大笑)」という返事がきました。最後に「lol」がありますよね。これがどれくらい普通の人たちがのんびりと構えていたかを表していると思います。それくらいカリフォルニアでは、呑気な雰囲気だったわけです。(その後10日してから、少なくても2週間はクローズするというジムのお知らせは届きました。)

 

で、そういうメッセージの交換をしてからちょうど1週間後、3月13日に国家非常事態宣言がされました。この時点では、外出禁止令はどこにも出ていませんでした。確か3月16日のサンフランシスコ周辺のベイエリアが最初だったと思います。

 

引きこもっている我が家のメンバー

3月7日には、我が家のパピさんのお祖父さんが亡くなり、3月14日には、我が家のネイティブキッドのいとこのQuinceañeraがあり、親戚一同が集合しました。あと数日遅かったら、パーティは開けませんでしたが、少なくてもこのときにはまだ外出禁止の動きは出ていませんでした。この頃は慌ただしい1週間でした。

 

我が家のネイティブキッドの学校からは、3月12日の時点で「ウイルスの感染が心配で休んでも、欠席扱いにはならない」というお知らせが届いていました。3月13日(金曜日)までは、通常通り授業がありました。そしてその日に決定がされ、3月16日(月曜日)から授業はオンラインへと移行されました。先週受け取ったメールでは、一応5月4日から授業は再開とされていますが、これはまた今後の状況次第だと思います。

 

我が家のネイティブキッドが通っているのは私立の学校なので、公立学校と動きは異なりますが、カリフォルニア知事が3月23日の時点で、夏休み終了まで学校は開けないかもしれないと言っているので、この先どうなるかはわからないところです。

 

California Gov. Gavin Newsom warns parents to be prepared for schools to not open until after summer break (記事のタイトルなので、最後にピリオドがありません。)

 

ただ一応、学校の教材は元々オンラインにありますし(アメリカでは、私立の学校の多くがそうしていると思います。)、学校から一人一台の iPadも提供されています。そういうわけで宿題の提出もネットでいつもしていましたし、先生方も zoom で授業を開始したり動画授業を始められています。また授業のオンラインチャットの場なども提供されていますし、とりあえずやらないとならないことは毎日あるようです。

 

とは言え、毎日それほど時間が拘束されるわけではないので、寝放題、YouTube見放題、友達とオンラインゲームし放題な生活になりつつはあります。^^;また今まで毎日走り回っていた生活から(PE(体育の授業)+ 放課後のスポーツ活動がなくなり)、家の中で引きこもる生活になってしまっため、運動不足も少し心配されます。ただ生活自体は、もう2週間経ったので、段々と慣れてきた感じです。

 

時々ニュースについて話し合ったりもしますが、高校生15歳(日本の中3)なので、もう我が家では大人として会話しています。それにこれくらいの年代は、情報収集が早いですし(彼の場合、主に Instagram と Twitter がニュースソースらしいですが)、またネットでいくらでも人とつながることを知っている世代なので、とりあえず今のところ特には何も心配していないです。

 

アメリカで生活をしていますと、家と家の距離が近くないため、そして大都市を除き公共交通機関がないため、友人たちとはそもそも親が送り迎えしないと遊べません。ですので友人たちと距離が離れていて、オンラインで遊ぶこと自体はいつものことなので、特に変わったこともないようです。

 

Stay at home の動き

こちらの動画では、NY州知事が力強く「家にいなさい。」とおっしゃっています。この知事の英語は非常に聞きやすいので、英語学習者の方にお勧めします。どうして家にいないといけないのかを話されています。

 

 

 

「外出禁止令」は、ワシントンDC、バージニア州、メリーランド州でも出されたようです。

 

Washington, D.C. joined Maryland and Virginia in enacting “stay-at-home” mandates Monday amid the coronavirus outbreak. 

 

この記事の図を見ますと、多くの地域で実施されていることがわかります。

 

 

上の図に加えて、アリゾナ州も先ほどそうすることを決めたようです。

 

本日のThe New York Timesによると、4分の3のアメリカ人(住民)は、外出禁止(外出制限)の対象となっているそうです。すごい数ですが、多くの州で必死に感染の拡大を食い止めようとしているのがわかります。

 

私は、親戚の子のQuinceañera(3月14日)から家を全く出ずに半月以上が過ぎました。家の前のポストに郵便物を取りに行ったり、trash cans を道路へ出したり、裏庭の手入れはしますが、家からは全く出ていないです。散歩はしていいのですが、あいにく私の家の近所はそれほど治安のいい地域でもないので、外へは出ないようにしています。それにアジア人ですから、気を付けているに越したことはありません。(今、アメリカではアジア人への偏見が増えつつありますので。)

 

家から出ないと、さすがに少し退屈ではありますが、こうやって閉じこもっていることで、感染の広がりを防ぐことができると言われていますから、弱い人たちへの感染を止め、医療崩壊が起きないように協力していると思って、毎日空を見て鳥の声を聞いて過ごしています。最近、窓の外を眺めている猫の気持ちがわかってきたよう気がします。^^ でも、私が夜ぐっすりと眠ったり、おいしくご飯を食べている間にも、医療関係者の方は忙しく働かれているのであろうと思うと、私たちは無事に生活できているだけでもありがたいです。

 

日本もこういう窮屈なことにならないことを祈っていますが、そうなっても落ち着いて行動できるように、不測の事態への備えや、家族や親せきの人たちと話し合いはしておくことをお勧めします。一度でもそういう事態を想像して、そうなったときにどうすべきかを考えておくだけで、焦ったりする気持ちが大分減るのは間違いがないと思います。

 

 

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