夏学期の授業は午後5時から始まる。
今日学校へ行ったところ、
なぜかヘリコプターが4台も学校の上を飛んでいた。
1台なら私の家の上も毎日のように飛んでいるが、
4台もずっと学校の上を飛んでいるなんて、
何かあったに違いないと想いながら、教室へ向かった。
まさかそんなことが起きていたなんて、想像もしなかった。
私の教室の建物は、
メディカルスクールのすぐ隣だったので、
病院で何かあったのかな?と授業に入る前に少し思ったくらい。
でも実は、学校へ行く途中にも何となく異変を感じていた。
なぜなら私の通学路Sunset Blvd.から
高級住宅街へ通じる道が一ヶ所封鎖されていたからだ。
UCLAへ続くSunset Blvd.の両側はBeverly Hills。
学校の裏側は、高級住宅地Bel Airだ。
そんなところが、黄色いテープで封鎖されるなんて
普通ではあり得ない。
そんなテープは普通は、犯罪が起こったときに
使用されるものだからだ。
しかも3時間半後、授業の後にそこを通ったときにも
道はまだ封鎖されていた。
そしてそこには結構な数の報道陣がうろうろとしていた。
絶対に何か大きなことがあったに違いない、
今日は夜のニュースを見なきゃと思って
どこにも寄らずにまっすぐ帰って来た。
家に入ると、ルームメイトがすぐに飛んで出てきた。
「ねぇねぇ、マイケル・ジャクソンが死んだらしいよ。
ゆいたの学校の病院みたい。」と言う。
「え~!!!、ほんと?」と驚く私。
どうりでヘリコプターがずっと飛んでいたわけだ。
そして恐らく家族の誰かが
通行止めされていた辺りに住んでいるのだろう。
うわー、マイケル・ジャクソンが、
うちの学校で亡くなった?
かなりショック…。
私は特にマイケル・ジャクソンのファン
だったわけではないのだが、
彼の曲はいつも売れていたので、
常に彼の歌は私の耳に響いていた。
私はBritish Rock派なので、あの時代の
Pop Musicには特に強い思い入れはない。
でもね、それでもね、
私が一番よく音楽を聞いていた時代が、
彼の全盛期だったので、好きか嫌いかは別にしても、
私の若かりし日々の思い出には、
彼の曲が入り込んでいる。
そんな人が亡くなった。信じたくない訃報だった。
TVを付けると、マイケルが亡くなったニュースばかり。
先ほどまでMTVでも追悼番組をやっていた。
やっと夜10時のニュースが始まった。
これから見てみよう。
あ、見慣れた学校が写っている。
うわー、本当にうちの学校で、
マイケル・ジャクソンが亡くなったんだ。
そんなに近くで…。
<30分後>
ニュースを見ていたら、分かったことが一つ。
私が通学路として使っているSunset Blvd. から少し入ったところに
マイケルの家があったようだ。
私はてっきりNeverlandに住んでいるのかと思っていたのだが、
Holmby Hillsという辺りに住んでいたらしい。
こんなに側にマイケル・ジャクソンがいたなんて、
全く知らなかった。
今日はファラ・フォーセットも亡くなったようで。
今晩のアメリカのTVニュースは訃報だらけ。
それにしてもマイケル・ジャクソンが
そんなに近所に住んでいたなんて、
そして亡くなってしまったなんて、
何だか驚きだらけで、ショックが隠せない。
明日もきっと学校の周りは
報道陣がいっぱいだろうな。
<追記>
この後数日は、学校の病院の前にファンが集まっていた。
そして病院の前にも、家に通じる封鎖された道の入り口にも、
たくさんの花束が供えられていた。
封鎖された道の前には数週間
パトカーが止まっていた。
花束が常にたくさん置かれていた。
初めて身近に感じた大スターの死だった。
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