さて一昨日から、
「英会話スクールへ通うだけでは、
英語は使えるようにならないよ。」
ということについてお話しています。
[ 1 ] 習おうと思っている限り、英語は使えない。
[ 2 ] 英会話学校へ通う前に知っておくべきこと。(その1)
[ 3 ] 英会話学校へ通う前に知っておくべきこと。
(↓ この記事です。)
私は、昔、英会話スクールで言われた
「英会話スクールへ通っただけで、
半年で日常会話ができるようになる」ことは、
自分の経験からして、絶対にあり得ないと思っています。
(もちろん自分で努力をすればそれはあり得るでしょう。)
「半年で日常会話ができる。」
これをどうしてそれを皆が信じるのか、
実は長年不思議に思ってきました。
で、先日、少しその謎が解けたような気がします。
それはつまり、私が言っている
「日常会話」のレベルと、
英語を全く話せない人が思っている「日常会話」
のレベルには、大きな差があるからのようです。
私は、大人になってから留学。
アメリカ生活もほぼ10年になり、大学もこちらで卒業。
そして家の中での会話は、英語とスペイン語のみ
(英語80%、スペイン語20%くらい)。
会社では、英語しか使っていません。
時々、必要があれば、日本語を話す程度です。
でもこんな英語しか使わない日々を送っている私でも、
英語での日常会話がペラペラなんて思ったことは、
未だかつてありません。まだまだ粗削りですし、
知らない言葉もスラングもいっぱいあります。
ですから私は、日常会話というのは、
英語学習者にとって、
一番ハードルの高いレベルだと思っています。
でも、私は仕事をしていて、英語で困ることはありません。
電話会議でも、何のためらいもなく発言しますし、
仕事のメールなんて、日本語よりも英語で書く方が速いくらいです。
仕事で英語が聞き取れないこともなく、オフィスでは、
自分が英語を話しているとか日本語を話しているとか、
意識したこともありません。
読むのも同じです。
我が家では「Time」誌を取っていますが、
これを読んでいても、英語であるとか日本語であるとか、
そんなことを考えることもなく、読んでいます。
つまり私の脳の中では、英語も日本語も
ほぼ同じようにプロセスされている感じです。
ところがですね、
私は、日常会話に関しては、まだまだだと思っています。^^
なぜかと言うと、私の英語には、
まだ洗練できる余地があるから。
そして知らない表現もたくさんあるからです。
ですから私にとっては、私はまだ日常会話が
完璧なレベルではありません。
そしてこれが私が思っている「日常会話」のレベル。
でも、英語が話せない人から見た「日常英会話」は、
どうやら違うようです。
英会話学校で言っている
「半年で英語の日常会話ができるようになる」は、
私が想像するに、多分、
海外旅行で必要な情報をゲットしたり、
買い物での応対や、入国審査などで困らないという状態を
指しているのかな?と思います。
確かにそれを「日常会話」 と呼ぶのなら、
それくらいなら半年でもどうにかなるとは思います。
なぜならそういうシーンでは、決まりきっている
英語しか使わないため、パターン練習をして
覚えてしまえばいいだけだからです。
でも、昨日も言いましたが、パターンを覚えるだけなら、
自分一人でもできるというのが、私の意見です。
いろいろなメールをいただくにつれて、
「日常会話ができるようになりたい」 とか、
「映画を字幕なしで見れるようになりたい」 とか、
一番ハードなレベルを最初から目指す人が多いので、
私はずっと違和感を感じてきました。
「そ、そんなに高度なことを最初から目指すのー?」
これが私がいつも思っていたことでした。
で、やっと最近、私や私の友人たちが言う
(英語を使っている人たちの)定義による「英語日常会話」 と、
日本の多くの人が考えている「英語日常会話」 の間には、
大きな隔たりがあることに気が付きました。
「英語日常会話」 の定義は、人によっていろいろだったようです。
ですので、今度英会話スクールへ通うときに
「半年で日常会話」 と謳っているスクールがありましたら、
ぜひその「日常会話」の定義を聞いてみることをお勧めします。
それが、
・アメリカで仕事で困らない程度なのか?
・海外との電話会議で、問題に対処できるようになるか?
・アメリカで何不自由なく、一般のアメリカ人と会話ができるようになるか?
・何かトピックについて、人と語り合うことができようになるか?
とにかく、人によって定義は違うことがあるようですので、
後でがっかりしないために、英会話スクールを利用する前に、
上のようなことを、聞いておくのもよいかと。
昨日も書きましたが、以前の私のように
「スクールへ通えば、半年で会話ができる」 なんて、
大きな思い込みをして失敗しないためにも。^^;
さて、英会話スクールの話、昨日の続きに戻ります。
昨日、私は、
「英会話スクールは、時期が来たら、ガシガシ使うべき!
その時期を見定めるために、
まず以下のことを頭に入れてから、今のあなたが
英会話スクールへ通う段階かどうかを判断してください。」と書きました。
それらは、
1. 【英会話スクールは習うのではなくて、実践の場】
2. 【英会話学校へ通う時間だけでは練習は足りない】
3. 【今のあなたに質問できる英語力はあるか】
4. 【外国人講師の質の問題】
で、昨日の続き、3つ目からです。
3. 今のあなたに質問できる英語力はあるか
私は、英語は、本当の初心者は、
はじめのうちは日本人に習うべきだと思っています。
なぜなら日本語を理解しない外国人講師に、
わからないことがあるときに、
あなたはきちんと英語で質問ができますか?
そしてその英語ネイティブの答えを、
完璧に理解できる英語能力が、
今のあなたには備わっていますか?
わからないことすら質問できないのなら、
外国人講師ばかりの英会話学校へ通う、
あるいはオンライン英会話スクールを利用するなんて
意味がありません。
わからないことをそのままにしない、そのためにも、
はじめは日本人から学び始めた方がいい思います。
日本人でなくても、日本語を理解できる人に習うべきでしょう。
でも少なくても、その先生は英語ユーザーであるべきです。
英語を今現在使えない人から学ぶと、
知識(文法や構文)を教えてくれるだけで、
英語を使う感覚を教えてくれません。
ですので、英語の文法を理解している、
そして英語も使っている、
なおかつ日本語も話す、そういう人から
最初は学ぶのがいいと思っています。
で、こういうことを学びたいのなら、
英語学校もありだと思います。
これは英会話スクールと言うよりは、
英語学校みたいな感じですね。
英語を離れて何年も経ってしまった
どこから始めていいのかわからない
そういう人は、上の条件を備えた学校や人から
学ぶといいでしょうね。
4. 外国人講師の質の問題
また私は、大学を出ていない英語ネイティブには、
英語を教わらない方がいいと思っています。
それはなぜかと言うと、アメリカに来てわかったのですが、
高卒のアメリカ人の話し言葉、書き言葉は、
教育を受けた人との英語とは、全然違うからです。
私は、コミュニティカレッジ(アメリカの公立短大)で、
アメリカ人向けの英語のクラスを取ったとき、
最初の授業でずっこけた経験があります。
何を教わったと思います?
「it’s」 と 「its」 、「there」 と 「their」、
「there’s」 と 「theirs」 は、違う言葉だからね、ということでした。
そのとき私が、心の中で、「おい!」 と
突っ込みを入れたのは、言うまでもありません。^^;
仮にも高校を卒業して、大学への編入が
認められている英語のクラスですよ?
(アメリカ人にとっては国語の授業ということです。)
そんなことを教えるということは、
そういうことをわかっていない人が多いから
授業に取り入れられているわけですよね。
その後もいろいろとコミュニティカレッジで、
授業を取っていくうちに、「この人たちって、一体??」
と思うことがたくさんありました。
もちろん全員ではないですよ。優秀な人もたくさんいます。
でもそういう人たちは、間違いなく4年制大学へ編入します。
ですので、4年制大学に編入した途端、
明らかに学生の質が変わりました。
一気に中学生レベルから、
大学生レベルに変わったような印象を持ちました。
なので、私は高卒やコミュニティカレッジを
終えただけの人の英語力を信用していません。
彼らは英語ネイティブで、ユーザーではありますが、
英語をきちんと書けない人が多いからです。
会社に入ってからも、
受けた教育レベルによる差を感じました。
私は弁護士とも、工場労働者ともやり取りをしてきました。
彼らが書く英語は、同じ英語であっても、別物です。
弁護士や、会社のCFO からのメールには、
いつも洗練された素晴らしい英語が書かれています。
一方、アメリカ人高卒者からのメールには、
「sheet」 が 「sheat」(X) になっていたり、
文章の主語が途中で入れ替わっていたり。
つまり話し言葉をそのまま書いたような文章に
なってしまうこともあるのです。
人によっては、「He doesn’t ~.」 を、
「He don’t ~.」 と話す人もいます。彼らは
生まれも育ちもアメリカの英語ネイティブスピーカーです。
もちろん社内の会話では問題がありませんが、
一部の人からは、きちんとした英語が話せない
という理由で見下げられる英語でもあります。
(外国人が、似たような間違いをするのとは、わけが違います。)
そして、彼らは自分がきちんとした英語を
書けないことを知っています。なので時々
(会社の上層部や、社外へ会社の代表としてメールを出す時)、
私に「メールがOKかどうか確認して」とお願いしてきます。
そして「私がここ、おかしい。」と言うと、
彼らは書き直し、「いいんじゃない。」と言うと、
「send」 ボタンを押します。
私は外国人ですから、
もちろん彼らほど適切な英語は話せません。
でも、そういう私に、メールの確認を依頼してくるのです。
それはなぜかと言うと、私の方が、
間違いのない英語を書けるからです。
私はこういう経験を経てきているので、
アメリカでは「大学教育を受けた人」 と
「そうでない人」 の差が大きいことを、知っています。
なので英会話学校に通う際には、
アメリカの実情を知った今、外国人講師の質も気になります。
これは逆のことを考えてみれば、すぐにわかるでしょう。
今、あなたが外国人で、
日本語を習いたいと思っているとします。
そして目の前には、漢字や単語をあまり知らない
日本人がいるとしましょう。
あなたはそういう人に、日本語ネイティブだから
という理由だけで、日本語を習いたいと思いますか?
彼らが微妙なニュアンスの違いの日本語を、
外国人であるあなたに、うまく説明できると思いますか?
思いませんよね。なので、英語ネイティブから学ぶのが
一番いいと思っている人は、
ここら辺も考えて見た方がいいと思います。
ちょっと厳しい感じの意見ばかり書いているような気もします。^^;
でも、私の言いたいことは
「英会話学校だけに頼らない。」
「 ”英会話学校へ通ったら、英語は話せるようになる”
という思い込みを捨てる。」← これです。
英会話スクールだけではダメなのです。
ご自分で努力してくださいね。もう散々、
私の失敗談を書いてきましたから、
ここはおわかりいただけたかと思います。
英会話スクールは
1. 【習うのではなくて、実践の場】
2. 【英会話学校へ通う時間だけでは練習は足りない】
3. 【今のあなたに質問できる英語力はあるか】
4. 【外国人講師の質の問題】
ここら辺をよく考えて、決断してくださいね。
あと英会話スクールのいいところは、
仲間ができるということもあります。
どうしても一人で勉強できない人は、仲間作りのため、
と割り切って参加してもいいとは思います。
でも、いつでもこれが真実です。
「英語は誰かに習おうと思っているうちは、
話せるようにならない」。
1.スポーツのようなもので練習だけがモノを言う
2.習うだけでどうにかなる簡単なものではない。
3.どんなよい教材、学校だとしても、あなたが使いこなすかどうか次第。
道は長く厳しいですが、がんばっていきましょう。
私も10年前には、英語が使えたらいいな、と
漠然と思っている人でした。これだけ失敗をしても、
続けていたから、最終的には英語ユーザーへなれました。
アメリカへ住んでいるせいもありますが、
それだけでは英語は話せるようになりません。
私はアメリカで相当痛い目に遭って来ました。^^
そして私の文法や単語力の基礎は、ほとんど日本で培ったものです。
[ 1 ] 習おうと思っている限り、英語は使えない。
[ 2 ] 英会話学校へ通う前に知っておくべきこと。(その1)
[ 3 ] 英会話学校へ通う前に知っておくべきこと。(↑ この記事です。)
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