先日、会社のbriefing(簡単な打ち合わせ)での、
上司と同僚の会話をじっと聞いていたら、
やたらと that が使われていることに
気が付きました。
that って、よく使われる言葉なのですが、
注目してみると、あらためて
こんなに使われているんだ、と思いました。
今日のこの記事に出てくる「that」の使い方は、
絶対にマスターしてください。
いつものように問題が山積みなうちの部署。
それについて同僚がボスに報告していました。
でも、それがなかなか進まない、と。
それに対してうちのボスが言った言葉。
「What is the difficulty about that?」
(それのどこがそんなに難しいことなんだ?)
それに応えて同僚が説明しました。そして最後にこう言いました。
「It’s not that easy.」
(それはそんなに(言うほど)簡単ではないんです。)
更に、
「If it was easy, I would be done by now.」
(そんなに簡単なら、今頃とっくに終わってますよ。)
でもこうしないと、相手先は動いてくれないんですという意味で、
「It is what it is.」
(状況は変わらないんです。そういうことになっているんです。)
だからこうしています、と同僚は続けました。
そこでうちのボス、少し折れたようで、
「Well, if that‘s the way, do that.」
(じゃ、それがやり方なら、それをやりなさい。)
ね、that がたくさん使われていますでしょ。
最初の「What is the difficulty about that?」は代名詞ですね。
前の発言で言われていることを、「それ」と言っているわけです。
二つ目の「It’s not that easy.」のthat は副詞です。
そんなに、という意味の強調です。
この言い方は本当によく使われます。
最後の「Well, if that‘s the way, do that.」は、
どちらも代名詞です。同僚が言った「だからこうしています」を
that に置き換えたわけです。
それにしてもこの3つの文、難しい単語はどこにも出てきません。
多分中学二年生までには全部習う単語ではないでしょうか。
実は英語はこうやって難しい言葉を知らなくても、
普段の英会話ではそれほど困ることはありません。
単語の意味を知らなければ、聞けばいいだけですから。
でも大事なのは、
どうやってその表現自体のニュアンスを感じ取るか、ということです。
たとえば上の 「It is what it is.」
日本語では場面に応じていろいろな日本語訳になります。
ですのでたった一つの日本語訳を覚えるよりも、
それが使われる場面のイメージを感覚として捉えておいた方が、
実際に聞いたときに、あぁ、そういうことか、と分かります。
私がこのフレーズに合うなと思う、上手い説明はこれです。
A phrase that seems to simply state the obvious
but actually implies helplessness.
単に明らかなことを述べているだけのようですが、
でも実は何もできないという意味合いを含んでいます、と。
これを読むと、私の同僚が 「It is what it is.」と言った
ニュアンスが分かりますね。
で、それに折れたうちのボスの言葉も。
「Well, if that’s the way, do that.」
(仕方ないな、じゃ、そのままそれでやりなさい。)
こういうニュアンスを理解するには、
やっぱりたくさんの英語を聞かないと
なかなか感覚が自分の中に育っていかないものです。
that の使い方もそうですね。
私も実際にアメリカに来るまで、
that がこんなに使われる言葉であるとは知りませんでした。
それにしてもミーティング中、いろいろなことを頭の中に
メモしている私でした。^^
それでは、また。