昨日からのニュース
牧師が逮捕
日曜日にフロリダのタンパで牧師が礼拝を開いたということがニュースになっていました。それが翌日逮捕されたというニュースを読んで、昨日は驚きました。日本でもすでにニュースになっていますね。
地元の警察や役人が止めるように促していたのに、それを無視したということです。Church services を2回行ったと言うことですが、どちらも何百人という人たちが集まっていたそうなので、それは確かに今は公衆衛生を乱す危険行為とみなされても仕方がないと思います。
ルイジアナ州でもやはり教会の牧師が、州知事に命令違反で起訴されたそうです。
ウインブルドンが中止
ウインブルドンも中止になったようですね。こちらFinancial Timesの記事です。第二次世界大戦以降で初めての中止だと書かれていました。
Wimbledon set to be cancelled due to coronavirus
9.11 よりも
アメリカでは、9/11のときよりも死者数が多くなってしまったと、今朝の新聞には書かれていました。
More than 3,000 Americans with the virus have died, meaning the death toll has now exceeded that of the 9/11 terrorist attacks.
3000人以上のアメリカ人がウイルスで亡くなってしまった、ということはつまり死亡者数は今や9/11テロ攻撃の数字を超えてしまったということだ。
今朝は朝からBusiness Insiderのとある記事で、亡くなった方がフォークリフトで運ばれているのを見てショックを受けました。死者の数が増えていることはもちろん数字の上では理解していますが、当たり前ですが数が増えると言うことは、死体の数が増えるということです。衝撃的な映像でしたのでリンクは貼りません。ですが、改めて家に閉じこもっていようという決意を強くしました。
マスクをしない国アメリカ
日本では、予防のために、また花粉症の方も多いですし、当たり前のようにマスクをしますが、ここアメリカでは、病院関係者以外の方がマスクをしているのを私は見たことがありません。その違いは、このBBCの記事にも書かれています。(←日本語です。)
アメリカでマスクをしていたら、恐らく不思議な目で見られるでしょうし、しかも私はアジア人なので、目立って仕方がないと思います。そういうわけで私もアメリカでは、家の外で一度もマスクをしたことはありません。ただ日本から帰国する飛行機の中では、乾燥防止のためにいつもマスクをしているので、とりあえずマスクの在庫だけは家にも少しあります。
アメリカでは、今上で述べたように、マスクは一般的に医療関係者しかしないと思いますし、WHOでもCDCでもそう勧めてきました。それがですね、最近少しそのことが議論されるようになってきました。こちらは、2週間ほど前のThe New York Times の記事ですが、以下のことが書かれています。
マスクは完璧に予防できないし、手洗いや社会距離戦略の代わりにならないし、ぴったりとフィットすると、より機能するのは、もちろん当たり前である。そして外科医がする使い捨てタイプのサージカルマスクは、N95などの医療グレードの保護マスクがするように、小さなウイルス粒子を除去はできない。しかしサージカルマスクでも、マスクを全くしないよりは、少しは予防に役立つ。
WHOとCDCは国民に、病気ならマスクをするようにと言った。しかし、無症状の感染の証拠が増えてきているし、特に症状が軽い、または病気であることに気付かない若者でも、感染させることはできることがわかっている。
また香港では、感染医療関係者のトップが「universal mask-wearing as one of the reasons widespread outbreak didn’t occur」「全員がマスクをしたことが、広くアウトブレイクが起きなかったことの理由の一つ」と言われて、マスク着用が勧められている。台湾ではマスクの生産を増やしてコロナウイルスへ対応した。
更に4日前(3月27日)の The New York Timesにも、マスクに関して、また別の記事がありました。タイトルには大きくこう書かれていました。
「More Americans Should Probably Wear Masks for Protection」
コロナウイルス・パンデミックが勢いが増すにつれて、専門家たちは、普通の健康的な人も一般のサージカルマスク、あるいはスカーフでさえも保護するために使うべきかどうかについての公式なガイダンスに疑問を持ち始めた、と書かれていました。
と言いますのも、WHOやCDCは、日常生活を普通に行うのに、健康な人たちはマスクは要らないと言っているからです。
上の記事では、マスクの有効性を示しているいくつかの研究を紹介しています。以下のこともそういう研究からの抜粋のようです。
2003年のSARSのアウトブレイクで使われたいろいろな介入を、研究者たちが系統的レビューをしたときにわかったことは、手洗いを1日10回以上行ったことは、ウイルス感染を止めるのに55%有効だった。そしてマスクをすることは実際はもっと効果的で、68%だった。手袋をすることも、頻繁に手を洗うことと同じくらいの保護ができた、(※) と書かれていました。
そして多くのアジアの国では、マスクをつけることが推奨されていることも紹介されていました。
中国のCDC長官の発言
また、中国のCDC長官へのインタビューが、Science誌の記事でありました。4日前(3月27日)の記事です。タイトルはこうです。
Not wearing masks to protect against coronavirus is a ‘big mistake,’ top Chinese scientist says
「コロナウイルスから身を守るために、マスクをしないことは、大きな間違いである、と中国のサイエンティストは言った。」(タイトルなので says と現在形になっています。)
インタビューに答えたのは、この方だそうです。→ George Gao氏, director-general of the Chinese Center for Disease Control and Prevention (CDC)。送っていた質問に対して、中国のCDC長官が返事をされたそうです。それがサイエンス誌に、編集されてまとめられています。
この中で気になった以下の2つの質疑応答を拾ってきました。(読みやすくしているので、完全な直訳ではないです。)
Q: 他の国は、中語がCOVID-19で取ったアプローチから何が学べるでしょうか。
A: どんな感染病のコントロールでも、社会距離戦略(social distancing) が、不可欠な戦略です。特にそれが呼吸器感染ならなおさらです。最初、私たちは薬剤を使わない戦略を取りました。なぜなら特定の防止剤も薬も持っていないですし、ワクチンもないからです。2つ目には、ケースを確実に隔離することです。3つ目には、濃厚接触者も隔離されるべきです。私たちは濃厚接触者をすべて見つけ出すことに多くの時間を使い、そして彼らが確実に隔離されるようにしました。4つ目には人が集まることを止めました。5つ目には動きを制限しました。これが (市を) 封鎖する理由です。
そして中国のCDC長官が指摘していて気になるのがこの下の部分です。
Q: 他の国がしている間違いは何でしょうか?
A: アメリカやヨーロッパでの大きな間違いは、これは私の意見ですが、人々がマスクをしないということです。このウイルスは飛沫や 濃厚接触 によりうつります。飛沫は重要な役割を果たします。あなたが話す時、あなたの口からはいつも飛沫が出てくるからです。多くの人は無症状の、または発症前感染をしています。そういう人たちがマスクをしていたら、ウイルスを運ぶ飛沫が逃げ出すことを防ぎ、そして他の人に移すのを防ぐことができます。
というわけで、本日記事を読んでいて、香港の感染担当者のトップ、また中国のCDC長官が、マスクの有効性について述べているので、私自身は何もわからない人ですが、確かにマスクはしておいた方がよさそう…と思いました。
またこの上のインタビューの後、同じサイエンス誌(2日前の3月28日)では、以下のタイトルの記事も出ていました。
Would everyone wearing face masks help us slow the pandemic?
全員がマスクをすることは、パンデミックを遅らせるのに役立つだろうか?
というわけで西洋圏では今、マスクの有効性に関して、議論が起きてきているようです。
WHOの意見
また、本日のCNNの記事では、こう書かれていたので、
World Health Organization officials Monday said they still recommend people not wear face masks unless they are sick with Covid-19 or caring for someone who is sick.
リンク先のWHOを見てみました。以下のように書かれていました。
When to use a mask(いつマスクを使うべきか)
・If you are healthy, you only need to wear a mask if you are taking care of a person with suspected 2019-nCoV infection.
・あなたが健康なら、2019-nCoV感染の疑いがある人の世話をする場合にはマスクを付ける必要がある。
・Wear a mask if you are coughing or sneezing.
あなたが咳をしたりくしゃみをしたりしているのなら、マスクをする。
・Masks are effective only when used in combination with frequent hand-cleaning with alcohol-based hand rub or soap and water.
マスクは、アルコールベースのhand rub や石鹸と水で頻繁に手をキレイにすることと組み合わせて使うときのみ、効果がある。(マスクだけでは効果がないということを言っています。)
・If you wear a mask, then you must know how to use it and dispose of it properly.
マスクをつけるのなら、使い方や適切に処分する方法を知っておくこと。
最後の項目は、日本人感覚ですと、マスクの付け方とか捨て方とかは、常識の範囲内と思ってしまうかもしれないのですが、生まれてから一度も付けたことがない人もいるかもしれないと考えると、確かに書いておくべきことなのかもしれません。
アメリカのCDCも
WHOでは上のように書かれていますが、アメリカでは今マスク着用に関して、いろいろと話し合われているようです。CNNの本日のこの記事では、こう書かれていました。
The idea of recommending broad use of masks in the United States is under “very active discussion” at the White House, said Fauci, director of the National Institute of Allergy and Infectious Diseases, adding that the White House Task Force will be discussing it Tuesday.
また、The New York Times のこの記事によると、
CDC長官(Dr. Robert Redfield氏)が、月曜日インタビューの中で、誰がマスクをするべきかのガイドラインについてCDCは再検討中であると述べたそうです。背景としては、新しいデータによると、症状は無くても感染している人は、高い感染率を持つことがわかってきたからのようです。
ただ、国立アレルギー感染病研究所(NIAID)長官のDr.Fauci氏が、CNNのインタビューで、マスクの議論には心配があることも述べていました。マスクを推奨してしまうと、ただでさえ不足している医療関係者のためのN95やその他の医療マスクなのに、更なる不足を引き起こしてしまう可能性があるからです。
N95マスクとは
マスクが足りないと言うと、日本でもアメリカでも、N95 のようなマスクのことを言っているのか、普通のサージカルマスクのことを言っているのかがわかりにくいですよね。
ここを見ると、N95がどういうマスクであるかについて書かれています。「N95規格とはNIOSH が制定した呼吸器防護具の規格基準」だそうで、「NIOSH」は、「The National Institute for Occupational Safety and Health 国立労働安全衛生研究所」ですから、CDCの一部のようです。そこが定めている基準に合ったものが、N95と呼ばれるようです。
最近英語でニュースを見ていると、PPEという言葉をよく聞くと思います。これは、Personal Protective Equipmentのことを言います。CDCのPPEに関するFAQのページを見ると、ガウンと手袋とRespiratorsの3つについて説明がされていたので、一般的にはその3つのことを指すようです。Respiratorsのところで、N95 について触れられていますが、これが医療用の保護マスクのことです。
このN95はどれくらい性能がいいのかと言うと、少なくてもとても小さな粒子 (0.3 micron) の95% を除去すると書かれていました。バクテリアやウイルスを含めたすべてのタイプの粒子を除去することができるようです。(1000ミクロンが1mm。)Wikipediaによると、赤血球の直径が 6~8 μらしいので、その20分の1以下のものも除去できるようです。そんな小さな粒子まで防げるとは、N95マスクの高性能にびっくりします。それを作ることができる人の技術にも感心します。
そういう高性能のN95は、今はもちろん医療関係者だけに限られておくべきですが、アメリカって日本よりも専門的なものが比較的手に入りやすいので(不足していなければですが)、今急に方向転換をすると、確かに医療関係者への不足が心配されます。
1か月前には、US. Surgeon General も、どのマスクのことを指していたのかはわかりませんが、「STOP BUYING MASKS!」とツィートしていたくらいです。
アジア人にとっては、マスクをするのは一般的なことですけれど、中国のCDC長官が言っていたように、本当にそれが感染防止になるのなら、確かにした方がいいとは思いますが、そう言ってしまうと、医療用品が更に不足してしまう…。今のアメリカは、いろいろなところで行き詰っている感じがします。まったく準備ができていなかった印象です。
日本では、シャープがマスクの大量生産を始めましたよね。この写真を見ると、生産しているのはサージカルマスクのようです。アメリカでコロナウイルスの現場の人たちが使うN95とはまた違うようです。アジアの人たちが一般的に日常で使うのは、家庭用とかサージカルマスクとか呼ばれるようです。
とりあえず日本ではマスクの大量生産ができるようになって、よかったですね。私は日本から持ってきているマスクを使わなくてもいいように、また感染を広げないように、今日も変わらず家に閉じこもっています。ここ数日何となく風邪気味なので、悪化しないようにしっかりと養生していこうと思います。
皆さんもくれぐれもお気をつけてお過ごしください。
さて、私がどうやって29歳から英語を勉強し直し、
今に至ったのかの勉強法については、
こちらのPDFにまとめています。
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