絶対話せる!英会話

どんぐりさんへ。

この記事は3分で読めます

これはどんぐりさんのブログへのコメントです。
長くなってしまったので、こちらに書くことにしました。

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昨日料理中にTVを遠くから眺めていたときに、LAでヒスパニックの人が集会を開いていました。その後、我々の税金は英語が話せない子供たちの教育費にいくら使われている、刑務所の40%はヒスパニックでその人たちをまかなうのにいくら使われている、保険を持っていない彼らのせいで病院費用は膨らみ、毎年いくら使われている、というデータが示されていました。確かにアメリカ政府がヒスパニックのために支出している金額は途方もない数字でした。しかしその一方、アメリカも彼らを必要としているのですよね。

教育を受けていない人が、アメリカにやってきても未来は見えています。それでもやって来ざるを得ない。そして段々と数が増え、マイノリティからメジャーに変わり、力を持つ。力を持ったからって法律や仕組みがむやみに変えられるわけではありませんし、不法に滞在していることを棚に上げて権利だけを主張するなんておかしな気もしますが、当たり前の生活に対する保障を求めたくなる気持ちは分かります。

なぜならここでの保障が得られないとしたら、彼らはもうどこにも居場所がないからです。彼らのほとんどは、もう国へ帰れない人たちばかりです。そうした場合、ここで少しでもいい生活の保障を求めてしまうのは仕方がないことなのではないでしょうか。勝手に国を捨ててきたと言えばそれまでですが、それは勝者の意見だと思います。誰もが生まれつきいい環境を手にしていたわけではないのですよね。

きちんとした決まりがある場合、守らなければ社会の秩序は成り立ちませんが、どうしてもその決まりごとを守ってばかりいられない状況も世の中にはあるような気がします。(人に直接危害を与える場合は除きます。)例えばこの国にやって来ないと生活もできない状態が続くとしたら、危険を冒してもやって来てしまう人たちのことは法律では止められないでしょうし、私はそういう人もここにいる多くの人と同じような生活をする権利があるのではないかと思います。例え不法移民だから最低限の生活で当たり前というわけではないですよね。たまたま彼らは生活するのがやっとという環境に生まれてしまったに過ぎないですし、国が国として十分に機能していない場合、その場所を捨てて他へ移って新しい可能性を探すということはあり得る話だと思います。もちろん合法に移動できればいいのですが、それにはお金がかかります。そのお金すらも貯めれない状況なので、不法に国境を越えようとするのですよね。

もちろん、だからと言って、不法移民を全部受け入れればいいと言っているわけではないのですが、自分が生まれた場所に未来がないとしたら、違法だと知りつつも国境を越えたいと思うのはある意味自然なことのような気がしてしまいます。(賛成しているわけではありません。)

ここ南カリフォルニアでは裏方の仕事はほとんどヒスパニックの人がしています。皆がやりたがる仕事ではないですね。私はヒスパニック以外の清掃員をここで見たことがありません。これだけ多くの白人、黒人、アジア人がいる場所ですが、人がやりたがらないような仕事は全てヒスパニックの人によってなされています。ですがそれでも彼らは国へ帰りません。まだ仕事があるだけお金が稼げるだけ、祖国よりもましなのでしょう。

友人(ヒスパニック)に「帰りたくても帰れない、仕事がないんだもの。(ちなみに彼女は看護婦)ゆいたはいいよね、ここにも残れるし、帰ることもできる。でも私たちには帰る場所がないの。」と言われたことがあります。

帰る場所がないなんて不幸です。私がもしアメリカへ出稼ぎに来て、日本にはもう帰れないとしたら、何が何でもここで必死になるしかないとしたら…、私にはその悲しさと苦労は想像すらできません。こういう人たちがアメリカへ来た場合、そしてここで何年も低レベルの生活をし、アメリカのために働いたとしたら、少しはアメリカでいい待遇を求めても自然なのではないか、とついつい思ってしまいます。感情論が法律を簡単に動かしていいとは思いませんが、少しはそういう部分もあってもいいのではないか、と私は思ってしまいます。私にはヒスパニックの友人が多いので、私はどうしても彼らに同情的なのかもしれません。

もちろん、その一方で腑に落ちないというどんぐりさんのお気持ちも分かります。住んじゃったもの勝ちだとしたら、皆がそうしてしまうでしょうし、それでは決まりを守っている人たちがいい思いをするはずはありません。そして不法なことをしているのに、それを認めろという行動は確かにおかしなことです。しかし戻る場所もなく死ぬほどの思いでここにやってきて(実際国境越えで亡くなる人は増えていますし。)アメリカのために何かをしているとしたら(ここCAでヒスパニックは必要な労働力ですし。)少しは恩恵があってもいいのかな、と思ってしまいます。

私はこの件に関しては、そのときの立場と状況によって恐らく言うことが変わりそうな気がします。今は知り合いのヒスパニックの状況も改善されるべきであるという立場でこれを書いています。不法移民の存在に対して賛成というわけではないのですが、不法だから保障が与えられないという考えにも反対です。今アメリカで起きている問題は富の不平等が引き起こした現象だと思うのですが、それはすぐに解決できる問題ではありません。世の中にはいろいろな利害が絡んでいます。しかしマイノリティがメジャーになるときに、社会は動くような気がします。また考えてみます。

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